社員とDIC ~人材マネジメント 3 すべての人に健康と福祉を 4 質の高い教育をみんなに 5 ジェンダー平等を実現しよう 8 働きがいも経済成長も 10 人や国の不平等をなくそう

主な取り組みの目標と実績

グローバル経営のための人材育成と人事インフラ整備

2022年度 目標
    (人材育成)
  • グローバル経営体制への移行を見据えたタレントマネジメントの枠組みの構築検討
  • 選抜人材を対象とした人材開発の継続
2022年度 実績
  • 各地域でもつ人材情報、育成のノウハウを共有・統合すべく各地域統括会社との協働を開始
  • 日本において従前の育成研修に加え、若手人材を対象としたリーダー育成研修を開始
評価 ★★
2023年度 目標
    (人材育成)
  • 部門別人材ポートフォリオプランニングの推進
  • グループの経営者候補
  • グローバルリーダー人材の計画的育成
    (人事インフラ)
  • グローバル人事情報システムの日本
  • アジアへの導入検討
  • ISO30414をベースとした人事KPIの管理体制の構築
2022年度 目標
    (人事インフラ)
  • グローバル人事システムのあるべき姿およびロードマップの策定
2022年度 実績
  • Sun Chemicalとの連携のもと人事情報システムのスタディ、フィット&ギャップ分析も含めた導入スケジュール案を策定
評価 ★★
2023年度 目標
    (人材育成)
  • 部門別人材ポートフォリオプランニングの推進
  • グループの経営者候補
  • グローバルリーダー人材の計画的育成
    (人事インフラ)
  • グローバル人事情報システムの日本
  • アジアへの導入検討
  • ISO30414をベースとした人事KPIの管理体制の構築

多様性のある人材確保と活躍支援

2022年度 目標
    (女性活躍推進)
  • ダイバーシティ&インクルージョンの促進に向け、特にインクルージョンに注目した活動を推進
2022年度 実績 女性中堅社員向けマインドセット研修を4年ぶりに実施、13名受講。外国人社員ネットワーク会議の開催(2回/年)
評価 ★★
2023年度 目標
    (ダイバーシティ)
  • ダイバーシティ推進施策の継続(女性 リーダーシップ研修、外国人支援施策)
  • DIC本体と特例子会社の連携
  • 本社、各事業所、関係会社の障がい者雇用率の底上げ
    (働き甲斐向上)
  • 1on1ミーティングの推進による組織内コミュニケーション活性化
  • クリフトンストレングス®によるチーム力向上推進
  • 社員一人ひとりが自主的にキャリアデザインを行うキャリア支援施策
  • ジョブチャレンジの拡充
  • 新しいワークスタイルに対応したオフィス環境整備
2022年度 目標
    (障がい者雇用推進)
  • 引き続き特別支援学校を中心とする各校との関係強化
  • 障がい者の方の定着支援
  • 障がい者雇用率2.60%維持
2022年度 実績
  • 障がい者雇用率 2.48%( 2022年12月末現在)
  • 特別支援学校からの採用継続(2023年4月採用予定)
  • 総務人事部内に障がい者雇用推進担当の新設
  • 国内グループ会社への障がい者採用支援開始
  • 特例子会社の申請(11月申請・2023年1月認定)
評価 ★★
2023年度 目標
    (ダイバーシティ)
  • ダイバーシティ推進施策の継続(女性リーダーシップ研修、外国人支援施策)
  • DIC本体と特例子会社の連携
  • 本社、各事業所、関係会社の障がい者雇用率の底上げ
    (働き甲斐向上)
  • 1on1ミーティングの推進による組織内コミュニケーション活性化
  • クリフトンストレングス®によるチーム力向上推進
  • 社員一人ひとりが自主的にキャリアデザインを行うキャリア支援施策
  • ジョブチャレンジの拡充
  • 新しいワークスタイルに対応したオフィス環境整備

社員の人権、安全、健康施策の推進

2022年度 目標
    (人権保証)
  • 世界的な人権問題への関心の高まりの中、国連や世界各国の取り組みを踏まえ、継続的にグループ内の各社への人権方針の周知
  • インド、中国のグループ会社について人権デューデリジェンスを実施
2022年度 実績 コンプライアンスや購買担当部門、海外地域統括会社と情報共有・意見交換を通じ、今後のDIC人権デューデリジェンスのあるべき姿と関係者との連携を含めた全体設計を再策定開始。また中国とインドのDICグループ会社に対して人権デューデリジェンスを実施(中国19社、インド4社)し、結果は問題なし
評価 ★★
2023年度 目標
    (人権)
  • 人権に関するリスクの再特定および全社的啓蒙研修の実施(健康経営)
  • 健康経営に資する施策の継続
2022年度 目標
    (健康施策)
  • メンタルヘルス不調の未然防止と早期発見のための諸施策実施
  • ヘルスリテラシーを向上させる諸施策の実施
2022年度 実績 健康経営戦略マップを作成し、各種施策の取り組み目的を明確化し、これを社内外に公表した。また、継続取り組みとして健康づくりオンラインセミナー開催、長時間労働医師面接実施の他、ストレスチェックの職場分析結果を活用したメンタルヘルス統括産業医による職場改善面談も新たな取り組みとして実施
評価 ★★
2023年度 目標
    (人権)
  • 人権に関するリスクの再特定および全社的啓蒙研修の実施(健康経営)
  • 健康経営に資する施策の継続
  • クリフトンストレングスは、Gallup, Inc. の商標です
  • 「評価」は、進捗度に関する自己評価によるものです。
    [ 評価マークについて ] ★★★…非常に良好 ★★…順調 ★…要努力

人材マネジメントの基本的な考え方

DICグループは、経営ビジョン<彩りと快適を提供し、人と地球の未来をより良いものに– Color & Comfort –>を社員一人ひとりの業務を貫く大義として位置づけ、「社会的利益追求という共通課題解決に向けて、多様な社員が一体感を持ちながら協働していくエンゲージメントの高い組織」を目指します。そのために、人材を経営戦略実行における重要な「資本」としてとらえ、社員一人ひとりの人権・安全を保障し、多彩な人材が働き甲斐を感じられる職場環境や、自律的成長を促す制度、インフラ作りを行います。
また、会社の持続的成長のためにグループワイドに活躍できる人材の育成および、グループの組織力向上に取り組んでいます。

1. 人的資本経営の強化

① 人的資本価値を最大化する戦略的人材ポートフォリオ構築

DICグループは、「The DIC Way」の理念のもと、DIC本社が欧米、中国、アジアパシフィックに各々所在する地域統括会社と連携し、各人材マネジメント施策を推進しています。
2022年2月に発表した長期経営計画「DIC Vision 2030」では、人材を経営戦略実行における重要な「資本」としてとらえ、「人的資本価値を最大化する戦略的人材ポートフォリオ構築」実現のために、3つの重点施策と、それを支える人事機能プラットフォームの整備を打ち出しました。
「DIC Vision 2030」の実現に当たって求められるあるべき人材のポートフォリオを設定し、そのポートフォリオ構築に向けて、「人材育成」、「人材流動性(採用・維持・サクセッション)」、「エンゲージメント向上・組織力強化」の観点で施策をスピーディーに実施するとともに、「働く枠組み」、「リスクマネジメント」、「カルチャー/働き方改革」の観点から人事機能プラットフォームの整備を行い、人的資本経営の強化に取り組んでいます。

「DIC Vision 2030」の3 つの重点人事施策と人事機能プラットフォーム

「DIC Vision 2030」の3 つの重点人事施策と人事機能プラットフォーム

② WSR2020(Work Style Revolution 2020)について

社員の「働き甲斐向上」と「生産性向上」の実現を目指したDIC独自の働き方改革「WSR2020」は2020年に期間限定のプロジェクトとしてスタートし、2022年からは全役員がリードする全社員参加型の委員会として活動しています。従来から抱える諸問題の解決の他、新型コロナウイルスの感染拡大に伴うニューノーマル等、絶え間なく変化し続ける外部環境に対応するため、 既存のワークスタイルの抜本的見直しに全役員がコミットし、社員の「働き甲斐向上」と「生産性向上」を実現することを目指しています。2023年からは「DIC Vision 2030」でも掲げている「人的資本経営の強化」に関わる施策や企業カルチャーの変革等のテーマ・課題についても取り上げ、会社および社員のWin-Winの関係強化に取り組んでいます。

委員会で取り組む改革と目指すゴール

  • 働き甲斐向上改革

    The DIC Wayを体現すべく、意欲的に様々なことに挑戦しそれが公正に評価され、互いの存在価値が認められる職場を実現する

    • 社員一人ひとりがその能力を最大限発揮できる基盤を整備する
    • 社員のチャレンジと成果を適切に評価し、最大限報いる仕組みを導入する
    • 成果主義のもと、一人ひとりのキャリア形成を支援する
  • ワークプレイス改革

    チーム・同僚・関係者と協働しながら、会社・組織・個人の目標を実現するという高いモチベーションを持ち、いつでも、どこでも、快適に、かつ生産性高く仕事ができる環境を実現する。そのために、リモートワーク環境を整備するとともに、ITテクノロジーをフル活用できるインフラ体制の構築や社員のITリテラシー向上を達成する

    プロセス改革

    これまでの仕事のやり方、業務プロセスをデジタルトランスフォーメーション(DX)により刷新し、さらには新しいビジネスモデルの構築を通じて、個人と組織、会社全体の生産性を飛躍的に向上させ、競争基盤を強化する

③ 基本的な人事データ(DIC)

基本的な人事データ(DIC)

2. 3つの重点施策

1. 人材育成

① グローバルベースのタレントマネジメント

長期経営計画「DIC Vision 2030」では基本戦略の一つに「グローバル経営体制の強化」を掲げています。この戦略に合わせ、世界各地の多様な人材を見出し、経営人材として養成すべく、DIC本社、欧米、中国、アジアパシフィックの各地域が連携し、グローバルベースのタレントマネジメントの取り組みを始めています。2022年からは、各地域で持つ人材情報、育成のノウハウ等を共有・統合すべく各地域を管掌する統括会社の人事部門が協働し、活動しています。

② 人材育成体系

DICでは社員一人ひとりが高い能力を持ち続け、絶えず変化するビジネス環境に柔軟に対応しながら、持続的に新たな価値を生み出していくためのプラットフォームとして、人材育成に関する4つの基本方針およびそれに紐づく育成体系を設定しています。

人材育成に関する基本方針

方針1 「体系的なリーダーシップパイプラインの構築」では将来のリーダー候補者や若手のプロスペクト人材を選抜し、集中的な教育投資を行います。
方針2 「ジョブスキルのグローバル水準化」では多様な職務に求められる個別の専門スキル・知識を高度な水準まで向上させることを目的に、オンライン型の学習プラットフォームを使用し、必要なプログラムを必要なだけ受講できる個別最適化された学習環境を整えていきます。
方針3 「一人ひとりのキャリア実現の支援」では社員一人ひとりが自らのキャリア像を描くとともに、適所適材の観点から、キャリア実現に向けた支援を行います。
方針4 「自ら行動を起こし、変革を担える自律的な社員の育成」では各職種・各階層において求められる役割および行動を理解・習慣化し、自律的に変革を起こしていく人材を育てていきます。

DIC人材育成体系

1. DICリーダーシッププログラム 目的:体系的なリーダー育成体系の整備
優秀人材への教育投資を拡充し、将来のリーダー候補を計画的に育成するためのプログラム。中長期にわたるDICの成長を牽引するリーダー候補および、将来のリーダー候補者を選抜し、高度なマネジメントスキルやグローバルビジネススキル獲得を支援
2. DICスキルアッププログラム 目的:多様な職務に求められるグローバル水準のジョブスキル獲得
画一的な人材育成体系からジョブ志向の個別最適化された体系への変更を通じ、個々人の働き方、専門能力をグローバル水準へレベルアップ
3. DICキャリアデベロップメントプログラム 目的:多様な職務に応じた一人ひとりのキャリアパス実現を支援
社員がDICにおける自身のキャリア像を描くとともに、社内外のメンターのサポートを受けながら、〈2.DICスキルアッププログラム〉と併せてキャリア目標の実現を支援
4. DICアクションセットプログラム 目的:自ら行動を起こし、変革を担える自律的な社員を育成
DIC社員として、また一人ひとりの職種、職務、責任に求められる〈行動〉を理解し、それを習得することで、自律的に業務を改善し、変革を起こす人材を育成(階層別研修)

リーダーシップ養成

DICでは将来、経営を担うリーダー人材の計画的な育成を目的に、社員を選抜し、随時、リベラルアーツ教育などの外部研修機関への派遣や集合研修等を行っています。2022年には、従来のプログラムに加え、対象を30代後半の社員に広げた「プロスペクティブリーダー育成プログラム」を開始し、その一環として経営の基礎的な知識を学ぶ「グローバルリーダースキル研修」を実施しました。

キャリア教育

DICでは社員一人ひとりが自らのキャリア像を描き、自律的にスキルを研鑽する土壌を醸成するべく、キャリア形成支援活動を展開しています。この一環として、2021年に導入済みの50歳時研修「キャリア研修シニアコース」に加え、2022年には28歳時研修「キャリア研修ジュニアコース」、38~42歳時研修「キャリア研修ミドルコース」を新たに開始し、自分のキャリアを振り返るセルフ・キャリアドックの定期的な実施体制を構築しました。

リスキリングを通じた人材活用

「人的資本経営の強化」の基本戦略に則り、DICは社員のリスキリングに重点的に取り組んでいます。広範な分野でのリスキリング促進の一環として、「GLOBIS 学び放題」や「Udemy Business」など、従来の提供形式とは異なり、豊富な講座群から必要な講座を必要なだけ自由に選択できる、いわゆるサブスクリプション型のオンライン研修プログラムを2021年から提供しています。さらに、2022年からはリテラシー教育としてデータドリブンや価値創造・創出など、幅広いIT、デジタルに関わる知識を社員が気軽に身に付けられるオンライン研修「Schoo for Business」の提供を開始しました。

2. 人材流動性

「DIC Vision 2030」で掲げる事業ポートフォリオの変革を人材の観点において実現するためには、ビジネスニーズに合わせグループの人材ポートフォリオを多様化し、社員が国・地域や部門の枠組みを超えて活躍できる仕組みを整備し、またグループ内の人材流動性を高めていく必要があります。
DICではそのための重点施策として①異業種出身者、デジタル人材の積極獲得、②自律的なキャリア形成の支援、③計画的サクセッションの推進に取り組んでいます。

人材流動性

① 異業種出身者、デジタル人材の積極獲得

DICでは人材ポートフォリオの多様化を加速するため、異業種出身者を中心に経験者採用に力を入れて取り組んでおり、2022年の経験者採用の新規採用全体に占める割合(経験者採用/(新卒採用+経験者採用))は6割を超える水準で推移しています。また、グループのデジタルトランスフォーメーションの推進が期待されるデジタル人材の獲得については、即戦力が期待される経験者採用に加え、2024年度入社予定の新卒学生の職種別採用を実施し、中長期的な視点で人材の育成・底上げを進めていきます。

② 自律的なキャリア形成の支援

DICでは2019年より、社内公募制度「ジョブチャレンジ」を導入しています。本制度は労働市場における人材流動性が高まる中、社員が社内に適職を見出す機会を設けることで、個人が希望するキャリアへの転換を後押しし、全社レベルで最適な人材配置を実現することを目的としています。制度導入から4年間で約50名の社員が本制度による異動を実現しています。2023年には、本務を継続したまま副業として他部署の業務に挑戦できる社内副業制度「ジョブチャレンジ+(プラス)」の導入も予定しています。

③ 計画的サクセッションの推進

DICは事業の継続性、人材育成の観点から、計画的サクセッションの推進に取り組んでいます。2022年より、人事部門と社内各部門間の人事情報、人事課題の共有の場として人材マネジメント会議を開始し、この中で主要ポジションのサクセッションを取り上げています。今後、こうした情報を人材育成の観点でも反映させていきます。

3. エンゲージメント向上・組織力強化

① エンゲージメント調査

全社活動であるWSR2020における働き甲斐向上改革の一環として、2021年より国内グループ会社を対象とした従業員意識調査を定期的に実施しています。この調査結果は社員のエンゲージメントの把握に留まらず、WSR2020や人事部門での課題設定に加え、諸施策の成果評価の一部として活用しています。2022年の結果は調査を開始した2021年に比べ、わずかながらポジティブな結果が得られました。今後もWSR2020等の活動を通じて、エンゲージメントの向上に努めます。

② コミュニケーション促進、共感と信頼による一体感醸成

社員エンゲージメントを高めるには、活発な職場内コミュニケーションが不可欠です。2021年の従業員意識調査で課題が浮き彫りになった上司-部下間のコミュニケーションを促進する施策の一環として2022年に1on1ミーティングを制度導入しました。導入に当たっては、役付資格社員を対象としたマネジャーコミュニケーション教育、全社員を対象とした部下向け1on1ミーティング教育等を展開しました。12月に実施した実態把握のアンケート調査では2ヶ月に1回以上の頻度での実施率は67%、部下から見たミーティングの満足度は76%という結果でした。

VOICE

第2回ネクストグローバル人材養成研修に参加して得たもの

パフォーマンスマテリアル製品本部 パフォーマンスマテリアルCSグループ GM 坂本 賢吾

入社以来、英語の必要性を感じ、苦手な英語を克服したいと常に考えていましたが、いつの間にか20年が経過していました。そんな中、第2回ネクストグローバル人材養成研修に参加する機会をいただき、本気で英語を勉強するラストチャンスと覚悟してこの研修に臨みました。
約10ヶ月にわたる本研修の約8割が英語での講義で、毎回、戸惑いと緊張の連続でとても厳しい研修でしたが、知識・経験そして情熱を持った講師のもと、単なる英語研修ではなく、グローバルビジネスにおける必要なスキルを学ぶことができました。特に英語でのプレゼンテーション、ネゴシエーション、コミュニケーションのスキルは、計3回の「グローバルコミュニケーション能力アセスメント」を通じてレベルアップを実感できました。また、研修中の情熱と勉強量は誰にも負けていなかったと自負しています。
スキル以外でも得たものがあります。本研修がハードだったが故に、異なる部門のメンバーと苦労を共有し、良い関係性を構築できました。この社内ネットワークは研修に参加した全員の財産になることでしょう。近い将来、海外で働くチャンスが巡ってくるまで、本研修で学習したスキルのブラッシュアップ、そして英語学習を継続したいと思います。

パフォーマンスマテリアル製品本部 パフォーマンスマテリアルCSグループ GM 坂本 賢吾

自身の視野を広げることで、仕事への意欲も高まりました

ポリマ製品本部高機能化学品営業1グループ 佐治 桂介

私は2017年に1年間、海外トレーニーとして広州迪愛生貿易有限公司(DIC (Guangzhou) Co., Ltd.)に赴任しました。出張では何度も中国を訪れていましたが、現地に赴任して生活することで、これまで気づくことのできなかった中国人の考え方やその背景・文化を肌で感じることができ、ビジネス面においてもより深くコミュニケーションを取ることができるようになったと実感しています。
現地社内においては、ローカルスタッフとともに部署の垣根を超え、レクリエーション活動を企画しました。活動を通じ、公私ともに互いに相談ができる人間関係を構築し、一緒に仕事をしていく醍醐味を体験できました。
また、休日には社外活動で積極的に日本人同士の異業種交流に参加しました。同じ境遇で中国に来ている日本人は多く、日本では知り合うことのできない様々な業種・業界や各立場での話は非常に勉強になり、改めて自社および自分自身のことを見つめ直すことができる良い機会となりました。
海外トレーニー制度は、自分自身の視野が広がる非常に有益な制度であることを強く感じ、是非今後も多くの人に積極的にチャレンジしてほしいと考えます。

ポリマ製品本部高機能化学品営業1グループ 佐治 桂介

インドで学んだ多様性

本社 総務人事部 グローバル人事企画担当 藤澤 雄宇一

海外トレーニーとして、DIC India Ltd.で1年間勤務しました。40℃を超える気温、3車線の道路に6台の車が走る交通事情等、日本と異なるインドの姿に戸惑うことばかりでしたが、中でも、インド特有の早口な英語とトップダウン中心の仕事の進め方は業務面での大きなハードルでした。また、ビジネス環境の前提が異なるインドの人々に日本の人事制度の考え方を理解してもらうのは難しく、説明しても、「こんな制度はグローバルスタンダードではない」と却下され、何度も躓き悔しい思いをしました。最終的には、くり返しの議論を通じてしか相互の理解は促進できないことに気づき、英語の運用能力を高めることはもとより、信頼関係の構築、ロジカルな説明能力、議論好きなインド人から納得を得るための粘り強さを身につけることに努めました。まだまだ不十分ですが、1年間の勤務でこれらの力が伸びたことを実感しています。多様性を身につけるというのは、ビジネス、生活文化の違いを「良い・悪い」のものさしで判断することではなく、その違いを埋められるように自らを調整していく能力であり、譲れない部分については相手に歩み寄ってもらえるよう相手を動かす力であることを経験から学びました。また、自分ひとりで完結できる仕事などないことにも改めて気づかされました。特にトップダウンが中心であるインドでは上司の力を借りないと何も物事が進みません。今では、チームとして最も効率の良い仕事の進め方が何かという視点で仕事を考えるようになりました。
トレーニー制度は若手人材の視野を広げ、DICの一層のグローバル化に寄与すると信じていますし、今後も多くの人がチャレンジできることを願っています。

本社 総務人事部 グローバル人事企画担当 藤澤 雄宇一

3. 働く枠組み:人事制度・グローバル人事システム・働き方改革

1. 自律的・複線的なキャリア形成を促す人事制度

DICでは2022年1月から、事業の質的転換・新事業の実績化を支える組織能力(ケイパビリティ)の向上を目的に役付資格社員、一般社員ともに人事制度を改定しました。DICの人事制度では、付加価値・生産性向上、成果志向・チャレンジ志向、キャリア形成支援など、組織能力向上に向けて注力すべき重点方針を定め、方針に則る形で資格賃金制度、評価制度を設定しています。この新たな人事制度が「DIC Vision 2030」実現に向けた社員一人ひとりの働く枠組みとして有効に機能するよう努めてまいります。

① 資格賃金制度:一人ひとりの自律的なキャリア形成を促進し、成果の最大化を実現する資格賃金制度

● ジョブ/成果志向の資格賃金制度

社員一人ひとりが会社におけるミッションを明確に認識し、能力の発揮を最大化できるよう、役付資格社員、一般社員に求められる役割/発揮能力と期待される成果を<等級、職種>ごとに詳細に定義しています。同時に、上位等級に求められる役割、能力を開示することで一人ひとりが具体的なキャリア展望を描けるジョブ志向の資格制度です。また、職種・学歴を問わず成果を創出した人材は早期に昇格することが可能であり、賃金制度でもより成果志向に重きを置いた制度になっています。

● 複線的キャリア形成の促進

複線的キャリア形成の促進策として資格賃金制度改定の中で、幅広い業務を担当するジェネラリストに対し、専門性・希少性の高い社員を適正に処遇するスペシャリスト体系を2022年度の改定において新設しました。また、役付資格社員においては役割の種別に応じ、『ピープルマネジャー』、『プロフェッショナル』の区分を設け、マネジメント役割、プロフェッショナル役割それぞれに即した登用が可能な仕組みとしています。

主な検討、実施事項

② 評価制度:一人ひとりの成果創出とチャレンジを促進する評価制度

● 成果志向型評価制度

成果志向をさらに進め、社員のチャレンジを評価することをねらいとして、業務目標設定・評価シートでは成果を定量的に測定する仕組みになっており、行動評価、プロセス評価では、社員の自律的な行動に重点を置き、評価する仕組みとなっております。成果と自律的な行動を複合的かつ中長期的に積み重ねることで、長期経営計画の実現を目指します。

● チャレンジ促進ツールとしての人事評価制度

評価制度では短期的な成果のみならず、中長期的な成果につながる「チャレンジングな行動」を加点する仕組みを導入することで、社員のチャレンジを一層促進し、イノベーション創出につなげてまいります。

● キャリア形成促進ツールとしての評価制度

一般社員が現在のキャリアの棚卸しや、1年後、3年後のありたいキャリア像を自ら考え、自身のキャリア開発に活用する「キャリア目標シート」を導入しています。目標設定時に本人が自身の希望するキャリアを設定し、上司がコメントを行う他、1on1ミーティングなどで活用しており、社員一人ひとりに最適化したキャリア形成を会社として支援する仕組みとして、今後は部署間の人材交流などに活用していく予定です。

● 適正な評価の実施

評価の納得性、優秀人材の可視化を目的に、一般社員を対象に、評価者による評価者会議を実施しています。この会議は、各部門における評価制度の公平、公正な運用を促進し、また、社員のジョブローテーションや人材開発等のキャリア形成支援に活用していく予定です。

2. グローバル人事システムによる人事フレームワーク標準化

事業のグローバル展開が加速する中、グループ全体の人的資本価値を高め、経営戦略を遂行していくためには、国や地域を超えた人材の育成・登用を行い、グループ全体で適所適材を実現する統合的な人材マネジメントが必要となります。
DICグループではグループ・グローバル共通の人事制度・施策の導入を進めています。国内では2018年1月、DICおよびDICグラフィックス株式会社の役付資格社員(マネジャー級)約1,300名を対象に、従来の能力ベースから役割ベースに等級基準を改めました。これにより日本・欧米・中国・アジアパシフィックの大半のマネジャー以上の等級が職務・役割ベースの基準に統一されました。
一方、グループ人材を管理するHRシステムについては一部を除き統一されておらず、グループワイドで人材マネジメントを進める際に、多大な労力を要していることが喫緊の課題となっています。また、ESG投資の高まりから、非財務情報である人的資本に関する情報開示が求められる中、グループ内の人材情報を一元的に管理していく必要性も高まっています。
これらの問題に対応するため、DICはグローバルHRシステムの導入および、人事フレームワークのさらなる標準化に取り組んでいきます。

3. 働き方改革:働き甲斐向上・生産性向上

① 働き甲斐向上改革

「働き甲斐の向上」と「生産性の向上」を目指し、全役員がリードし全社員参加型のWSR2020委員会では、働き甲斐を感じられるDICの職場像を「The DIC Wayを体現すべく、意欲的に様々なことに挑戦し、それが公正に評価され、互いの存在価値が認められる職場」と定義しました。そして、その実現に向け、同委員会の働き甲斐向上改革ワーキンググループが中心となり、「ダイバーシティ」、「インナーブランディング」、「コミュニケーション」、「キャリア支援」、「帰属意識」の5つの視点から様々な施策を展開しています。

働き甲斐向上改革

クリフトンストレングス®の展開

働き甲斐向上・生産性向上施策の一つとして、社員一人ひとりの強みを診断するアセスメントツールである「クリフトンストレングス®」を約8ヶ月間にわたって、事業所・部門ごとに全社展開しました。自身の資質(強み)を言語で知ることによって、まずは自己理解を深めてもらうということを目的に、2022年度は毎月説明会を実施しましたが、2023年度は部署でのチームビルディングにクリフトンストレングス®を活用し、互いの資質・やり方の違いを認め合える職場、さらには、自分にない強みを相手から借りることができる職場、すなわち一人ひとりが気持ちよく働けるwell-beingの高い職場づくりを目指していきます。

② ワークプレイス改革を通じた生産性向上

2018年1月にスタートした「DICテレワーク勤務制度」は、全社員・全職場を適用対象としており、新型コロナウイルス感染拡大を機に普及・浸透が一段と進み、withコロナの環境下での働き方として多くの社員に活用されるようになりました。さらに、DICでは、テレワークの普及を働き方改革の好機としてとらえ、WSR2020活動の一環として、生産性と社員の働き甲斐の向上を目指し、まず本社を対象とするオフィス改革活動に2020年秋より着手しました。約2年にわたる企画検討の末、その第一次計画である事業部門系部署を対象とした新オフィスの運用を2023年2月より開始しました。ワークプレイス運営方針には、テレワークとオフィス勤務を適度に組み合わせ、双方の利点を活かす柔軟な働き方である「ハイブリッド・ワーク」を置き、新しい働き方のコンセプトには、近年注目されている自律性を重視する働き方「ABW」(Activity Based Working)を据えました。ABWとは「業務内容に適した場所・機能・環境を各人が自ら選択する働き方」であり、これに合わせて、社員各人の業務活動に適した様々なオフィス設備を、機能別にゾーンを分けてレイアウトする設計によるオフィスを構築しました。特にオフィスの役割として、コミュニケーション面などのリモートワークの弱点を補う機能の強化や、フリーアドレス制導入により、全員が常時出社しない働き方を前提としたオフィス面積の効率的な活用を同時に実現しています。現在、第二次計画として、管理部門のオフィス改革に取り組んでおり、2023年中の完成を目指しています。

4. DICグループが目指すダイバーシティ

DICグループでは、DEI&Bが実現できる組織を推進

DICが目指すDEI&Bは、社員一人ひとりの個性や多様性が尊重されながら(Diversity:多様性)、挑戦する一人ひとりに対し、機会や可能性が平等に提供されるような制度のもとで(Equity:公平)、個人が最大限能力を発揮し、活躍できる状態です(Inclusion:受容)。そして、これら3つが満たされることで、社員の帰属意識が高まると考えています(Belonging:帰属)。

ダイバーシティ

多様な人材が生み出す付加価値が社会的利益を生み出し、長期的な企業価値の向上につながっていきます。DICに集う、様々なバックグラウンドを持つ“多様な個”が、一人ひとりの個性・能力を発揮させ、「違い」を活かすことでイノベーションを創出し、『彩りと快適を提供し、人と地球の未来をより良いものに - Color & Comfort - 』という、DICグループ共通の大義の実現に取り組む活動を推進してまいります。
数値目標としては、役員や社員のダイバーシティ数値目標に加え、ワークライフバランスに関する数値目標である男性育休取得率、さらに女性の活躍に関する情報として男女の賃金差異の数値目標についても今後公表してまいります。具体的には下記表のKPIを設定しダイバーシティ浸透を進めています。女性管理職比率は、前年より約1%増加し、徐々にではありますが、目標値に近づいています。
数値目標の達成に当たっては、多様性を取り入れること(インクルージョン)の重要性、必要性を意識してもらうことを発信し続けるとともに、多様性を受け入れる土台となる『心理的安全性』や、社員一人ひとりが働き甲斐を持っていきいきと働く『Well-being』な状態を維持できる風土作りに向け、前進してまいります。

ダイバーシティKPI

DICグループダイバーシティ

DICは、世界63の国と地域に190のグループ会社を通じて事業を展開しています(2022年12月31日現在)。急速な世界、市場、事業情勢の変化に伴い、DICの事業と人材はこれまで以上にクロスボーダー&クロスカルチャーな環境で協働していくことが求められています。2022年に日本、欧米、中国、アジアパシフィックの人事責任者およびダイバーシティ・エクイティー&インクルージョン担当者が集まり、グローバルダイバーシティチームミーティングを実施しました。①グループ全体、②各地最適の2領域での活動によって、2030年に向けたグローバル連携を強化していきます。1領域目のグループ全体活動として、異文化コミュニケーションの知識&意識向上を掲げ、変化し続ける環境で異なるダイバーシティ&インクルージョン課題に対応するために、The DIC Wayに基づいたグローバルな協働を促す施策を推進してまいります。その一環として、「カルチャーマップ」をテーマとした異文化コミュニケーションワークショップを行いました。これを各地域でのグローバルな協働を考える上での起点とし、今後のDICグループでのダイバーシティ&インクルージョンを広げ深めていきます。

  • INSEAD(インシアード)マネジメント実践教授エリン・メイヤー氏が提唱した異文化経営のフレームワーク

2領域目の各地最適の活動としては、課題や施策も各地域それぞれであることから、各地域のダイバーシティ&インクルージョン施策を相互に共有しあい、今後の各地域のグループ全体の学びにすることで、能力ある多様な人材が活躍できる環境の整備を進め、ダイバーシティをビジネスのイノベーションにつなげてまいります。

地域別社員数

地域別社員数

地域別ジェンダー

地域別ジェンダー

地域別管理職数および地域別女性管理職比率

VOICE

DICグループとダイバーシティ

ESG 部門長・ダイバーシティ担当 執行役員 虎山 邦子

DICグループは63ヶ国に22,743名の社員(22年12月31日現在)が働いています。DICグループが持つ多様性は、男女の違いのみならず、国ごとの文化の違いや人種、宗教、考え方など、多岐にわたっています。このような多様性を活かし、ビジネスのイノベーションやシナジー効果発現につなげるべく、DICはグループ内での社員の交流をより一層促進します。日本は女性の管理職が他の地域に比べて少ない状況です。女性が働き甲斐を持ちながらいきいきと働き続けられるように、女性管理職比率の向上も含め、様々な施策に全力で取り組んでまいります。

ESG 部門長・ダイバーシティ担当 執行役員 虎山 邦子

1. ダイバーシティロードマップ

ダイバーシティロードマップ

2. 外国人社員の採用

DICは、グローバルなマインドや高い専門能力・語学力などを持つ人材として、日本の大学・大学院を卒業した外国人留学生、海外の大学を卒業した日本人留学生、外国人学生および外国人キャリア人材を積極的に採用しています。DICでは現在、46名の外国人社員が様々な職種で活躍しています。また、一人ひとりが個の力を発揮し活躍できる職場環境とするため、2019年度より、外国人社員の活躍推進を進めています。相談窓口の設置や外国人社員向けのウェブサイト新設、社内文書の英語化等、インフラ面や制度面の整備も進めつつ、2020年12月からは外国人社員を対象としたネットワーク会議を半期ごとに開催、そして、2022年度からは新入外国人社員と配属部署向けの異文化研修も開催しています。

職種別外国籍社員数
外国人社員数(嘱託含む)

VOICE

新たな挑戦に立ち向かい、社会にインパクトを与えるために、新しいトピックを見つけたいと思います

ESG 部門長・ダイバーシティ担当 執行役員 虎山 邦子

私は、前職で顔料や液晶に関連するDICの技術によく触れる機会があり、それがきっかけでDICを知りました。日本のグローバルな化学メーカーのR&D部門で働いていたため、製品開発に興味がありました。DICの千葉工場に入社してからは、新しいトピックや異なる市場、例えば産業用塗料向けの新しい樹脂製品などについて取り組んでいます。新製品の開発に携わる私の仕事は、常に持続可能性(CO2の削減、リサイクルやバイオマス製品の使用)が主要なキーワードとして重要視され、未来社会に関わっていることを実感しています。DICには、海外グループ会社が複数あり、業務上、海外の技術拠点やDICの新規グループ会社と関わる機会があるため、今後は、海外の技術グループとの交流や議論をより活発にしていきたいと思っています。

千葉工場 機能性材料技術本部 機能性材料技術4グループ ネケルソン ファビアン

成長意欲とチャレンジ精神を持ち、社会課題の解決に挑みます

本社 新事業統括本部 次世代パッケージングBU P-1 プロジェクト 趙 忻

私は就職活動をしていた頃、グローバル企業で財務・経理関連の業務に携わりたいと考えていましたが、DICの海外拠点の多さ、特定領域での世界シェアの大きさに惹かれ、入社することを決意しました。入社後は、財務部での業務のみならず、マーケティング統括本部、新事業統括本部と、複数部門で幅広い仕事が経験でき、様々なバックグラウンドを持つ国内外の社員と出会って、日々学び、成長を実感しています。また、近年のフレックス勤務やテレワークの推進、社内ジョブチャレンジ制度の施行、外国人社員ネットワークの構築など、様々な施策が展開され、自分のような外国人社員、また仕事と子育てを両立している女性社員にとって、ますます働きやすい環境になってきたと実感しています。特に、2022年からの人事制度の改定により、若手社員や育休から復帰した社員の、昇格試験の早期受験も可能になりました。これらの取り組みは、社員一人ひとりの働き甲斐やチャレンジ精神の向上、能力発揮の機会の増大に確実につながっていると感じています。 

本社 新事業統括本部 次世代パッケージングBU P-1 プロジェクト 趙 忻

多様性を進める一員として、DICと社会の発展に貢献していきたいと思います

総合研究所 カラー技術本部 ティムトンナルモン

私は博士課程在学中に日本で就職活動をしていましたが、日本語が得意でない学生を積極的に採用する企業は多くありませんでした。そのような中で、DICは海外出身の学生の採用を推進している企業でした。DICは複数の事業領域を持ち、世界に数多くの拠点や関連会社を有する点で傑出した会社です。私は入社以来、3つの職場でそれぞれ異なる製品の開発を経験してきましたが、様々な経歴を持つエキスパートたちから学び成長することができました。またDICは数ある企業の中でも特に、女性が継続的に働ける環境づくりを実現できていると感じます。このようにダイバーシティを重視する企業であるからこそ、DICは激変する世界情勢にも柔軟に対応できるのだと考えています。例えばこのコロナ禍において、迅速に職場の感染対策を強化し、抗ウイルス機能を持つ製品を開発しています。私はこれからも多様性を進める一員として、DICと社会の発展に貢献していきたいと思います。

総合研究所 カラー技術本部 ティムトンナルモン

時代のニーズを満たすために絶え間なく変化し続ける会社です

鹿島工場 SC プロジェクト フー シオンワン

DICは果敢に夢とイノベーションを追求し、時代のニーズを満たすために絶え間なく変化し続ける会社です。近年、一緒に働く女性管理職や外国籍の同僚が目を見張るほど増えてきていますが、これはダイバーシティの実践の成果だと考えています。多様な経歴や長所、そして短所を持つ社員が協働することで、今後発生しうる、様々な厳しいビジネスシナリオに対応可能な包括的なチームを作り出しています。私は、DICがこれらに積極的な取り組みをしていることに感銘を受けています。このことが、創業100年を超える数ある企業の中で、DICをより際立たせている要因であると考えます。私は、DICの一員であることを嬉しく思います。

鹿島工場 SC プロジェクト フー シオンワン

業務計画に合わせたフレキシブルな仕事環境が認められています

成形加工技術本部 成形加工技術2 グループ Sia-Er Tan

就職活動をしていた頃、国際人材として成長できるような企業を探し、海外拠点の多いDICに決めました。配属された部署は車載部品によく使われるエンジニアリングプラスチックスPPSの開発部隊です。日本を含め、5つのグローバル製造拠点を有する事業のため、海外のスタッフや顧客とのやりとりが少なくありません。海外勤務経験のあるスタッフが何人もいて、個性豊かで活発な職場です。また、DICはフレックス勤務や在宅勤務などの多様な働き方を導入しているため、自分の業務計画に合わせて、出退勤の時間調整や、集中するためにイヤホンをつけながらデスクワークをすることもでき、日本企業ではできないとされている自由な仕事環境に恵まれています。技術職でよく提唱される「固定概念にとらわれない」ということも、自分の職場の働き方改革の中で徐々に浸透しているのではないかと感じています。

成形加工技術本部 成形加工技術2 グループ Sia-Er Tan

上司・同僚のサポートで仕事の醍醐味を感じることができました

東京工場 分散技術1グループ 張 琴姫

大学院時代に学会で知り合ったDIC社員の積極的な姿勢、豊富な知識に惹かれ、就職活動の時にDICを第一志望し入社できました。入社当初は大学の専門分野と異なる液晶製品の開発部署に配属され、関連する専門知識・ノウハウが全く分かりませんでしたが、上司や同僚の温かいサポートのお蔭様で難局を乗り越え、新製品の開発で成果をあげることができ仕事の醍醐味を感じました。若手に大事な仕事を任せて成長させること、仕事も生活も困ったことがあったら相談に乗ってくれる同僚がたくさんいることは私にとってDICの魅力のポイントです。2018年の4月からグラビアインキ部門に異動し、新しいスタートラインに立っています。これからも大変なことがあるかと思いますが、新しいことを吸収しながら自分なりに努力し、新しい職場で早く役に立てるように頑張っていきたいと思います。

東京工場 分散技術1グループ 張 琴姫

TOPICS

DIC本社で外国人社員ネットワーク会議を開催

第5回目となる外国人社員ネットワーク会議を2023年1月に本社で開催しました。本会議は、外国人社員同士のネットワーク強化のために、2020年度より、年に2回実施しています。これまで、新型コロナウイルスの影響により、すべてオンラインで開催となりましたが、今回は、各事業所の外国人社員が本社に集まり、初めて対面で執り行いました。当日は、本会議をさらに有意義なものとするために「今後の会議の運営方法」について、グループに分かれ、意見交換を行いました。同じ空間に集まることで参加者同士もよりフランクにコミュニケーションを取ることができ、この会議にどのようなことを求めているのか、理想の開催時間、頻度、時期は何なのかについて、議論を深めることができました。職場環境やキャリアに対する不安を軽減し、外国人社員のモチベーション向上につなげられるよう、これからも外国人社員の生の意見を取り入れながら本会議を継続してまいります。

外国人社員ネットワーク会議を定期的に開催しています

2021年度は、7月と12月に外国人社員同士のネットワーク強化を目的とする「外国人社員ネットワーク会議」を開催しました。当日は、「外国人社員のキャリアについて」を勉強会テーマに取り上げ、外国人社員3名による自身のキャリア紹介や、各職場で文化の違いを理解し、多様性の受容を促進することを目的としたウェルカムパッケージや、アンコンシャス・バイアス(無意識の思い込み)について、参加者同士による討議を実施しました。
参加者からは、「自身のキャリアプランを立てるに当たって大変参考になった」、「相互理解を深める良い機会になった」などの感想が寄せられました。
2021年度はコロナウイルスの影響により、すべてオンラインでの実施となりましたが、疎外感や孤独感を感じている社員の励みとしてもらうためにも、今後はより気軽にコミュニケーションが取れる対面での実施も検討していきます。

外国人社員ネットワーク会議を開催

2020年12月、外国人社員同士のネットワーク強化を目的とする「外国人社員ネットワーク会議」を開催しました。社内に同じ悩みを抱えている存在がいることを知ることで、疎外感や孤独感を感じている社員の励みとしてもらうために、今後も定期開催を予定しています。
当日は、「日本の公的年金・企業年金の仕組みの勉強会」、「人事制度に関する一問一答」のセッション後、参加者同士でのフリーディスカッションが行われました。参加者からは、「年金制度について勉強になった」、「人脈を広げるいい機会になった」、「次回は外国人社員のキャリアプランのイメージが知りたい」などの感想が寄せられました。

ダイバーシティ役員ラウンドテーブルを実施

猪野薫社長をはじめとする日本在勤の全役員を対象にダイバーシティ役員ラウンドテーブルを実施しました。これは、ダイバーシティに関する各部門の試みを共有し、今後のよりよい取り組みにつなげるための企画です。総務法務部門長委嘱・ダイバーシティ担当の中藤正哉常務がファシリテーターを務め、これまでの女性活躍推進施策や、ダイバーシティ推進活動のロードマップに沿った活動についてディスカッションが行われました。当日は、生産部門における女性社員を対象としたインタビューセミナーなど各部門の具体的な取り組み事例や広義のダイバーシティ推進の上で多様な特性・属性を持つメンバーとの協働で生じた効果などが紹介されました。

ラウンドテーブルの様子

ラウンドテーブルの様子

3. 女性の活躍推進

DICでは、ダイバーシティ推進の施策の一つとして「女性活躍推進」に取り組んでいます。2007年より仕事と育児の両立支援を推進する活動を開始し、2016年からは女性がさらに活躍できる会社を目指し、社員の意識改革や企業風土の変革、女性のチャレンジ意欲向上を目的とした教育、職務領域の拡大などの施策を進めています。2022年には、女性社員の視野・視座向上を目的とした社外研修への派遣、および社内役員によるメンター制度を開始しました。自身の働き方やキャリアを、自身で考えられるよう様々な施策を提供し、女性がいきいきと働けるよう推進活動を行ってまいります。

① 女性の職域拡大

DICでは、2008年に全社で初めて千葉工場の交替勤務現場に女性社員4名を配属して以降、着実に製造や原動の現場で活躍する女性社員の数が増えており、係長や班長を担う女性社員も増加しています。今では、7工場で交替勤務者11名を含む30名が勤務しています。女性用休憩室やロッカールームの新設など職場環境の改善に向けた取り組みを既に進めていますが、事業所にいる女性のさらなる職域拡大を推進するためにも、引き続き職場環境整備に努めてまいります。

事業所製造グループの女性職制数
女性の職域拡大

② これまでの女性活躍推進活動の経過

これまでの女性活躍推進活動の経過

TOPICS

猪野社長と女性リーダー育成プログラム受講生による「ランチタイムラウンドテーブル」開催

2019年5月、本社において猪野薫社長と女性リーダー育成プログラム(W-LDP)の受講生によるランチタイムラウンドテーブルが開催されました。当日は、猪野社長がDICの取り組むダイバーシティ推進について話したほか、「少子高齢化や共働き社会においての環境整備」、「次世代の子育て世代の両立支援に向けて必要なこと」、「ダイバーシティ推進にあたり、今のDICに不足しているもの」などについてディスカッションが行われました。参加者からは、「経営トップの考えを聞く貴重な機会となった」、「ダイバーシティ推進について正しく理解することができた」などの感想が寄せられました。

ラウンドテーブルの様子

ラウンドテーブルの様子

VOICE

J-Win のプログラムに参加して得たこと

本社 コーポレートコミュニケーション部 広報グループ パブリシティ担当マネジャー 矢野由紀恵

23人が属し「他社協業」をテーマとした当分科会では、文献調査や企業訪問、ケーススタディを通じて知識と経験を深めました。その中でもっともエネルギーを要したのは、メンバー間で「互いが腹落ちするまで話し合う」ことでした。「企業に属する女性のビジネスパーソン」という以外は共通点のない個人が、活動を通じてチームビルディングを体現し、ベクトルを合わせていく過程は得難い体験でした。また、所属企業の取り組みや制度などの情報交換は新鮮で、自社を振り返るきっかけともなりました。研修で得たネットワークは私にとって宝物です。この貴重な体験と縁を自社に持ち帰り、より有機的なものにすることが、これからの私のテーマです。

本社 コーポレートコミュニケーション部 広報グループ パブリシティ担当マネジャー 矢野由紀恵

③ 障がい者の雇用推進

DICグループでは多様な人材の個性や特性を活かした職場作りを目指しています。障がい者の積極的な採用だけでなく人材育成の観点で職域拡大や成長を促す仕組みを整備するため、特例子会社※としてDICエステート株式会社の認可申請を行い、2023年1月1日に認可されました。また総務人事部内に障がい者雇用推進担当を新設し、国内DICグループ全体の障がい者雇用と定着支援のサポートを開始しています。今後はDICと特例子会社が協働で、障がいのある社員がさらに働きやすく活躍できる環境の整備を加速してまいります。

  • 特例子会社とは親会社が主導し、障がい者雇用を推進する目的を持つ会社。所管のハローワーク経由で厚生労働省の認可が必要
障がい者雇用率の推移(DIC)

VOICE

ダイバーシティ&インクルージョンを目指した職場作り

DIC エステート 業務サポート部 黒田 毅

2018年に千葉工場よりDICエステート株式会社業務サポート部に異動しました。障がい者の雇用は未経験の業務でしたが、外部企業への見学会や講習会等に参加し、必要な知識・技術を学びました。業務においても外部インタビューや他社からの見学会、特別支援学校からの実習生受け入れなど貴重な経験もしています。
DICエステート株式会社は、2023年1月より特例子会社として新たなスタートを切りました。
現在は業務サポート部の方針でもある「ダイバーシティ&インクルージョン推進」を基に人材育成を進め、当事者として頑張れば障がい者でも評価していただける環境に感謝し、今までの経験を次の世代に引き継ぐことが使命と考え、日々努力をしています。

DIC エステート 業務サポート部 黒田 毅

これからも業務の幅を広げ、いろいろな仕事にチャレンジしていきたいと思います

堺工場 製造1グループポリマ生産計画課 平尾 清吾

私は在学中にDICの堺工場で2回の現場実習を行い、2019年4月1日に堺工場製造1グループポリマ生産計画課に入社しました。しっかりと働くためには、まずは健康です。早寝早起きをして、朝食を毎日会社の食堂で食べること、そして体力づくりを継続して行うことを心がけてきました。その結果、仕事もバリバリ行えるようになり、始めはコンテナ洗浄が主な仕事でしたが、今では詰め替え業務や書類の整理・保管作業など広範な業務を手伝えるようになりました。業務に対しては、「安全基本動作を着実に実行すること」、品質不良を発生させないよう、どんな小さな事でも「報連相を徹底すること」を実践していますが、まるで自分のおじいちゃんのようにやさしく教えてくれる再雇用の方や、なんでも相談に乗ってくれる上司や同僚の方にも囲まれ、毎日楽しく働くことができています。さらに最近は、現場作業だけではなく、デスクワークも行えるようにパソコンを使いSOPを作成する教育も受け始めました。
今後の目標は、パソコンを使いこなし、分かりやすい、見やすい、みんなが活用できるSOPを作成できるようになること、詰め替え業務の範囲を増やすことなど、いろいろな仕事にチャレンジしていきたいと思っています。

堺工場 製造1グループポリマ生産計画課 平尾 清吾

学んできた基本動作の大切さを新入社員や実習生に伝えていきたいと思います

DICエステート株式会社 業務サポート部 丸山諒介

私は2020年4月1日にDICエステート株式会社 業務サポート部に入社をしました。
しかし新型コロナが蔓延し緊急事態宣言が出され、メール室全体で通常どおりの業務を行うことが難しくなりました。コロナの感染が増えるたびに今後どうなっていくのだろうという不安な気持ちになりながら集配と宅配業務をやり続けていく中で、私は2つのことを意識して業務に取り組み今も続けています。1つ目は「気持ちのこもった明るい挨拶」をすることです。メールバッグの交換時に毎回、明るい挨拶を続けることで、各部署からは「ありがとうございます」や「お願いします」と返してもらえ自分に自信がつきやりがいを感じます。2つ目は基本動作である「指差し呼称」を行い、社内便や郵便物を正しく仕分け届けることに取り組んでいます。「どこの部署(事業所)の誰から来たのか」、「どの部署(事業所)の誰宛てに送るのか」という2つの点を注意しながらチェックし、責任感を持って誤配や遅配がないように業務を行っています。
今後の目標は、1年を通して学んできた基本動作の大切さを新入社員や実習生に伝えていきたいと思います。またメール室内で基本動作を怠らないように自ら声をかけていきたいと思います。

DICエステート株式会社 業務サポート部 丸山諒介

感謝の言葉が業務への励み・やりがいになっています。

DIC エステート株式会社 業務サポート部 中川 凌

私は2017年4月3日にDICエステート株式会社 業務サポート部 メール室に入社しました。担当している業務は「集配業務・宅配業務・給茶機保全業務」です。それぞれの業務では次のことを意識して作業をしています。
1つ目は集配業務で、社内便や郵便物を部署へ正確にお届けするだけでなく、安全確認を行いながら業務を行うことです。
2つ目は宅配業務でも、荷物の重さ・数等を考慮し安全に運ぶことを常に意識して業務を行っています。
3つ目の給茶機保全業務では、清潔な状態を維持するために、水滴や汚れを見逃さないようにしています。
それぞれの業務を行っている時に、社員の皆様からいただく感謝のお言葉が、私にとってとても励みになっていますし、やりがいを感じる部分でもあります。
今後は、メール室のリーダー達のように、常に周りを見て行動し誰にでも気遣いができる人間になることが目標です。そのような人間になるために今後も頑張っていきます。

DIC エステート株式会社 業務サポート部 中川 凌

温かな声をかけていただくことは業務のやりがいにつながります

DIC エステート株式会社 業務サポート部 田中 星

私は2017年2月にDICエステートに入社しました。主な仕事は日本橋ビルの呈茶業務と各フロアにある給茶機の保全業務です。給茶機保全業務では、給茶ステージやスノコの洗浄、お茶や砂糖などの備品の補充を行っています。呈茶業務では3階役員応接室のお茶出しと終了後の部屋の清掃・片づけを行っています。この2つの仕事でやりがいを感じることは、作業中に社員の方から「いつも給茶機の清掃してくれてありがとう」や、「呈茶している姿を見ていたお客様からの評判が良かったよ」と温かく声をかけてもらった時です。これからも社員の方に気持ちよく使っていただけるように給茶機をきれいに管理していきたいです。そして呈茶業務では、お客様に美味しいと言ってもらえるようなお茶を淹れられるように努力していきたいです。

DIC エステート株式会社 業務サポート部 田中 星

TOPICS

特別支援学校の生徒との交流

DICエステート株式会社では、特別支援学校から障がいのある高校生をインターンシップにて広く受け入れ、社員として採用しています。その社員の母校と連携し、社内カフェの一周年記念の際に、在校生が授業で製造した焼き菓子をDICエステート株式会社で購入し、社員へ送りました。これにより、特別支援学校との関係強化だけではなく、在校生の方々が、先輩の姿を実際に見ることで授業へのモチベーションの向上が見られたとのことでした。今後は、東京の特別支援学校への協力だけではなく、東京近郊の特別支援学校への協力も視野に入れ活動を継続して行きます。

特別支援学校の生徒との交流の様子

特別支援学校の生徒との交流の様子

「障がい者就労支援フォーラム」で講演しました

DICエステートは2021年7月29日に開催された東京都ビジネスサービス株式会社とリコージャパン株式会社の共催ウェビナー「事例から考える障がい者雇用の仕組みづくり ~障がい者就労支援フォーラム~」において講演しました。
DIC本社ビルにおける、DICエステートの社員が“ いきいきと働くことができる仕組みづくり”が高く評価され、「個人の成長と組織の拡大~コロナ禍におけるダイバーシティ&インクルージョン~」と題した講演では、各業務の動画マニュアルによる業務紹介や、業務の拡大、人材育成など現在取り組んでいる具体的な事例を紹介し、企業担当者や学校関係者65名が聴講しました。
ウェブ上でも質疑応答が活発に行われ、講演後のアンケートでも多数の質問が寄せられ、DICエステートの取り組みへの関心の高さが伺えました。

④ 定年再雇用者の再雇用とライフプランの支援

DICでは、定年(60歳)を迎えた社員が継続して活躍できるよう、再雇用を希望する社員全員に業務を提示し、最長65歳まで雇用する、再雇用制度を導入しています。フルタイム、短時間勤務、ワークシェアリングなど、多彩な勤務形態のもと、再雇用者は、それまでの経験や培ってきた高い技術・専門性を発揮して、企業の持続的成長、後進の育成の一端を担っています。また、定年を1年後に控えた社員を対象に、定年後の生活設計支援を目的とした「年金教室」を開催し、年金制度の解説や年金生活のシミュレーションなどを行っています。

定年再雇用者の経年推移(DIC グループ出向者含む)

5. 人事ガバナンスと人権の尊重

1. 人事ガバナンスの強化

DICグループでは、グループの人事ガバナンス強化の取り組みとして、グループの主要ポジションを定義し、その任免権、評価権および報酬決定権の所在を明確にし、DIC本社がその決定に関与しています。また、グループを日本、欧米、中国、アジアパシフィックの4地域に分け、DIC本社は日本地域を直接統括するとともに、他3地域については各地域を管掌する統括会社と連携してグループ全体の人事ガバナンスの強化に取り組んでいます。

グループの主要ポジションに対する人事ガバナンス

2. 人権の尊重

DICグループは、人権に関する国際規範※1を支持し、その内容に則り、2018年に「DICグループ人権方針」を定め、人権尊重の取り組みを推進しています。また、社員の統一的規範である「DICグループ行動規範」にも、企業活動におけるあらゆる人権侵害を排除し、多様性を尊重することを明示しながら、その理念に基づき事業活動を推進しています。DICグループ社員は、この行動規範の内容を理解した上で、確認書を提出し、本規範遵守を念頭に業務を行っています。また、2010年から国連グローバル・コンパクトに賛同し、「人権」、「労働基準」など10原則を支持するとともに、企業活動全般に反映するべく、DICグループ会社経営幹部や従業員への啓発や点検・監視体制の拡充を図り、継続的に人材マネジメントにおける人権尊重の認識の強化と問題発生の未然防止に努めています。

  • 人権に関する国際規範:国際人権章典(世界人権宣言と国際人権規約(社会権規約・自由権規約))、国際労働機関(ILO)「労働における基本的原則および権利に関する宣言」、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」、国連グローバル・コンパクトの10原則等を指します。

① DICグループ人権方針

DICグループの人権方針はこちら

3. DICグループの人権に関する重点課題

DICグループは、人権に関する国際規範に則り、重点課題を以下のとおり設定し、これらについてDICグループ人権方針に基づき、人権デューデリジェンスを適切に実施します。本重点課題については、社会の変化や事業の動向などを踏まえ、適宜見直しを行い、急速に変化していく世界情勢に伴う人権関連の法令にも対応するべく、グループでの人権への取り組みをより組織的に強化していきます。

  • 差別の排除

    DICグループにおいて、あらゆる差別やハラスメント等個人の尊厳を傷つける行為を行っていません。この対象としては、グループ社員、女性、子ども、先住民、移住労働者、取引先、地域社会などを想定しています。

  • 児童労働、強制労働の禁止

    DICグループにおいて、児童労働、強制労働・奴隷労働、および人身売買による労働を認めません。

  • 労働基本権の尊重

    DICグループにおいて、結社の自由、並びに労働者の団結権および団体交渉をする権利をはじめとする労働基本権を尊重します。

  • 紛争鉱物への対応

    DICグループは、紛争鉱物を使用しません。原材料調達において紛争鉱物の使用が判明した場合、それらを含有する原材料の調達を速やかに停止するなどの措置を取ります。

  • 同一報酬の尊重

    DICグループにおいては、男女労働者の同一価値労働に対する同一報酬を原則としています。

4. DICグループの人権デューデリジェンスの仕組み

DICは、人権尊重の責任を果たすため、人権デューデリジェンスの仕組みをグループ全体で組織的にレベルアップしながら、継続的に実施していきます。

DIC の人権デューデリジェンスの仕組み

5. 重点課題についてのデューデリジェンスの取り組み

  • 原料調達における人権対応の推進

    DICグループは、「DICグループサステナビリティ調達ガイドライン」を策定・周知し、取引先に対して人権の尊重および労働環境の整備等への適切な対応を要請しています。また、活動状況の調査やその後のフォローを通じ、同活動を推進しています。詳細は「持続可能な調達」の「取引先のサステナビリティ活動状況の把握および推進」の項目をご参照ください。

  • 責任ある鉱物調達への取り組み

    DICグループは、人権侵害等のおそれが強いとされる鉱物調達について「責任ある鉱物調達に対する基本的な考え方」を示し、上記①の調査に加えて購買原料についての精錬所調査を実施しています。詳細は「持続可能な調達」の「責任ある鉱物調達」の項目をご参照ください。

  • グループ会社への人権デューデリジェンスの実施

    2022年度はインドのグループ会社4社および中国のグループ会社19社に人権デューデリジェンスを実施し、問題のないことを確認しました。今後も人権に関する意識向上の啓蒙活動を行うとともに、人権リスクのある領域を再特定しながら人権デューデリジェンスをレベルアップしていきます。

  • コンプライアンス部門による社内通報窓口設置と是正措置

    DICグループでは、グループ社員向けに社内通報窓口を設置しており、2022年度はパワハラ、差別等の人権関係の通報が20件寄せられました。社内調査の結果、深刻な事案はありませんでした。なお、社内調査の後、適切に業務改善などの是正措置を行いました。

  • お問い合わせ・苦情窓口設置と対応

    社外のサプライヤー、顧客、地域社会などステークホルダーに対しては、電話やウェブサイトにお問い合わせ先を設置し、問い合わせや苦情に対して、迅速な対応を心がけています。なお、2022年度に人権に関する苦情はありませんでした。

6. 労働組合との信頼関係

労働組合との健全な労使関係の維持・向上に向けて、定期的に労使協議会を開催し、対話に基づく信頼関係の醸成に努めています。さらに、労使経営協議会や経営懇談会では、経営情報やビジョンの共有を図り、労働組合から経営への提言を受けるなど率直な意見交換を行っています。DIC労働組合加入率は72.3%となっています(対象となる一般社員の99.3%)。

6. ワークライフバランス・安全・健康

1. ワークライフバランス

DICでは、良好なワークライフバランスを「個人の自己実現」と「企業の持続的成長」を同時に実現するための必須要素ととらえ、健康経営※の観点からも制度の拡充に努めています。「人的資本経営」が世界的に注目される中、DICでは「人材は会社の財産」としてとらえ、社員の多様性を尊重し、一人ひとりの強みを最大限に引き出すことで、会社と社員双方の発展を追求します。誰もが働きやすい職場は生産性を向上させるという考えのもと、すべての社員が多様なライフスタイルを選択し、いきいきと働くことができるための取り組みを進めています。

  • 従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践すること。

① 育児と仕事の両立支援

DICは、育児休業制度を法制化前の1986年に導入、2007年より「 仕事と育児の両立支援 」に取り組み、法定を上回る様々な制度を導入し、利用促進を図っています。2022年10月法改正に伴い、出生時育児休業(産後パパ育休)を導入し、男性育児休業の取得促進にも積極的に取り組んでいます。2008年には、次世代育成支援対策を積極的に推進する企業として、次世代認定マーク「くるみん」を取得しています。
また、一般社員が転居を伴う転勤の有無を選択できる制度に加え、2012年には、管理職が出産・育児、介護などの理由で転居を伴う転勤が困難な場合に対処可能な「勤務地域限定制度」を導入しています。

② 介護離職の防止に注力

国は2016年に育児・介護休業法を改正し、休業・休暇を取得しやすくし休業給付金も引き上げるなどの対策を講じました。これに対し、DICは制度利用を促進するにはその周知が重要だと考え、『仕事と介護の両立支援Handbook』を全社員に配布、また運用ルールも見直し、介護休業の分割取得や介護休暇の時間単位での取得、勤務時間短縮の期間延長(1年⇒3年)など、より利用しやすい制度に改めました。

③ フレックスタイムを大幅拡大

DICは柔軟で多様な働き方の推進に向け、2017年にフレックスタイム制度の大幅な拡大を決め、2018年4月から製造現場など一部を除く全職場への適用を開始しました。業務効率に支障をきたさない範囲で、私用による個別始業・終業時刻の設定を可とし、テレワークとの併用による、自主的・自律的な業務の遂行と社員のセルフマネジメント能力向上を図ります。

④ 配偶者同行休業制度を新設

多様な人材の確保および社員のワークライフバランスの拡充をねらいとして、2019年1月から社員が配偶者の海外赴任に同行することができる「配偶者同行休業制度」を導入しました。本制度により、離職することなくライフプランと仕事の両立を実現することができるようになりました。

⑤ 治療と仕事の両立支援制度を新設

治療を受けながら働く意欲のある社員に対する支援を目的とした「治療と仕事の両立支援制度」を、2020年1月に導入しました。本制度の適切な運用のため、「治療と仕事の両立支援ガイドライン」を策定し、治療と仕事の両立のために継続的に必要となる、就業上の措置および治療への配慮を受けることができるようになりました。

⑥ 仕事と家庭の両立支援制度の一覧

育児休業制度(出生時育児休業制度含) 一定の要件のもと、最長で法定を6ヶ月上回る、子が2歳6ヶ月になるまでの期間休業することができるまた、育児休業とは別に、出生時育児休業(産後パパ育休)を、子の生後8週間のうち子育てパートナー休暇(有給)と合わせて4週間(28日)まで取得することができる
妊娠~育児に係る有給休暇制度 通院休暇:定期検診や保健指導を受けるために通院休暇を取得することができる(有給)
母性保護特別休暇:妊娠中および産後1年以内の女性社員は、10日間を限度とする母性保護特別休暇を取得することができる(産前取得分は有給)
子育てパートナー休暇:育児への参画を目的に、子が生後8週間の期間にある男性社員は連続5日間の休暇を取得することができる(有給)
小児看護休暇:法定の日数とは別に、小学校1年生から小学校3年生までの子について、人数にかかわらず5日取得可能(法定日数含め1休暇年度5日まで有給)
育児勤務制度 子が小学校3年の年度末に至るまでの期間、勤務時間の短縮、時差出勤、時間外勤務免除の措置を受けることができる
経済的支援制度の整備 不妊治療による高額の費用負担や、育児休業中から復職期にかけての経済的不安の緩和を目的として融資を受けることができる
また、育児休業中の無給期間、賞与の一部の貸与を受けることができる
原職復帰制度 育児休業者が復帰する際、職場を原職またはその相当職とする
利用促進のための情報提供 イントラネット上に、DICの両立支援への考え方、諸制度の概要、利用方法などを分かりやすく解説したウェブサイトを開設
介護休業制度 介護のための休業期間を最長で法定の93日を上回る「1年間」に設定、
また6回までの分割取得も可能(2018年1月~)
介護勤務制度 休業せずに介護する社員は、3年間まで1日最大3時間勤務を短縮でき、時間外勤務免除は介護を要する期間無制限に適用可能
配偶者同行休業制度 1年以上海外に滞在する予定のある配偶者に同行するために、休業することができる
休業期間は1年以上、3年間を限度として、在職中1回限り取得可能
勤務地域限定制度 一般社員・管理職ともに、出産・育児、介護などの理由から、転居を伴う転勤に対応不可である場合、勤務地域を限定することができる
治療と仕事の両立支援制度 治療と仕事の両立のために継続的に必要な、就業上の措置や治療への配慮を受けることができる
半日・時間単位の年次有給休暇制度 年次有給休暇を半日単位で取得することができる。また、5日分を限度として時間単位で取得することができる
保存有給休暇制度 時効消滅する年次有給休暇を上限30日まで保存し、本人の傷病および家族の介護や子の看護、不妊治療等に使用することができる

⑦ 育児休業制度・子育てパートナー休暇制度利用実績

DICでは、両立支援制度の整備と、その活用のための環境整備を推進した結果、育児休業制度を利用する社員の復職率はここ数年100%となっています。また、配偶者が出産した社員が取得する「子育てパートナー休暇」についても、利用者の増加が進んでいます。
これらの制度の充実により、女性社員の勤続年数が伸び、男性社員のそれを上回る傾向が続いています。2022年度からは出生時育児休業(産後パパ育休)の積極的な取得を推進してまいります。

2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
育児休業制度利用者 2017年度: 35人
(0人)
2018年度: 21人
(4人)
2019年度: 28人
(4人)
2020年度: 22人
(3人)
2021年度: 25人
(4人)
2022年度: 55人
(28人)
子育てパートナー休暇制度利用者 2017年度: 77人 2018年度: 81人 2019年度: 86人 2020年度: 84人 2021年度: 77人 2022年度: 87人

( )は育児休暇制度を利用した男性の人数です

⑧ 社員平均勤続年数の推移(DICグループ会社出向者含む)

社員平均勤続年数の推移(DICグループ会社出向者含む)

⑨ 長時間労働の防止と年次有給休暇の取得促進

DICでは、勤務管理システムを導入し、ICカードによる入退場の記録をもとに労働時間の適切な管理を行っています。また、長時間労働を防止するために、労使が目安とする一定の残業時間(休日労働含む)に接近した場合、または残業時間が月間70時間を超過した場合、上司である管理職および担当役員にアラートを発信。業務内容の確認や長時間労働の原因、具体的な改善策などの報告を受け、労働組合と情報共有する体制を構築して長時間労働の抑制・削減につなげています。また、年次有給休暇については、各事業所で取得奨励日や計画取得日を設けるなど、全社的に取得の促進を実施しています。

⑩ 月平均残業時間と有給休暇取得状況

2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
時間外労働月平均時間(一人当たり) 2017年度: 12.2時間 2018年度: 12.0時間 2019年度: 10.8時間 2020年度: 10.1時間 2021年度: 12.3時間 2022年度: 12.4時間
有給休暇年間平均付与日数 2017年度: 18.8日 2018年度: 18.6日 2019年度: 18.7日 2020年度: 18.7日 2021年度: 18.9日 2022年度: 18.8日
有給休暇年間平均取得日数 2017年度: 12.0日 2018年度: 12.5日 2019年度: 13.3日 2020年度: 11.8日 2021年度: 12.1日 2022年度: 13.4日
有給休暇年間取得率 2017年度: 63.8% 2018年度: 67.2% 2019年度: 70.9% 2020年度: 63.1% 2021年度: 64.0% 2022年度: 71.3%

VOICE

テレワークの活用で仕事もプライベートも充実しています

コンポジットマテリアル製品本部 東京EP営業グループ マネジャー 三上 卓朗

営業の働き方が昔とは変わってきており、今はお客様先に出向く以外の仕事がどんどん増えています。社内資料の他にも、環境・法規制関連の調査対応などで、週に1~2日はデスクワークの日が発生するため、テレワークで行える仕事も少なからずあります。営業職は出張や外出の合間にも仕事をすることが多いので、例えば出張の前後に自宅で集中してデスクワークを行うことで、より効率的に仕事ができるようになっています。これからもテレワークを活用し、自分なりのワークライフバランスを図り、仕事もプライベートも充実させたいと思います。

コンポジットマテリアル製品本部 東京EP営業グループ マネジャー 三上 卓朗

仕事と子育てへの挑戦には充実感と楽しさがあります

アドバンストテクノロジーマーケティング部 中島 直子

営業職として入社した当初は、女性であることへの注目が予想以上で戸惑いましたが、実際には仕事のやりにくさを感じたことはありません。それよりも、結婚後の妊娠、産休育休、復帰が入社以来一番の難関でした。妊娠時には体調の予期せぬ変化に戸惑い、休暇中は育児に追われて仕事から離れることに焦りを感じていました。復帰後の現在は、限られた条件の中で仕事をするプレッシャーがあります。しかし、部署、家族はじめ周囲の方々の理解協力を得ながら、育児と仕事を両立していくことは、自分が挑戦したかったことであり、充実感、そして楽しさがあります。この環境に感謝しながら、これからも頑張りたいと思います。

アドバンストテクノロジーマーケティング部 中島 直子

2. 社員の安全

コロナ禍における感染予防対策の取り組みについて

2020年2月の新型コロナウイルス感染拡大が発生して以降「新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大防止の対応について」として、2022年12月末までの間に延べ40報にのぼる社内向けの通達を発信し、社内における感染予防対策の推進から社員一人ひとりの行動に至るまできめ細かな注意喚起を随時行い、新型コロナウイルス感染防止に努めています。

3. 健康経営

健康経営の取り組みについて

健康経営の取り組みについて

社員の健康づくり

DICは、従来から定期健康診断の結果を分析し、改善が必要な社員に医療機関の紹介や生活習慣の改善に向けた個別指導を行っています。また、食を通じた健康づくりとして、本社の社員食堂では、本社健康管理室と食堂運営会社が共同開発した健康サポートメニュー「DIC Irodori Care+(イロドリケアプラス)」を提供しています。またその献立作成やメニュー提供場面においても、本社総務人事部と健康管理室、食堂運営会社の三者が連携し、社員のニーズも踏まえ、選ばれるメニューの提供に努めています。具体的には、識別しやすいオリジナルサインの設置や、メニュー名においても肥満予防やコレステロール対策など、テーマが分かるネーミングを行うなど、工夫を凝らして提供しています。さらに、健康課題と関連性のある栄養素に着目した「サプリメント小鉢」では、小鉢という気軽さを活かし、健康意識のレベルアップにつながるような取り組みも行っています。
DICは、今後も様々な施策を講じて従業員の心身の健康増進を図ることを通じ、一人ひとりが能力を発揮できる環境の整備に努めていきます。

健康経営有料法人ホワイト500 健康サポートメニューの一例

健康サポートメニューの一例

事業所の社員食堂が「スマートミール」に認証

DIC本社・大阪支店・堺工場が、2018年度「健康な食事・食環境」認証制度の「給食部門」で、最高ランクの「3つ星」を取得しました。これは日本栄養改善学会・日本給食経営管理学会など13の学協会で構成する「健康な食事・食環境」コンソーシアムが、健康に資する要素を含む栄養バランスのとれた食事(通称:スマートミール)を継続的かつ健康的な空間で提供する店舗・事業所などを認証するものです。
同制度では、スマートミールの基準を満たすメニューの提供、運営体制の整備、分かりやすいプロモーションなどの必須項目と「健康な食事・食環境」の推進に関するオプション項目のうち10以上を満たした店舗・事業所等が「3つ星」として認証されます。
認証には、通称「ちゃんと」(1食当たり450~650 kcal)と「しっかり」(同650~850kcal)の2段階があり、本社は「ちゃんと」と「しっかり」、大阪支店と堺工場は「ちゃんと」と認められました。
この他にも本社では社員の健康診断結果を考慮したメニューづくり、大阪支店では健康啓発のため年代ごとの消費エネルギーの明記、堺工場では社員投票や地域食材を活かしたメニューなど、事業所と食堂運営会社が連携し、より良い社員食堂を目指しています。

Smart Meal

TOPICS

「令和元年度 特定給食施設事例報告会」にて講演

東京都では、都内給食施設の栄養管理や給食業務の向上を図り、都民の健康づくりを推進することを目的に、給食関係者や飲食店(定員250名)を対 象とした「特定給食施設事例報告会」を開催しています。DICは2019年度「東京都特定給食施設等栄養改善知事賞」を受賞したことに伴い、2020年2月、都民ホールにて開催された「特定給食施設事例報告会」において、受賞優良施設(10施設)の代表として、活動事例の講演を行いました。講演では、 「社員の健康をサポートする食堂づくり」と題し、本社社員食堂で提供する健康サポートメニュー「DIC Irodori Care+ 」や、栄養素に着目した「サプリメ ント小鉢」などの取り組みを紹介しました。

「東京都特定給食施設等栄養改善知事賞」を受賞

DICは東京都知事小池百合子氏より、2019年度「東京都特定給食施設等栄養改善知事賞」を授与されました。「東京都特定給食施設等栄養改善知事賞」とは、東京都で毎年、栄養指導の実施状況や給食への配慮、栄養管理面の改善状況を審査し、健康の保持増進に著しく寄与した優良な特定給食施設に対して知事賞として「感謝状」を授与するものです。例年、10施設前後が受賞しておりますが病院や介護施設等が多く、企業の事業所における受賞は、昨年度11施設中0件、本年は10施設中3件となっております。当社本社12階のIrodori Caféで提供する健康サポートメニュー「DIC Irodori Care+」や、栄養素に着目した「サプリメント小鉢」、食材の色に着目した「カラフルデリ® 」などの取り組みが栄養改善として高く評価され、中央区保健所から「優良施設」として推薦を受けたものです。

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コロナ禍での本社社員食堂の運営および感染予防の取り組みについて

エームサービス株式会社 マネジャー太田栄美様

弊社は2015年のDIC新本社ビル開設以来、本社社員食堂の運営を担当しております。おかげさまでご好評をいただき、2020年2月頃までは1日の利用者は約900名、メニューもヘルシーセットを含めた計7品をご提供しておりました。しかし、その後は新型コロナウイルスの感染が拡大し、その対応として、日本の社会でも在宅勤務が急速に普及した結果、DIC様では同年3月末には利用者数が半減、さらに、4月に出された1回目の緊急事態宣言後は、利用者は1日50名程度まで減少しました。こうした食堂運営環境の大きな変化により、弊社従業員も従前の約半数に削減せざるを得ないなど、現場を預かる立場としては様々な葛藤もございましたが、笑顔で仕事を頑張ってくれているスタッフを見て、私自身、励まされる日も少なくありませんでした。
厳しい環境の中でも、DIC社員の皆様の健康や元気の源である社員食堂の運営継続に向けて、DICご担当者様との幾度とないお打ち合わせや様々な試みの結果、現在では1日4品のメニューを日替わりで安定的にご提供させていただける体制にたどり着くことができました。また、その取り組みの過程では、新型コロナウイルス感染対策は必須の対応であり、以下の対策に鋭意取り組んでまいりました。

喫食数予測も従来の実績データでは難しくなりましたが、毎朝の在館人数の連絡をいただくことにより、当日の調理数を調整し、食材ロスや工程のムダを極力削減する努力を続けております。
多くの方のご理解・ご協力により、DIC様の本社社員食堂を現在の新しい運営方式にすることができましたが、今後も、感染対策を十分に行った安心・安全な社員食堂を維持しつつ、限られた提供コーナーの中であっても、利用者の皆様に「美味しい」、「楽しい」と思ってもらえるようなメニューやイベント等の企画を、日々探究し続けてまいりたいと思います。

エームサービス株式会社 マネジャー太田栄美様

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DICならではの企画を考案し、毎日の食事を通じて社員の健康づくりに貢献したい

Registered dietician, Aim Services Co., Ltd. Makoto Mikame

カフェテリアでは、スマートミール、Irodori Care+、サプリメント小鉢など、毎日、栄養素や健康テーマに着目したメニューを提供しております。新しいメニューの提供やイベントの実施など工夫を凝らし、おいしい食事を楽しんで召し上がっていただき、皆様の健康につながればと日々考えております。
2019年10月には、血管年齢測定会を初めて実施し、多くの方にご利用いただきました。食事からだけでなく、皆様にご自身の身体について意識していただける機会となったのではないかと実感しております。
今後も、食事や健康測定会、さらに新たな取り組みを行い、社員の健康づくりに貢献してまいりたいと思っております。

エームサービス株式会社 管理栄養士三瓶真琴様

社員とのつながり

DICグループでは、デジタルインフラ上でのコミュニケーションチャンネル(グループ内チャット、イントラネット等)を活用して、グループ社員とのコミュニケーションの活性化に努めました。

グローバルコミュニケーション

世界中のDICグループ社員へDICのフィロソフィーである「The DIC Way」の浸透を図るため、The DIC Way行動指針アワードを導入し、初年度は2回開催しました。行動指針に合致した優れた行動に対しての推薦がグループ社員から数多く寄せられ、金、銀、銅の受賞者が選ばれ、グループの一体感醸成を図りました。
一方、ステークホルダーとの接点の一つである資料テンプレートをグローバルで統一の上、運用を開始し、ステークホルダーに対する当社グループの印象の統一を図りました。

社内報

DICグループにおける一体感の醸成を目指して、デジタル社内報“Better Tomorrows”を、本社、3地域統括と協働で運営・発行しています。社員が、経営目標である経営ビジョン、DIC Vision 2030に向って活動しやすくするための情報やグローバルに広がるDICグループの技術・製品・ビジネス、人・企業文化を共有してグループ社員のコミュニケーションの促進に役立てています。

マスメディアとのつながり

DICグループでは、お客様、株主・投資家、地域・社会などのステークホルダーに対する情報の伝達手段として、パブリシティ活動を強化しています。自社からの積極的な情報開示を客観的視点である報道につなげることにより、ステークホルダーの理解深化に加えて、社員の一体感醸成につながることを期待しています。
2022年度は事業買収、新製品、設備投資、業績、サステナビリティなどのニュースリリースを配信するとともに、DIC Vision 2030で思い描く長期ビジョンを、取材等を通じて積極的に発信することで、化学の領域を超えた価値の提供により、豊かさと持続可能性の両立を目指す当社の姿をご理解いただくことに努めました。

マスメディアとのつながり