お取引先とDIC ~持続可能な調達

主な取り組みの目標と実績

取り組みの視点
・課題など
2017年度 目標 2017年度 実績 評 価 2018年度 目標
CSR調達の推進 ・重要分野の原材料について、取引先と協議し、CSR調達上のリスク低減を推進する
・中国の取引先へのCSR調査結果をより詳しく点検し、サプライチェーン上の課題を発掘するとともに改善活動を行い、その情報をサンケミカル社と共有する
・国内はアンケート調査結果で自己評価が低い取引先と改善のための対策を協議する
特に中国産原材料について、取引先の環境規制対応力を点検するため、重要分野の原材料サプライヤーである中国の取引先数社を重点的に訪問調査し、課題については改善要請した。さらにその情報をサンケミカル社と共有した ★★ 中国産原材料について、取引先に対し、特に昨今ますます厳しくなる環境規制への対応状況を詳しく点検し、各課題への対策により、調達リスクを低減する
アジア地区、中国地区傘下の海外関係会社に対し、CSR推進ガイドブック(Ver.2)を用いて、重要分野の原材料についてCSR調達を再啓発する DIC(AP)、DIC(China)、現地法人と協働し、重要サプライヤーの訪問調査(アジア2社、中国2社)等を通じて再啓発を推進した ★★ アジアの取引先に対し、事業継続の観点から設備老朽化への対応状況等、詳細調査を通じ、リスクの把握と対策により安定調達を実現する
  • 「評価」は、進捗度に関する自己評価によるものです。[ 評価マークについて ] ★★★…非常に良好 ★★…順調 ★…要努力

持続可能な調達の基本的な考え方

DICグループは、グローバルな人権の課題、気候変動や水リスクなどの環境課題に関して、昨今サプライチェーンを通じた取り組みが社会の要請として高まっていることを踏まえ責任ある調達活動を行っています。
DICグループでは、サプライチェーンにおける社会的責任を果たすために、「DICグループ購買に関する方針」(2008年制定)および、これに基づき定めた「購買管理規程」と、各取引先への要請事項を明記した「DICグループCSR調達ガイドライン」(2009年制定)を用いて、持続可能な調達に向けた改善・取り組みを推進しています。この活動は、日本、米欧州、中国、アジアパシフィック地区でグローバルに進めています。

DICグループのCSR調達に向けた取り組み

DICグループ購買に関する方針

DICグループの基本理念を実現するための行動方針に則って、購買部門は、取引先との購買活動において以下の購買に関する方針を実践いたします。

  1. 公正・透明な取引
    DICグループは、従来の商習慣にとらわれることなく、グローバルな見地から国内外の取引先に対して、公正で開かれた購買を行います。
  2. 適正な購買と信頼関係の構築
    DICグループは、国内外の関連法規・社会規範を遵守し、適正な品質・価格を追求して取引先と良きパートナーとしての安定的な相互信頼関係を構築し、共存共栄を図ります。
  3. 環境・安全への適合
    DICグループは、模範的な企業市民として、環境・安全・健康・品質に責任を持ち、社会の変化を常に意識し、地球環境に配慮した購買を実践します。
  4. 新たな価値創造への挑戦
    DICグループは、社会が求める新たな価値に高いレベルで応えるために、価値の創造を共有できる取引先と積極的に挑戦し、共に持続的な発展を目指します。

DICグループCSR調達ガイドライン

  1. 法令・社会規範の遵守
  2. 人権尊重及び労働環境
  3. 安全衛生
  4. 健全な事業経営の推進
  5. 環境への配慮
  6. 情報セキュリティ
  7. 適正な品質・安全性及び技術の向上
  8. 安定供給と変化に対応する柔軟な対応力
  9. 地域・社会への貢献
  10. CSRの推進とサプライチェーンへの展開

CSR調達の推進

DICグループでは、「DICグループ購買に関する方針」に基づきJEITA等のガイドブックを参考に「DICグループCSR調達ガイドライン」を定めています。当ガイドラインは原材料の化学物質管理や環境負荷の低減、並びにサプライチェーンにおける人権の尊重など、環境・社会・ガバナンス等の社会要請を取り入れて作成したものです。このガイドラインへの適合を取引先に求めて、「DICグループサプライチェーンCSR 推進ガイドブック(2013年7月改定Ver.2)」を作成しています。これを用いて取引先へのアンケートおよび訪問調査などを行い、取引先に対する啓発とともに改善活動を行っています。また、「グリーン調達ガイドライン」により、取引先に対し化学物質の厳正な管理を要請するとともに、①環境負荷のより少ない製品の開発と紹介、②メーカーにおけるグリーン調達の推進、③調達品およびその梱包材・物流・生産・工事等における、省資源化・省エネルギー化・減量化・長寿命化・CO2削減等環境負荷の低減、などを求めています。
こうした取り組みは取引先との関係強化につながる有効な機会となっています。

  • JEITA:一般社団法人電子情報技術産業協会(Japan Electronics and Information Technology Industries Association)の略。

DICグループグリーン調達ガイドライン

DICでは「DICグループ購買に関する方針」のもと、「DICグループグリーン調達ガイドライン」(下記7つの有害性の高いカテゴリー※1の有害物質を含有した原料は調達しない)を制定し、①「DIC原材料調査票」(成分の詳細情報把握)、②「Safety Data Sheet」、および③「chemSHERPA」※2、さらに④「DICグループグリーン調達ガイドライン調査票」の提出を原料購買時に義務づけ、懸念物質の体系立てた排除を実行しています。また、別途「紛争鉱物調査票」の提出も要請しています。

  • ※17つの有害性の高いカテゴリー
    ①労働安全衛生法55条「製造等が禁止される有害物質」、②化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法)「第一種特定化学物質」、③化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法)「監視化学物質」、④特定物質の規制等によるオゾン層の保護に関する法律「既に製造が禁止された特定化学物質」(モントリオール議定書における「オゾン層破壊物質」と同じ)、⑤大気汚染防止法「特定粉じん」、⑥毒物及び劇物取締法「特定毒物」、⑦ストックホルム条約「附属書A」で定める物質。
  • ※2chemSHERPA:サプライチェーン全体で利用可能な製品含有化学物質の情報伝達のためのスキームで、サプライチェーンにおける製品含有化学物質情報の確実かつ効率的な伝達のためにデザインされています。DICでは2017年下期よりchemSHERPAの運用を開始しています。

取引先へのCSR調達アンケートの実施

DICグループは、取引先に対し、「DICグループサプライチェーンCSR 推進ガイドブック Ver.2」に包含されているセルフチェックシートを用いたアンケート調査を行い、これを通じてCSRの推進状況を確認しています。このアンケート内容は、「CSR調達ガイドライン」の10項目をさらに細分化し、グリーン調達の実施、ISO14001の取得、人権尊重や労働環境への配慮、二次取引先へのCSR推進など46の項目から構成されています。

アンケート結果の分析とフィードバック

フィードバックシート
フィードバックシート

評価分布図
評価分布図(729社)

CSR推進ガイドブック Ver.2を用い、2017年度は新たに47社の調査を実施し、2013年11月~2017年12月で国内調達原材料購買金額の90% 以上を占める取引先729社からアンケートを回収しました。アンケートの分析・評価結果を各社にフィードバックするとともに、取り組みが不十分な項目については、訪問調査や書面にて適宜改善要請をしています。

CSR推進を目的とした訪問調査

DICはCSR調達に対する理解の促進を目的とし、2011~2017年で計70社の国内外取引先に対し、訪問調査を実施しました。アンケートの自己評価に基づき、その内容を確認した上で、取引先と課題に対し改善のための協議をしています。加えてCSR調達やサステナビリティの実現に向けたDICグループの取り組み事例の紹介を取引先に行うなどの活動をしています。

グローバルな取り組み

2017年度は、日本、中国およびアジアパシフィック地区の購買担当者が協働して、重要分野の中国サプライヤー12社にCSR調達のアンケート回答をもとに訪問調査を実施し、取引先と協同で、現地での法規制に関連する環境等のサプライチェーン上の課題について認識を深め、改善策に取り組みました。またサンケミカル社とグローバル会議にて、上記の訪問調査について情報交換しました。

VOICE

持続可能な調達を実現したのは、取引先とのWIN-WINの関係

私は中国地区の原料購買業務に携わっています。CSRについては社内研修等を通じて知識を習得し、取引先に対しCSRの推進を依頼してきました。しかしながら、その重要性を取引先にどの様に分かりやすく伝えるか、SAQ(Self-Assessment Questionnaire)のアンケート調査の結果のみから実際の活動状況を把握することは容易ではありませんでした。
2016年に取引先6社を訪問した際、まず、従来の品質、価格、納期(Quality, Cost, Delivery)を主体とした調達基準が、新たな社会の要請に基づき、環境、社会、ガバナンス(Environment, Social, Governance)の要素にも配慮する必要があることを説明し、理解を得ました。さらに取引先とCSRに関する取り組み内容について意見交換することで、取引先の優れた取り組みが判明したり、CSRに対する理解が不十分な取引先の場合、DICの取り組み事例を紹介するなど、お互いにWIN-WINの関係を構築することが可能となり、持続可能な調達につながることを実感しました。

上海迪愛生貿易有限公司 グループ購買 購買主任 柯 崎

上海迪愛生貿易有限公司
グループ購買 購買主任
柯 崎

VOICE

お取引先への訪問調査によるCSR調達の推進

私は購買部に所属し原料調達の業務に携わっていますが、持続可能な調達に向け重要原料に関しては定期的なサプライヤー訪問調査を心がけています。実際の調査に立ち会うとCSR調達アンケートだけでは分からないサプライヤーの取り組みを実感できます。私が訪問した会社は、法令リスクの洗い出しや、コンプライアンス・下請法勉強会等を実施し、会社全体でコンプライアンス活動を非常に重視している姿勢が肌で感じられました。また、生産現場を視察し、徹底した工程管理や複数拠点での生産によるBCP対策等を確認でき、購買先との信頼関係をより一層強めることができました。

購買部 主任 林 美保

購買部
主任
林 美保

VOICE

相互の信頼関係と理解を深めたCSR訪問調査

私が担当している輸入商社のCSR訪問調査に同行し、提出されたCSRアンケート結果を検証しました。当初製造業者と異なり輸入商社のCSRに対する取り組みはどのようなものか想像がつきませんでしたが、訪問した輸入商社では会社方針としてCSR活動に取り組んでおられました。調査項目の評価判断について輸入商社と意見交換を行うことで相互に理解が深まり、特に輸入品の品質管理・供給安定など、今までとは異なったCSRの観点で取り組み状況を見られとても参考になりました。

資材・物流部 担当課長 山上 登志郎

資材・物流部
担当課長
山上 登志郎

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