労働安全衛生・保安防災

主な取り組みの目標と実績

取り組みの視点
・課題など
2016年度 目標 2016年度 実績 評 価 2017年度 目標
労働安全衛生の確保 化学物質のリスクアセスメントの導入と推進 化学物質等に関わる DICリスクアセスメントガイドラインの制定と説明会の開催 ★★ 計画に則り化学物質のリスクアセスメントを実施
安全衛生教育の推進 ・安全体感教育の継続実施
・新機種巡回教育の実施
・階層別教育の推進
・安全体感教育の継続実施と新機種利用時教育と機器巡回時教育の実施
・階層別教育の実施
(新入社員、各種昇格者、国内関係会社社長研修、海外赴任候補者、その他)
★★★ ・安全体感教育の継続実施
・巡回用機器教育の実施
・階層別教育の推進
・e-ラーニングの導入
安全衛生に関する運営推進と情報共有 ・安全風土醸成分科会の継続運営
・DICグループ内の事故災害情報共有と活用
安全風土醸成分科会で職長
教育の内作化検討と安全情報の共有
・安全環境GL会議を新設
・事故災害要因分析とタイムリーな情報提供および共有
★★ ・安全環境GL会議、安全風土醸成分科会、その他会議体の継続運営
・DICグループ内の事故災害情報の共有と活用
輸送時の化学品の安全管理 ・輸送時のトラブル予防策の水平展開と訓練の継続
・化学品輸送の安全管理を推進
・国内におけるイエローカード提供等により輸送に関わる情報提供を実施
・化学品物流に関係する重篤な問題は発生していない
★★★ ・輸送時のトラブル予防策と安全管理の継続推進
・定期的な物流現場の運用状況確認により改善活動を実施
中 国 地 区・アジ アパシフィック地区の関係会社の環境・安全活動の推進 ・中国地区、アジアパシフィック地区でリスクアセスメントの導入と推進
・安全環境監査の継続と自主管理向上の支援
・中国・アジアパシフィック地区で安全環境管理体制を再構築
・中国・アジアパシフィック地区でリスクアセスメントを導入/推進し、実施状況を安全環境監査で確認(中国地区では6社に研修を実施)
・安全環境監査を36社41拠点で実施
★★★ ・各種会議体の運営
・中国地区、アジアパシフィック地区でリスクアセスメントの推進を継続
・安全環境監査の継続と自主管理向上の支援
・安全体感教育施設の増設
安全・環境データ 中国地区、アジアパシフィック地区、サンケミカルグループの地域別安全環境データの取得の継続 中国地区、アジアパシフィック地区、サンケミカルグループの安全データを毎月収集、環境データは1回/年の収集 ★★ 中国地区、アジアパシフィック地区、サンケミカルグループの地域別安全環境データの取得の継続と収集範囲の拡大
  • 「評価」は、進捗度に関する自己評価によるものです。[ 評価マークについて ] ★★★…非常に良好 ★★…順調 ★…要努力

労働安全衛生

安全操業を最優先に

DICグループは、安全操業こそ事業の根幹でありレスポンシブル・ケアの基盤という認識のもと、グループ全体・従業員一人ひとりが「安全第一」を共有することを基本に、労働安全衛生・保安防災に取り組んでいます。
DICグループの生産領域は多岐にわたり、化学反応を伴う工程以外にも危険物・有害物を扱う工程や回転体機器を扱う工程があります。ひとたび重大事故を起こせば、近隣住民の方々をはじめ社会に多大な影響を及ぼし、協力会社を含む従業員に健康被害を及ぼす可能性があります。
こうした事態を起こさないよう「職場のリスク低減、安全基本動作の徹底、安全感度の高い人材育成」を重点課題と位置づけ、安全基盤の強化や安全文化の向上によるグループ全体の保安力向上に力を注いでいます。

基本的な考え方

DICグループは、社会の一員として、また化学物質を製造・販売する企業として、安全・環境・健康の確保が経営の基盤であることを認識し、このことを事業活動のすべてに徹底しています。これらを基本姿勢として事故災害の分析・情報発信、リスクアセスメントを推進し、労働安全衛生の確保に取り組んでいます。

2016年度の主な活動

1.「マンスリー・レポート」で地域ごとのデータを見える化

マンスリー・レポート
マンスリー・レポート

DICグループは、国や地域ごとに異なる法規制や労働環境・慣習の中で多種多様な事業を展開しています。業種によっても設備・機械、取り扱う原材料が異なり、事故災害が発生するリスクに差があります。そのため、世界中のグループ会社が一体となって活動をレベルアップするには、各地域(日本、中国、アジアパシフィック、欧米)の実情に即した「基準や指標(モノサシ)」を整備することが重要です。
DICグループでは、地域ごとに事故・災害・通報などの定義づけを行い、労働安全に関する統計(従業員数・労働時間数・休業件数、不休業件数・火災爆発件数・休業日数・作業復帰までの日数・総労働災害発生率・度数率・休業災害千人率・百万時間あたりの休業日数など)をとって情報共有を図っています。これにより各グループ 会社は安全操業の度合いを客観的に比較評価し、国・地域ごとに精度の高い目標設 定や改善プログラムを策定しています。
また、2015年度から中国およびアジアパシフィック各社の労働安全衛生データを1ヶ月ごとに集計して「マンスリー・レポート」を発行。これにより各国・地域の月次労働時間数・休業件数・災害発生率などを迅速に把握・比較検討でき、グループ全体のマネジメントや各地域のパフォーマンス向上に活用しています。

2.リスクの低減

化学物質のリスクアセスメント講習会
化学物質のリスクアセスメント講習会

DICグループでは生産プロセスや設備・装置に潜むリスク、化学物質のハザードを把握し、事故や労働災害の未然防止活動を計画的に進めています。また、国内グループでは新規設備の導入や改造、工程変更時をとらえリスクアセスメントを行うガイドラインを制定し、リスクの低減活動を継続しています。
また、国内グループでは2015年から化学物質に関係するリスク低減に向け、厚生労働省の指針に沿ってリスクアセスメントを計画的に推進する体制を構築しました。具体的には、評価手法も含めたDIC独自のガイドラインを策定し、労働安全衛生法で定める対象物質について危険性・有害性を評価してリスク低減策の検討(取扱方法や設備の改善など)を進めています。
2016年度に国内グループ(12社)を対象に、ガイドラインを運用するための講習会を7回開催(参加者149名)しました。受講者は所属する事業所で知識・手法の浸透を図り、3年計画で化学物質のリスクアセスメントを推進していきます。

3.e-ラーニングによる社員教育の推進

DICグループは、労働安全衛生・保安防災のレベル向上を図るには、社員一人ひとりが化学物質や製造プロセス、法規制などに関して幅広い知識を習得することが重要と考えています。
そこで2016年度にインターネットを活用したe-ラーニングを試験的に導入して効果を検証しました。そして、十分に有効と判断し、2017年度から順次、国内グループで運用していきます。
また、中国ではスマートフォンなどを活用したe-ラーニング環境が整備され、国や地方政府なども推奨していることから2016年度から運用を始めました。今後も効果を検証しながら導入・展開を拡大していく方針です。

VOICE

e-ラーニングを活用して知識・スキル向上を支援

2016年度は「レスポンシブル・ケア」推進に欠かせない「保安・防災・環境・安全 」について体系的に学べる機会と教材の導入を推進しました。具体的には「消防法」「大気汚染防止法」「高圧ガス保安法」など工場操業にかかる重要な法令16種を選定し、レスポンシブルケア部員、各工場の安全環境担当者、製造部門等の視点から教材の有効性を確認しました。
また、中国においても各工場のESH担当者を対象に、安全管理についてe-ラーニングを計画しました。今後は受講対象者別に適切な教材を選定し、従業員の知識やスキル向上を支援していきます。

区域 ESH 総監 細見 武志

区域
ESH 総監
細見 武志

4.安全感度の高い人材の育成、安全基本動作の徹底と危険予知トレーニング

DICグループでは安全感度の高い人材育成に向け、「安全基本動作」、「技術・研究部門の安全指針」、「SDS (安全データシート)」、「労働災害事例集」 などを用いて、安全教育や化学物質の取り扱いに関する教育を定期的に実施しています。特に近年は、国内外のグループ会社を問わず危険予知トレーニング(KYT)や安全体感教育に力を注いでいます。
また、中国地区・アジアパシフィック地区の生産拠点を中心に同様の活動を推進しています。「安全基本動作」を多言語化し韓国、マレーシアでは現地従業員が自主的に韓国語、マレー語に翻訳しました。英語版と中国語版の「安全基本動作」は既に本社で翻訳し、中国およびアジアパシフィック地区で広く利用されています。
危険予知トレーニング(KYT)は危険に対する感性を向上させる有効手段として国内DICグループに普及し、中国地区・アジアパシフィック地区でも導入を加速しています。

5.安全体感教育の推進

巡回教育用に小型化した「ふらつき体感機器」
巡回教育用に小型化した「ふらつき体感機器」

危険予知訓練の研修(新入社員研修)
危険予知訓練の研修(新入社員研修)

「チェーンとギアによる巻き込まれ」体感
「チェーンとギアによる巻き込まれ」体感

安全体感教育は、座学ではなく装置を使って職場に潜む危険を疑似体験し、安全の大切さを心と体で学ぶものです。DICグループでは2012年から本格導入し、過去の災害事例を教訓とする「機械への巻き込まれ・挟まれ事故」、「静電気の放電による着火」などを疑似体験する教育を行っています。
また、2014年には多種多様な事故を疑似体験できる装置・機器を備えた教育施設「埼玉安全体感研修センター」(略称:さいたいけん)を開設し、新人教育や階層別教育プログラムに組み入れて安全感度の高い人材の育成に活用しています。この他、千葉・堺・北陸・埼玉・鹿島などの各工場でも、自前の体感機器やカリキュラムを整え、安全文化の醸成を図っています。
さらに、国内グループでは経験の浅い従業員の被災率が高かったため、2014年度からDIC本社およびDICグラフィックス(株)を中心に、新入社員教育カリキュラムに安全体感教育と危険予知トレーニングを必須項目に組み入れています。
また、2015年度には移動巡回用に6種類の体感装置を小型化し、講師のスキルアップ教育にも注力しました。そして2016年度は、20台の装置を5事業所に貸し出し、各職場への巡回教育に活用しました。
海外DICグループでも「安全体感機器」の導入を推進し、中国地区では「南通迪愛生色料」(インキ、有機顔料製造)、「迪愛生広州油墨」(インキ製造)、「常州華日新材(中国)」(合成樹脂製造)、「迪愛禧佳龍油墨(台湾)」(インキ製造)に設置。アジアパシフィック地区では、「DICコンパウンズマレーシア(マレーシア)」(コンパウンド製造)、「PT. DICアストラ(インドネシア)」(コンパウンド製造)に設置しています。これらの生産拠点では、周辺グループ会社の従業員向けに安全体感講習の開催や指導者の養成にも取り組んでいます。
2016年には、当体感教育を受けた人数が延べ10,000人を突破しました。

2016年度 安全体感教育受講者数

  国内 DICグループ 海外 DICグループ (中国地区 4社 /アジアパシフィック地区 2社) 合計
2016年受講者数 252人 504人 756人
2012年~2016年累計 7,990人 2,352人 10,342人

労働災害の発生状況

労働災害についても各地域で目標を設定し、ゼロ災害に向けた取り組みを推進しています。
2016年度の休業災害発生件数は、DICグループでは前年に比べて発生件数が減少しました。今後も休業災害の発生原因を徹底的に分析し、作業改善に反映するなどして事故災害の予防に努めていきます。

2014 ~2016 年度の休業災害

度数率の推移強度率の推移

安全風土醸成分科会の取り組み

安全基本動作の輪読(中国開発センター)
安全基本動作の輪読(中国開発センター)

安全風土醸成分科会は、DICとDICグラフィックス(株)の工場安全担当者が、安全に関する方針・施策の議論や提言を行う分科会で、2011年度に発足以来、年ごとに活発化しています。
●2012年度:安全の方針に関する提言を行い、職場に潜む危険源を可視化した注意喚起ステッカーを作成。
●2013年度:社長安全ポスター制作と「安全基本動作」の習慣化に向けた各職場での輪読を開始。
●2014年度:「安全基本動作」をイラスト化した輪読用の冊子を作成。
●2015年度:日めくり式の輪読用冊子を編集し、各職場に配布して安全風土の醸成を強化。これらの資料を英語・中国語に翻訳。 2016年度は、中国地区でも輪読が普及し、安全風土の醸成に有効活用されています。

「安全基本動作」をイラスト化した輪読用冊子(日本語・英語・中国語)

TOPICS 日本化学工業協会「レスポンシブル・ケア審査員特別賞」を受賞

DIC 埼玉工場 田中安全担当課長
DIC 埼玉工場 田中安全担当課長

2016年5月、DICが進めている「安全風土醸成分科会の活動」が労働災害発生件数減少に寄与したことが評価され、一般社団法人日本化学工業協会(日化協)の「第10回 日化協 レスポンシブル・ケア(RC)賞」の「審査員特別賞」を受賞しました。日化協では毎年、RC活動のさらなる進展・拡大を図るため、優れた功績や貢献をあげた事業所・部門・グループまたは個人を表彰しています。

TOPICS DIC社員が中央労働災害防止協会「緑十字賞」を受賞

DIC 小牧工場 安全環境グループ 守田グループリーダー
DIC 小牧工場 安全環境グループ 守田グループリーダー

DIC小牧工場 安全環境グループの守田グループリーダーが、中央労働災害防止協会の「緑十字賞」を受賞し、2016年10月に開催された全国産業安全衛生大会で表彰されました。
緑十字賞は、長年にわたり産業安全や労働衛生の推進向上に尽力し、顕著な功績が認められた個人およびグループに贈られるものです。守田グループリーダーは、16年間にわたり労働安全・保安防災の業務に従事し、全員参加型の安全活動を展開するとともに、リスクアセスメントガイドラインの制定・整備や体感教育をDIC小牧工場などで推進しました。今回、これらの業績が評価され、一般社団法人日本化学工業協会より推薦され受賞しました。

TOPICS DIC佳龍が台湾の「国家職業安全衛生賞」を受賞

国家職業安全衛生賞の特別賞を受賞したDIC佳龍
国家職業安全衛生賞の特別賞を受賞したDIC佳龍

「伝統産業安全衛生投資特別賞 」の盾
「伝統産業安全衛生投資特別賞 」の盾

台湾の迪愛禧佳龍油墨股份有限公司では2016年11月8日、行政院労働部より国家職業安全衛生賞「伝統産業安全衛生投資特別賞」を受賞しました。
この特別賞は、火災爆発防止、作業環境改善、職場環境改善等の安全衛生に投資する活動並びに企業安全文化養成が民間会社では唯一認められたものです。
今後も従業員一同、今回の栄誉を心の励みとし安全衛生管理の向上に向け、さらに改善を進めていきます。

Topics アジア・パシフィック地区で「ESH Country Head Meeting」、中国地区にて「安全環境省エネ会議」を開催

ESH Country Head Meetingを開催
ESH Country Head Meetingを開催

2016年10月24日からの2日間、DIC Asia Pacific Pte Ltd(シンガポール) において、安全・環境への取り組みに関するESH Country Head Meeting が開催されました。当会議 には、DIC本社より生産統括担当役員、実務担当部署の責任者を含む5名、DIC-APからは地域統括会社社長、並びにESH担当者4名、各カントリーヘッド3名の計12名が参加し、2017年度のESH活動方針について討議されました。今回は、COP21パリ協定の批准による要請が予想されるCO2排出量削減への今後の取り組みについての目標や課題、並びに省エネ投資等に関して積極的な意見がかわされました。また、労働安全衛生については、安全成績状況や、ベストプラクティスの紹介、安全訓練・教育の有効性について等、幅広い論議がなされました。
また、中国地区においても11月22日から2日間にわたり南通迪爱生色料有限公司において、DIC本社より生産統括担当役員、実務担当部署の責任者を含む5名、DIC-China、DIC-APより、DIC-China董事長、並びに各事業場から43名、DIC-AP ESH担当者2名の計50名が参加し、安全環境省エネ会議が開催され、グローバル・ベースで上記内容について議論されました。

Topics 2015年度から中国地区、アジアパシフィック地区の「安全担当者会議」を拡充

DICでは、海外グループ会社への安全支援活動として、中国地区とアジアパシフィック地区の担当者が集結して課題や情報共有を図る「安全担当者会議」を各地区で隔年開催してきました。
会議では、安全成績、マネジメントシステムの導入状況、好事例の紹介、安全訓練・教育の有効性を高める方法や環境保全活動などについて意見交換を行い、安全体感教育も受講して自社に水平展開を図っています。
2014年度はマレーシアで16社24名(日本からの参加を含む)が参加し、「アジアパシフィック地区安全担当者会議」を開催しましたが、各社から「隔年ではなく毎年開催を」との要望が高まり、2015年度から中国地区・アジアパシフィック地区ともに毎年開催することになりました。
特に2015年度からリスクアセスメントに基づく具体的な数値目標を設定して取り組むことから、重点項目や行動計画の進捗報告、自己評価のためのチェックシートの活用、ポスターセッションによる好事例の発表、テーマごとのグループディスカッションなどが予定され、従来にも増して活発な議論やテーマの深耕が期待されます。
安全感度の高い人材育成や安全文化の醸成を鋭意推進するため、「安全担当者会議」を開催し、各グループ会社が着実に実力を高め、レスポンシブル・ケア活動の自律・現地化に向けてステップアップする仕組みを整えていきます。

  • 2014年度アジアパシフィック地区安全担当者会議(マレーシア)全体会議2014年度アジアパシフィック地区安全担当者会議(マレーシア)全体会議

  • 2014年度アジアパシフィック地区安全担当者会議の安全体感教育2014年度アジアパシフィック地区安全担当者会議の安全体感教育

  • 2015年3月中国地区安全会議の「なぜなぜ分析事例研修」2015年3月中国地区安全会議の「なぜなぜ分析事例研修」

Topics 局所排気装置の改善レクチャーを開催

DICグループの生産拠点では、有機溶剤などを扱う工程も多数あり、随所に局所排気装置を設置して吸引→燃焼→排気によって換気し、職場の安全衛生を確保しています。しかし、排気ダクトの位置や形状によって十分に機能が発揮されていないケースもありました。
そこで、レスポンシブルケア部では、ブロワ(送風機)・排気ダクト・フードからなる小型モデル機を考案し、2013年度から安全体感教育の一環として国内10工場に設置し、局所排気装置の構造、機能、特徴の理解に活用しています。フランジを装着した場合に吸引効果(風速・臭気など)が数十%高まることを工学的な見地から解説して従業員に改善を促しました。
そして、2015年度には中国地区・アジアパシフィック地区の「安全担当者会議」でもモデル機を披露して原理を解説。現在、青島・南通・広州…と順次、各拠点を巡回しています。

スモークテスターで発煙するとダクト断面より実際は後方の空間から気流が流れ込んでいる

  • デモンストレーション用の小型モデル機(フランジ取りつけ済み)デモンストレーション用の小型モデル機(フランジ取りつけ済み)

  • 中国地区での巡回レクチャー(青島)中国地区での巡回レクチャー(青島)

労働安全衛生

DICグループでは、特定化学物質や有機溶剤など多くの化学物質を取り扱っています。これらの業務に携わる従業員の健康を確保するため、各種の健康診断と作業環境測定を行い、必要に応じて作業環境の改善を実施しています。また、産業医などの専門家、または衛生管理者による職場巡視によって従業員の健康管理に努めています。

作業記録の電子データ化

日本の法規制では、長期間の作業によって、将来、重い健康障害を及ぼす恐れのある特定化学物質を取り扱う場合、作業環境への配慮とともに30年間の作業記録の保存が義務づけられています。しかし、紙による記録は散逸・滅失のリスクがあり、保管スペースの維持管理にも少なからぬ負担を要します。
そこで、国内DICグループでは2014年に各事業所を結ぶ情報ネットワークを活用し、従業員一人ひとりの作業を電子データに記録・保存し、上司・管理責任者が確認して一元管理するシステムを構築しました。これによって事業所ごとに異なっていた記録様式の統一が図られ、記録の散逸リスクや保管スペースの課題を解決しました。

保安防災

基本的な考え方と体制

プロセス安全管理
プロセス安全管理

化学プラントが火災・爆発・有害物質の漏えいなどの事故を起こせば、近隣住民の方々をはじめ地域社会に多大な影響を及ぼし、協力会社を含む従業員に健康被害を発生させる可能性があります。
DICグループでは、こうした事態を未然に防ぐ保安管理体制を構築し、関係法令を遵守した設備を整え、確実な運転・操作と設備の保全管理を行うとともに、万一の事態に備えた防災訓練、地震対策などを計画的に実施しています。
また、安全な生産設備を構築するため、リスクアセスメント(RA)を推進しています。2013年に「 DICプロセスリスクマネジメントガイドライン(PRM)」を制定し、4つの手法と実施時期を示しました。これらを活用し、各事業所で計画的にリスクアセスメントを進めています。
一方で、リスクマネジメントにおけるBCP(事業継続計画)の観点から、 2016年度に重点リスクを特定し、緊急対応訓練などで対応力の強化に努めています。

  • DICプロセスリスクマネジメントガイドライン(PRM):生産および研究開発業務におけるリスクの包括的把握と継続的な低減を目的に、取り扱う化学物質や生産工程・生産フォーミュラー、機械設備、作業行動に関わるリスクアセスメントの実施時期や実施体制を示したもの。

設備の安全性評価

1.設備の安全性評価

DICグループの工場では、化学反応を行うプラントからプレス機などの加工系設備まで種々の装置が稼働しています。工程変更や装置の改造・更新の際には、より安全な工程や生産設備を構築するために、フォーミュラー・工程のRAガイドラインと機械設備のRAガイドラインをもとに、工程の設計・建設、運転・維持、廃棄に至るまで各段階で安全性評価を行っています。2015年度には、機械設備のRAガイドラインの理解深化と利便性向上のため見直し・改訂を行うとともに、静電気による災障害を予防するための教育資料の整備を進めました。

2.事故災害分析とタイムリーな情報提供

DICでは、社内外で発生した様々な事故・災害、トラブル事例を収集・分類し、「事故事例集」「労働災害事例集」としてデータベース化しています。事例集では、事故・トラブルの原因、安全のチェックポイントを整理し、DICおよび国内外DICグループ各社に配信して安全教育の場で広く活用しています。

3.保安力向上の取り組み

保安力とは、事業所の安全レベルを保つ力のことです。「保安力評価システム」は「安全基盤」(技術的項目)と「安全文化」(組織文化運営管理)に関する質問で構成されています。DICは、自らの保安力を客観的に評価して改善・強化に結びつけるツールとして、2013年度から「保安力評価システム」の運用を開始しました。これは安全工学会と石油化学産業に携わる技術者が、業界共通のモノサシとして活用するために開発したもので、「保安力向上センター」の設立に参画した主要企業21社が同様に運用しています。
「保安力向上センター」では、保安力評価システムの普及を促進するため、2015年に加工系事業所用の評価システムと、評価作業の合理化を図るための重点版評価システムを作成しました。国内DICグループでは、加工系の生産工場があることから、加工系事業所用評価システムの作成に参画するとともに、従来、反応系事業所で実施してきた保安力評価を加工系事業所に展開することを計画しています。
また、2016年に「保安力向上センター」による保安力評価の審査を2017年に2事業所で実施する計画です。

TOPICS DIC社員が中央労働災害防止協会「緑十字賞」を受賞

緑十字賞を受賞した大平部長
緑十字賞を受賞した大平部長

レスポンシブルケア部環境安全担当の大平部長は、中央労働災害防止協会(以下、中災防)の「緑十字賞」を受賞し、2014年10月22日に開催された全国産業安全衛生大会において表彰されました。
中災防は、企業が行う安全衛生活動を支援し、毎年、長年にわたり産業安全や労働衛生の推進向上に尽力し、顕著な功績が認められた個人およびグループなどに緑十字賞を贈り、表彰しています。
大平部長は、27年間にわたり労働安全・保安防災の業務に従事し、全員参加型の安全活動を展開するとともに、リスクアセスメントガイドラインの制定・整備や体感教育をDICグループ内で推進しました。
また、安全工学会(非特定営利団体)の保安力向上センターで、事業所の保安力を評価し向上を図るための評価システムの構築や普及活動に参画しました。
併せて、中国とアジア・パシフィック地区のグループ会社によるグローバル安全会議を開催し、海外事業所の安全管理水準向上とレスポンシブル・ケア活動の浸透を図りました。今回、これらのことが評価され、一般社団法人日本化学工業協会より推薦を受け、受賞に至りました。

緊急対応訓練の実施

DICグループでは、国内外の生産拠点を中心に、日常の保安パトロールや設備の定期点検に加え、万一の事態を想定して様々な緊急対応訓練を計画的に実施しています。

  • 鹿島工場総合防災訓鹿島工場総合防災訓

  • 鹿島工場総合防災訓

  • 千葉工場総合防災訓練千葉工場総合防災訓練

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