労働安全衛生・保安防災

主な取り組みの目標と実績

取り組みの視点
・課題など
2017年度 目標 2017年度 実績 評 価 2018年度 目標
労働安全衛生の確保 総労働災害発生率の削減
国内グループ:1.8
A P 地域:2.2
中国地域:2.0
欧米地域:8.0
(DICグループ:4.57)

国内グループ:2.65
A P 地域:1.98
中国地域:1.46
欧米地域:6.46
(DICグループ:3.98)


★ ★ ★
★ ★ ★
★ ★ ★

総労働災害発生率の削減
国内グループ:1.8
A P 地域:2.2
中国地域:2.0
欧米地域:8.0
(DICグループ:4.56)
  • 「評価」は、進捗度に関する自己評価によるものです。[ 評価マークについて ] ★★★…非常に良好 ★★…順調 ★…要努力

労働安全衛生

基本的な考え方

DICグループは、安全操業こそ事業の根幹でありレスポンシブル・ケアの基盤という認識のもと、グループ全体・従業員一人ひとりが「安全第一」を共有することを基本に、労働安全衛生・保安防災に取り組んでいます。
DICグループの生産領域は多岐にわたり、化学反応を伴う工程以外にも危険物・有害物を扱う工程や回転体機器を扱う工程があります。ひとたび重大事故を起こせば、近隣住民の方々をはじめ社会に多大な影響を及ぼし、協力会社を含む従業員に健康被害を及ぼす可能性があります。
こうした事態を起こさないよう「職場のリスク低減、安全基本動作の徹底、安全感度の高い人材育成」を重点課題と位置づけ、安全基盤の強化や安全文化の向上によるグループ全体の保安力向上に力を注いでいます。

推進体制

DICグループでは、地域ごとに目標を設定し、DIC本社レスポンシブルケア部門と地域統括会社が一体となってグループ会社のリスクアセスメント、事故災害の分析と改善策の推進に取り組み、労働安全衛生の継続的なレベルアップを図っています。

2017年度の主な活動

1.「マンスリー・レポート」で地域ごとのデータを見える化

マンスリー・レポート
マンスリー・レポート

DICグループは、国や地域ごとに異なる法規制や労働環境・慣習の中で多種多様な事業を展開しています。業種によっても設備・機械、取り扱う原材料が異なり、事故災害が発生するリスクに差があります。そのため、世界中のグループ会社が一体となって活動をレベルアップするには、各地域(日本、中国、アジアパシフィック、欧米)の実情に即した「基準や指標(モノサシ)」を整備することが重要です。
DICグループでは、地域ごとに事故・災害・通報などの定義づけを行い、労働安全に関する統計(従業員数・労働時間数・休業件数、不休業件数・火災爆発件数・休業日数・作業復帰までの日数・総労働災害発生率・度数率・休業災害千人率・百万時間あたりの休業日数など)をとって情報共有を図っています。これにより各グループ 会社は安全操業の度合いを客観的に比較評価し、国・地域ごとに精度の高い目標設 定や改善プログラムを策定しています。
また、2015年度から中国およびアジアパシフィック各社の労働安全衛生データを1ヶ月ごとに集計して「マンスリー・レポート」を発行。これにより各国・地域の月次労働時間数・休業件数・災害発生率などを迅速に把握・比較検討でき、グループ全体のマネジメントや各地域のパフォーマンス向上に活用しています。

2.リスクの低減

DICグループでは生産プロセスや設備・装置に潜むリスク、化学物質のハザードを把握し、事故や労働災害の未然防止活動を計画的に進めています。また、国内グループでは新規設備の導入や改造、工程変更時をとらえリスクアセスメントを行うガイドラインを制定し、リスクの低減活動を継続しています。
また、国内グループでは2015年から化学物質に関係するリスク低減に向け、厚生労働省の指針に沿ってリスクアセスメントを計画的に推進する体制を構築しました。具体的には、評価手法も含めたDIC独自のアセスメントガイドラインを2016年に策定し、労働安全衛生法で定める対象物質について危険性・有害性を評価してリスク低減策の検討(取扱方法や設備の改善など)を進めています。
各事業所では化学物質リスクアセスメント推進体制を整え、3ヶ年計画を立てて活動しています。リスクアセスメント進捗状況は安全環境監査で確認しています。

3.工場の安全と環境を守るe-ラーニング講座

e-ラーニング講座の受講画面

e-ラーニング講座の受講画面
e-ラーニング講座の受講画面

DICグループは、労働安全衛生・保安防災のレベル向上を図るには、社員一人ひとりが化学物質や製造プロセス、法規制などに関して幅広い知識を習得することが重要と考えています。
そこで2016年度にインターネットを活用したe-ラーニング講座を試験導入し、「消防法」「大気汚染防止法」「高圧ガス保安法」など工場操業にかかる重要な法令を選定の上、レスポンシブルケア部員、各工場の安全環境担当者、製造部門等の視点から教材の有効性を確認。2017年度から、国内グループで正式に運用を開始し、137名が登録して法令教育プログラムを受講(最大16講座・80点以上で修了認定)しています。
また、中国ではスマートフォンなどを活用したe- ラーニング環境が整備され、国や地方政府なども推奨していることから、2016年度からESH担当者を対象に安全管理についてe-ラーニングによる教育運用を始めました。中国本土の13工場のEHSおよび設備担当者に計52アカウントを付与し、各担当者が受講しています。
今後も受講対象者別に適切な教材を選定し、従業員の知識やスキル向上を支援していきます。

4.安全感度の高い人材の育成、安全基本動作の徹底と危険予知トレーニング

DICグループでは安全感度の高い人材育成に向け、「安全基本動作」、「技術・研究部門の安全指針」、「SDS(安全データシート)」、「労働災害事例集」などを用いて、安全教育や化学物質の取り扱いに関する教育を定期的に実施しています。特に近年は、国内外のグループ会社を問わず危険予知トレーニング(KYT)や安全体感教育に力を注いでいます。 「安全基本動作」を多言語化する中で、韓国・マレーシアでは現地従業員が自主的に韓国語・マレー語に翻訳しました。英語版と中国語版の「安全基本動作」は既に本社で翻訳し、中国およびアジアパシフィック地区で広く利用されています。
危険予知トレーニング(KYT)は危険に対する感性を向上させる有効手段として国内DICグループに普及し、中国地区・アジアパシフィック地区でも導入を加速しています。

5.安全体感教育の推進

DICでは、2012年に10tトラックで国内を巡回する移動式安全体感機材の導入を皮切りに、安全体感教育を本格化させてきました。2013年からは、常設設備を国内(6ヶ所)に加え、中国(3ヶ所)、台湾、マレーシア、インドネシア、インド、タイに設置し、国内外への展開を進めてきました。このような取り組みを通して、国内グループ会社の休業災害度数率は、以前のレベルから半減するなど大きな効果が現れています。
DICグループの安全体感教育は、日常の生産活動において一般的に発生しやすいとされている動力機器へのはさまれや巻き込まれ、高所からの墜落・転落、カッターでの切創などの災害事例を疑似体験することで、危険敢行性(危険の受け入れやすさ)を低下させ、危険感受性(危険に対する敏感さ)を高めることで、潜在的な危険に対し「自ら考え、行動し、自分と仲間を守る」という意識変革を起こすことを目指しています。

  • 100万延べ労働時間あたりの労働災害による死傷者数をもって、労働災害の頻度を表すもの。

国内グループの取り組み

危険予知訓練の研修(新入社員研修)
危険予知訓練の研修(新入社員研修)

「チェーンとギアによる巻き込まれ」体感
「チェーンとギアによる巻き込まれ」体感

2014年には多種多様な事故を疑似体験できる教育施設「埼玉安全体感研修センター」を開設し、新人教育や階層別教育プログラムに組み入れています。また、千葉・堺・北陸・埼玉・鹿島などの各工場でも、自前の体感機器やカリキュラムを整え、安全文化の醸成を図っています。
さらに経験の浅い従業員の被災率低減を目的に、同年からDIC本社およびDICグラフィックス(株)を中心に、新入社員教育カリキュラムに安全体感教育と危険予知トレーニングを必須項目に組み入れています。
2015年には移動巡回用に6種類の体感装置を小型化して各事業所に貸し出し、各職場への巡回教育に活用しています。

海外グループ会社の取り組み

海外DICグループでも「安全体感機器」の導入を推進し、中国地区では「南通迪愛生色料」(インキ、有機顔料製造)、「迪愛生広州油墨」(インキ製造)、「常州華日新材(中国)」(合成樹脂製造)、「迪愛禧佳龍油墨(台湾)」(インキ製造)に設置。アジアパシフィック地区では、「DICコンパウンズマレーシア(マレーシア)」(コンパウンド製造)、「PT. DICアストラ(インドネシア)」(コンパウンド製造)に設置し、2017年には新たに「サイアムケミカル(タイ)」(合成樹脂製造)と「DICインディア(インド)」(印刷インキ製造)に教育設備を設置しました。
これらの生産拠点では、周辺グループ会社の従業員向けに安全体感講習の開催や指導者の養成にも取り組み、2016年には当体感教育を受けた人数が延べ1万人を突破しています。

Topics タイとインドに安全体感教育設備を設置

2017年8月、サイアムケミカル社(タイ)のサムットプラカーン工場と、DICインディア社(インド)ノイダ工場に、「巻き込まれ」「転落・落下」などを疑似体験する安全体感教育設備を設置しました。
安全体感教育の海外展開は、施設の設置を含めDIC本社の指導のもと進めてきました。また、グループ会社ごとに配置したESH担当者に講師養成教育を行い、彼らが従業員を指導することで各社の安全意識は年々高まっていました。この結果、タイとインドの2社では、現地法人と従業員が主体的に教育設備の導入検討を進めて実現に至りました。

  • 安全体感教育を受講する従業員(サイアムケミカル)安全体感教育を受講する従業員(サイアムケミカル)

  • 安全体感教育を受講する従業員(DICインディア)安全体感教育を受講する従業員(DICインディア)

  • 安全体感ルーム安全体感ルーム

2017年度 安全体感教育受講者数

  国内 DICグループ 海外 DICグループ (中国地区 4社 /アジアパシフィック地区 4社) 合計
2017年受講者数 452人 786人 1,238人
2012年~2017年累計 8,442人 3,138人 11,580人

労働災害の発生状況

労働災害についても各地域で目標を設定し、ゼロ災害に向けた取り組みを推進しています。
2017年度の休業災害発生件数は、DICグループでは前年度に比べて減少しました。今後も休業災害の発生原因を徹底的に分析し、作業改善に反映するなどして事故災害の予防に努めていきます。

  • 以下は従業員とパートタイム・契約社員および派遣社員までを対象とし、報告しています。

2014 ~2016 年度の休業災害

度数率の推移強度率の推移

安全風土醸成分科会の取り組み

安全基本動作の輪読(中国開発センター)
安全基本動作の輪読(中国開発センター)

安全風土醸成分科会は、DICとDICグラフィックス(株)の工場安全担当者が、安全に関する方針・施策の議論や提言を行う分科会で、2011年度に発足以来、年ごとに活発化しています。
●2012年度:安全の方針に関する提言を行い、職場に潜む危険源を可視化した注意喚起ステッカーを作成。
●2013年度:社長安全ポスター制作と「安全基本動作」の習慣化に向けた各職場での輪読を開始。
●2014年度:「安全基本動作」をイラスト化した輪読用の冊子を作成。
●2015年度:日めくり式の輪読用冊子を編集し、各職場に配布して安全風土の醸成を強化。これらの資料を英語・中国語に翻訳。
2016年度は、中国地区でも輪読が普及し、安全風土の醸成に有効活用されています。
2017年度は「安全基本動作」の改訂作業に取り組み、2018年度には改訂版発行を目指しています。

「安全基本動作」をイラスト化した輪読用冊子(日本語・英語・中国語)

労働安全衛生

DICグループでは、特定化学物質や有機溶剤など多くの化学物質を取り扱っています。これらの業務に携わる従業員の健康を確保するため、各種の健康診断と作業環境測定を行い、必要に応じて作業環境の改善を実施しています。また、産業医などの専門家、または衛生管理者による職場巡視によって従業員の健康管理に努めています。

作業記録の電子データ化

日本の法規制では、長期間の作業によって、将来、重い健康障害を及ぼすおそれのある特定化学物質を取り扱う場合、作業環境への配慮とともに30年間の作業記録の保存が義務づけられています。しかし、紙による記録は散逸・滅失のリスクがあり、保管スペースの維持管理にも少なからぬ負担を要します。
そこで、国内DIC グループでは2014年に各事業所を結ぶ情報ネットワークを活用し、従業員一人ひとりの作業を電子データに記録・保存し、上司・管理責任者が確認して一元管理するシステムを構築しました。これによって事業所ごとに異なっていた記録様式の統一が図られ、記録の散逸リスクや保管スペースの課題を解決しました。

協力会社・委託事業者の労働安全衛生

協力会社安全大会(鹿島工場)
協力会社安全大会(鹿島工場)

DICグループでは、工場で常駐作業する協力会社・委託事業者、工事・物流に関わる請負事業者については業務委託契約を結び、その中でDICが定める「安全・環境・衛生に関する方針」および「労働安全衛生」に関わる法令遵守を義務づけています。
また、主な生産拠点では「DIC安全協力会」を組織し、事業所の安全管理部門と協力会社・委託事業者が一体となった安全パトロール、化学物質の取り扱い教育・訓練などを行い、全国安全週間(7月)・環境月間(6月)・工場が定める「安全の日」には「安全大会」を開催し、講演や優秀事例の発表などを通じて啓発に努めています。

プロセス安全管理

プロセス安全事故については、ICCAガイドラインに基づき国内事業所を対象に発生件数を測定しています。2017年度は12件発生し、百万労働時間あたりの発生の件数は1.32件でした。

TOPICS 堺工場が中央労働災害防止協会より感謝状を授与

堺工場が中央労働災害防止協会より感謝状を授与

DIC堺工場(大阪府)は、2017年11月に神戸市で開催された「全国産業安全衛生大会」において、中央労働災害防止協会より感謝状を授与されました。堺工場では、職場の潜在的な危険性・有害性を見つけ出し、これを除去・低減するためのリスクアセスメント、新人・転入者やトレーナーの研修など人材育成にも尽力し、ゼロ災害運動を推進したことが高く評価されました。式典には、長年、活動の向上に努めてきた安全環境グループの大川課長が出席しました。

TOPICS 四日市工場が「消防庁長官賞」を受賞

四日市工場が「消防庁長官賞」を受賞

四日市工場(三重県)は、2017年6月に開催された「平成29年度危険物安全大会」において「優良危険物関係事業所 消防庁長官賞」を受賞しました。同工場は、1974年に四日市コンビナートで操業を開始し、食品容器や日用品などの原料に使われるポリスチレンを製造しています。同工場では、危険物保全に係る法令に基づく規程の策定、設備面でのリスクアセスメント、プラント災害や巨大地震を想定した訓練など、危険物の保安管理や社員への保安教育に注力。2004年7月から休業災害がなく、2017年3月末時点で4,649 日の無災害を継続しています。こうした実績が評価され、国民生活の安全確保に顕著な功績があった危険物関係事業所として賞を授与されました。

TOPICS 星光PMC 千葉工場が日化協「安全優秀特別賞」を受賞

四日市工場が「消防庁長官賞」を受賞

DICグループの星光PMC株式会社千葉工場は、2017年5月に開催された一般社団法人日本化学工業協会(以下、日化協)の定時総会において、平成29年度「日化協安全優秀特別賞」を受賞しました。日化協では毎年優れた安全活動を実施し模範となる事業所を表彰しています。星光PMC千葉工場は、「法令とルールの遵守」「作業前の危険予知と指差呼称」「保護具の確実な着用」「化学物質のリスクアセスメント」を重点実施項目として活動し、1973年2月以降44年間無災害を継続していることが高く評価されました。

TOPICS 日本化学工業協会「レスポンシブル・ケア審査員特別賞」を受賞

DIC 埼玉工場 田中安全担当課長
DIC 埼玉工場 田中安全担当課長

2016年5月、DICが進めている「安全風土醸成分科会の活動」が労働災害発生件数減少に寄与したことが評価され、一般社団法人日本化学工業協会(日化協)の「第10回 日化協 レスポンシブル・ケア(RC)賞」の「審査員特別賞」を受賞しました。日化協では毎年、RC活動のさらなる進展・拡大を図るため、優れた功績や貢献をあげた事業所・部門・グループまたは個人を表彰しています。

TOPICS DIC社員が中央労働災害防止協会「緑十字賞」を受賞

DIC 小牧工場 安全環境グループ 守田グループリーダー
DIC小牧工場 安全環境グループ 守田グループリーダー

DIC小牧工場 安全環境グループの守田グループリーダーが、中央労働災害防止協会の「緑十字賞」を受賞し、2016年10月に開催された全国産業安全衛生大会で表彰されました。
緑十字賞は、長年にわたり産業安全や労働衛生の推進向上に尽力し、顕著な功績が認められた個人およびグループに贈られるものです。守田グループリーダーは、16年間にわたり労働安全・保安防災の業務に従事し、全員参加型の安全活動を展開するとともに、リスクアセスメントガイドラインの制定・整備や体感教育をDIC小牧工場などで推進しました。今回、これらの業績が評価され、一般社団法人日本化学工業協会より推薦され受賞しました。

TOPICS DIC佳龍が台湾の「国家職業安全衛生賞」を受賞

国家職業安全衛生賞の特別賞を受賞したDIC佳龍
国家職業安全衛生賞の特別賞を受賞したDIC佳龍

「伝統産業安全衛生投資特別賞 」の盾
「伝統産業安全衛生投資特別賞 」の盾

台湾の迪愛禧佳龍油墨股份有限公司では2016年11月8日、行政院労働部より国家職業安全衛生賞「伝統産業安全衛生投資特別賞」を受賞しました。
この特別賞は、火災爆発防止、作業環境改善、職場環境改善等の安全衛生に投資する活動並びに企業安全文化養成が民間会社では唯一認められたものです。
今後も従業員一同、今回の栄誉を心の励みとし安全衛生管理の向上に向け、さらに改善を進めていきます。

Topics アジア・パシフィック地区で「ESH Country Head Meeting」、中国地区にて「安全環境省エネ会議」を開催

ESH Country Head Meetingを開催
ESH Country Head Meetingを開催

2016年10月24日からの2日間、DIC Asia Pacific Pte Ltd(シンガポール) において、安全・環境への取り組みに関するESH Country Head Meeting が開催されました。当会議 には、DIC本社より生産統括担当役員、実務担当部署の責任者を含む5名、DIC-APからは地域統括会社社長、並びにESH担当者4名、各カントリーヘッド3名の計12名が参加し、2017年度のESH活動方針について討議されました。今回は、COP21パリ協定の批准による要請が予想されるCO2排出量削減への今後の取り組みについての目標や課題、並びに省エネ投資等に関して積極的な意見がかわされました。また、労働安全衛生については、安全成績状況や、ベストプラクティスの紹介、安全訓練・教育の有効性について等、幅広い論議がなされました。
また、中国地区においても11月22日から2日間にわたり南通迪爱生色料有限公司において、DIC本社より生産統括担当役員、実務担当部署の責任者を含む5名、DIC-China、DIC-APより、DIC-China董事長、並びに各事業場から43名、DIC-AP ESH担当者2名の計50名が参加し、安全環境省エネ会議が開催され、グローバル・ベースで上記内容について議論されました。

Topics 2015年度から中国地区、アジアパシフィック地区の「安全担当者会議」を拡充

DICでは、海外グループ会社への安全支援活動として、中国地区とアジアパシフィック地区の担当者が集結して課題や情報共有を図る「安全担当者会議」を各地区で隔年開催してきました。
会議では、安全成績、マネジメントシステムの導入状況、好事例の紹介、安全訓練・教育の有効性を高める方法や環境保全活動などについて意見交換を行い、安全体感教育も受講して自社に水平展開を図っています。
2014年度はマレーシアで16社24名(日本からの参加を含む)が参加し、「アジアパシフィック地区安全担当者会議」を開催しましたが、各社から「隔年ではなく毎年開催を」との要望が高まり、2015年度から中国地区・アジアパシフィック地区ともに毎年開催することになりました。
特に2015年度からリスクアセスメントに基づく具体的な数値目標を設定して取り組むことから、重点項目や行動計画の進捗報告、自己評価のためのチェックシートの活用、ポスターセッションによる好事例の発表、テーマごとのグループディスカッションなどが予定され、従来にも増して活発な議論やテーマの深耕が期待されます。
安全感度の高い人材育成や安全文化の醸成を鋭意推進するため、「安全担当者会議」を開催し、各グループ会社が着実に実力を高め、レスポンシブル・ケア活動の自律・現地化に向けてステップアップする仕組みを整えていきます。

  • 2014年度アジアパシフィック地区安全担当者会議(マレーシア)全体会議2014年度アジアパシフィック地区安全担当者会議(マレーシア)全体会議

  • 2014年度アジアパシフィック地区安全担当者会議の安全体感教育2014年度アジアパシフィック地区安全担当者会議の安全体感教育

  • 2015年3月中国地区安全会議の「なぜなぜ分析事例研修」2015年3月中国地区安全会議の「なぜなぜ分析事例研修」

Topics 局所排気装置の改善レクチャーを開催

DICグループの生産拠点では、有機溶剤などを扱う工程も多数あり、随所に局所排気装置を設置して吸引→燃焼→排気によって換気し、職場の安全衛生を確保しています。しかし、排気ダクトの位置や形状によって十分に機能が発揮されていないケースもありました。
そこで、レスポンシブルケア部では、ブロワ(送風機)・排気ダクト・フードからなる小型モデル機を考案し、2013年度から安全体感教育の一環として国内10工場に設置し、局所排気装置の構造、機能、特徴の理解に活用しています。フランジを装着した場合に吸引効果(風速・臭気など)が数十%高まることを工学的な見地から解説して従業員に改善を促しました。
そして、2015年度には中国地区・アジアパシフィック地区の「安全担当者会議」でもモデル機を披露して原理を解説。現在、青島・南通・広州…と順次、各拠点を巡回しています。

スモークテスターで発煙するとダクト断面より実際は後方の空間から気流が流れ込んでいる

  • デモンストレーション用の小型モデル機(フランジ取りつけ済み)デモンストレーション用の小型モデル機(フランジ取りつけ済み)

  • 中国地区での巡回レクチャー(青島)中国地区での巡回レクチャー(青島)

保安防災

基本的な考え方と体制

化学プラントが火災・爆発・有害物質の漏えいなどの事故を起こせば、近隣住民の方々をはじめ地域社会に多大な影響を及ぼし、協力会社を含む従業員に健康被害を発生させる可能性があります。
DICグループでは、こうした事態を未然に防ぐ保安管理体制を構築し、関係法令を遵守した設備を整え、確実な運転・操作と設備の保全管理を行うとともに、万一の事態に備えた防災訓練、地震対策などを計画的に実施しています。
また、安全な生産設備を構築するため、リスクアセスメント(RA)を推進しています。2013年に「DICプロセスリスクマネジメントガイドライン(PRM)」を制定し、4つの手法と実施時期を示しました。これらを活用し、各事業所で計画的にリスクアセスメントを進めています。
一方で、リスクマネジメントにおけるBCP(事業継続計画)の観点から、2016年度に重点リスクを特定し、緊急対応訓練などで対応力の強化に努めています。

  • DICプロセスリスクマネジメントガイドライン(PRM):生産および研究開発業務におけるリスクの包括的把握と継続的な低減を目的に、取り扱う化学物質や生産工程・生産フォーミュラー、機械設備、作業行動に関わるリスクアセスメントの実施時期や実施体制を示したもの。

Topics 設備の高所点検にドローンを活用して保安防災を向上

2017年、DICは樹脂着色剤などを製造する館林工場(群馬県)で、高所設備の点検用にドローンの試験運用を始めました。保全のための設備点検は、建屋の屋根や屋上の配管も含まれ、通常は点検箇所周辺に足場を組み、目視で修繕箇所を特定しています。ただ、この方法では事前に修繕箇所が絞り込めず広範囲に足場を組む必要があり、多大な費用と時間を要します。
そこで上空からドローンで撮影し、修繕箇所の絞り込みや損傷レベルを事前に確認し、高所の点検作業を大幅に効率化するのがねらいです。ドローンの飛行には様々な規制が設けられていますが、同工場は人口集中地域やコンビナート地区に該当しないことから幅広い用途を検討しています。
4月に行った同工場での防災訓練でも、ドローンによる観察の効果が確認できました。上空から撮影することで、従業員の避難行動や避難動線の把握、消火訓練の様子を離れた場所に設置される防災本部でもリアルタイムで確認でき、映像分析によって改善点を発見する取り組みにも役立っています。

  • ドローン「Phantom 4 Pro+」ドローン「Phantom 4Pro+」

  • ドローンによる上空からの撮影(上部の錆を確認)ドローンによる上空からの撮影(上部の錆を確認)

  • ドローンによる撮影 防災訓練の様子ドローンによる撮影 防災訓練の様子

設備の安全性評価

1.設備の安全性評価

DICグループの工場では、化学反応を行うプラントからプレス機などの加工系設備まで種々の装置が稼働しています。工程変更や装置の改造・更新の際には、より安全な工程や生産設備を構築するために、フォーミュラー・工程のRAガイドラインと機械設備のRAガイドラインをもとに、工程の設計・建設、運転・維持、廃棄に至るまで各段階で安全性評価を行っています。2015年度には、機械設備のRAガイドラインの理解深化と利便性向上のため見直し・改訂を行うとともに、静電気による災障害を予防するための教育資料の整備を進めました。

2.事故災害分析とタイムリーな情報提供

DICでは、社内外で発生した様々な事故・災害、トラブル事例を収集・分類し、「事故事例集」「労働災害事例集」としてデータベース化しています。事例集では、事故・トラブルの原因、安全のチェックポイントを整理し、DICおよび国内外DICグループ各社に配信して安全教育の場で広く活用しています。

3.保安力向上の取り組み

埼玉工場
埼玉工場

四日市工場
四日市工場

保安力とは、事業所の安全レベルを保つ力のことです。「保安力評価システム」は「安全基盤」(技術的項目)と「安全文化」( 組織文化運営管理)に関する質問で構成されています。DICは、自らの保安力を客観的に評価して改善・強化に結びつけるツールとして、2013年度から「保安力評価システム」の運用を開始しました。これは安全工学会と化学産業に携わる技術者が、業界共通のモノサシとして活用するために開発したもので、「保安力向上センター」の会員会社が運用しています。
「保安力向上センター」では、保安力評価システムの普及を促進するため、2015年に加工系事業所用の評価システムと、評価作業の合理化を図るための重点版評価システムを作成しました。また、2016年には安全基盤と安全文化の評価項目の見直し改訂を行い、化学以外の業種でも保安力評価システムが活用されています。
2017年には、四日市工場と埼玉工場が「保安力向上センター」による保安力評価の審査を受け、評価結果をさらなる改善の取り組みに結びつけています。

TOPICS DIC社員が中央労働災害防止協会「緑十字賞」を受賞

緑十字賞を受賞した大平部長
緑十字賞を受賞した大平部長

レスポンシブルケア部環境安全担当の大平部長は、中央労働災害防止協会(以下、中災防)の「緑十字賞」を受賞し、2014年10月22日に開催された全国産業安全衛生大会において表彰されました。
中災防は、企業が行う安全衛生活動を支援し、毎年、長年にわたり産業安全や労働衛生の推進向上に尽力し、顕著な功績が認められた個人およびグループなどに緑十字賞を贈り、表彰しています。
大平部長は、27年間にわたり労働安全・保安防災の業務に従事し、全員参加型の安全活動を展開するとともに、リスクアセスメントガイドラインの制定・整備や体感教育をDICグループ内で推進しました。
また、安全工学会(非特定営利団体)の保安力向上センターで、事業所の保安力を評価し向上を図るための評価システムの構築や普及活動に参画しました。
併せて、中国とアジア・パシフィック地区のグループ会社によるグローバル安全会議を開催し、海外事業所の安全管理水準向上とレスポンシブル・ケア活動の浸透を図りました。今回、これらのことが評価され、一般社団法人日本化学工業協会より推薦を受け、受賞に至りました。

緊急対応訓練の実施

DICグループでは、国内外の生産拠点を中心に、日常の保安パトロールや設備の定期点検に加え、万一の事態を想定して様々な緊急対応訓練を計画的に実施しています。

  • 堺工場総合防災訓練堺工場総合防災訓練

  • 東京工場総合防災訓練東京工場総合防災訓練

  • 千東京工場救護訓練東京工場救護訓練

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