特集人工・合成皮革向け 環境調和型ウレタン樹脂

安全・安心に作れる・使える素材の提供

環境調和型ウレタン樹脂

ポリマ事業での環境調和型製品へのグローバルな取り組み

中国をはじめとする世界各地において環境規制が急速に厳格化する中で、溶剤系から水系・無溶剤型製品へのシフトが重要となってきます。ポリマ事業部門では、いち早く法規制に対応した環境調和型製品の開発を心がけ、グローバル展開を推進しています。中国では、日本からの輸出、台湾で生産された製品の投入、中国の生産拠点を通じた事業の新規開拓等を複合的に取り入れながら、多面的に事業を展開しています。今後、中国以外のアジア地域への展開を計画しています。環境ニーズで先行する欧米に対しては、グループ会社のサンケミカル社のネットワークや経営資源を活用した展開を検討しています。今後も、積極的な投資や、各拠点におけるパートナーとの協業などを通して事業基盤の強化を進め、変化する市場ニーズとタイミングを確実にとらえ、環境調和型事業の拡大に取り組んでいきます。

環境負荷物質の少ないものづくりに貢献

分子の設計によって様々な特性を出せるウレタン樹脂は、衣類・生活資材から建材、自動車、エレクトロニクス、工業・産業資材など、きわめて用途の広い化合物で、人々の日常生活に深く浸透しています。中でも人工・合成皮革の素材・接着材料として消費されるウレタン樹脂は、年間24万tとウレタンフォーム材(シート材、断熱材)に次ぐ市場を形成。その高い機能性と、天然皮革からの素材転換のため、需要が増え続けています。
一方、人工・合成皮革の製造工程では、溶剤にDMF(ジメチルホルムアミド)が使われることから、VOC(揮発性有機化合物)の発生や製品へのDMF残留による健康への影響が懸念されています。近年、DMFはREACH(欧州化学物質法規制)における使用禁止対象となる可能性が高まっており、これを受けて世界的なスポーツアパレルメーカーは「2020年までにDMF使用全廃」を表明しています。スポーツシューズの世界的な供給基地である中国・台湾でも溶剤排出規制が強化されており、DMF使用からの脱却が業界の大きな課題となっています。
こうした中、溶剤系・水系ウレタン樹脂の多彩な技術を有するDICは、DMFを使用することなく従来と同等の特性を持つ環境調和型ウレタン樹脂を開発。スポーツシューズ用に、素材だけでなく、人工・合成皮革の加工プロセスまでをトータルソリューションとして提供する体制を構築しています。

溶剤 DMF を取り巻く動き

要素技術を複合化して環境調和型ウレタン樹脂製品を開発

環境負荷物質削減

安全安心

省エネルギー

CO2削減

スポーツシューズ用の人工・合成皮革には、風合い(ソフトな感触と十分な弾性)・耐屈曲性(常温/低温)・耐久性・軽量性とともに競争力のある生産コストが求められます。従来の溶剤系ウレタン樹脂は、溶剤の揮発によって強い皮膜を形成して要求性能を満たしましたが、水系ウレタン樹脂は高分子量化や粒子の均一化が難しく、強度・耐久性・耐摩耗性を実現することが困難でした。
そこでDICは、水系ウレタン樹脂「ハイドラン」の樹脂設計技術、無溶剤型接着剤「タイフォース」の湿気硬化技術、熱硬化ウレタン樹脂「パンデックス」の発泡・反応制御技術の3つの要素技術を組み合わせることで、無溶剤(DMFフリー)ながら従来の溶剤系と遜色のない品質を有する製品の開発に成功しました。さらに、この製品を用いることで加工プロセスが短縮されるため、エネルギー消費とコストを抑えた効率的なシステムの構築を実現しました。

人工・合成皮革用 環境調和型ウレタンシステム

材料供給だけでなく加工プロセスまでトータルに提供

環境に配慮した生産体制を実現するには、製品だけでなく加工プロセスの設計も不可欠となります。DICは、設備メーカーと連携して製品特性に最適化された加工プロセスを開発し、樹脂製品とセットで顧客に提供する環境調和型ウレタンシステムを2016年に完成させました。今後、このシステムをグループ会社である立大化工股份有限公司(台湾)を通して、スポーツシューズの 世界的な生産地域である中国の各メーカーにスピーディに供給していきます。樹脂と設備を現地で調達できる仕組みによって市場に着実に根付かせ、世界標準の環境調和型システムとして幅広い産業分野に展開させていく計画です。
特にDICのシステムは、自動車の内装に求められる環境特性にも対応できることから、風合いや高耐久性(摩耗、皮脂、薬品、熱・光、湿熱など)をさらに高め、積極的に市場に訴求していきます。

環境調和型ウレタンシステム(地産地消)

KEY PERSON of DIC

ポリマ製品本部 大阪ウレタン営業部 部長 西 昌宏

規制強化はビジネスチャンス、環境調和型ウレタンの世界標準メーカーへ

世界中で強化されるVOC規制によって、化学メーカーはその技術力を問われています。これはDICグループの総合力を発揮してビジネスを拡大する好機でもあります。
ウレタンという素材の提供だけで差別化するのは難しい時代ですが、環境調和をキーワードにプロセスごと提供する「ソリューション・ビジネス」なら世界標準になれる可能性もあります。これこそポリマの設計から製造技術まで熟知し、各国に生産拠点を配するDICグループならではのビジネス戦略だと考えます。

ポリマ製品本部 大阪ウレタン営業部 部長 西 昌宏

ポリマ第二技術本部 ポリマ技術 6 グループ グループマネージャー 坂元 保

トータルソリューションを提供するため設計開発・加工プロセスの研究にも注力

DICは溶剤系ウレタンで国内トップシェアを占め、他にもエポキシ、フェノール、アクリル等の樹脂や顔料に至るまで多彩な領域で培った開発・製造技術を持っています。
この様々な要素技術を編成・複合化することで新しい機能を創出できるのです。さらに加工プロセスまで含めたトータルソリューションを提供するため、私たちは研究室でフラスコ合成するだけでなく設備機械の開発まで関わっています。そのため常にアンテナを張り巡らせ、最新の情報や技術動向をキャッチするよう努めています。

ポリマ第二技術本部 ポリマ技術 6 グループ グループマネージャー 坂元 保

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