特集太陽電池

太陽電池モジュールの長寿命化をめざして

再生可能エネルギーの普及促進に向けて耐候性の向上を

太陽電池モジュールの長寿命化をめざして

地球温暖化や化石燃料の枯渇を防ぐため、世界中で再生可能エネルギ-の普及が進められています。中でも太陽光発電は、設置しやすい電源として期待され、各メーカーは発電効率の向上やコスト低減に力を注いでいます。ただ、太陽電池モジュールは日常的に太陽の紫外線や熱、外気の温度変化、湿気や風雨にさらされて劣化し、発電効率が低下して製品寿命が消耗することから耐候性の向上が求められています。

自然界のダメージからモジュールの心臓部である太陽電池セルを守り、少しでも長寿命化を図ることで、取り替えサイクルの長期化による資源の有効活用、投資コストの早期回収に役立ち、ひいては太陽光発電の普及促進の一助となります。また、設置する建物への負荷を軽減するため、躯体の軽量化も課題の一つと指摘されています。

DICの取り組み

省エネルギー

CO2削減

3R(省資源)

耐候性に優れた接着剤でバックシートの耐久性を向上

太陽電池パネルの裏面には、熱や紫外線、湿気から太陽電池セルを保護するためのバックシートが装着されています。バックシートは、太陽電池の信頼性や寿命を左右する重要な部材で、PETファイルムやフッ素フィルムを接着剤で貼り合わせた多層構造によって、耐候性や防湿性を発揮します。しかし、汎用の接着剤では、設置環境によって短い年月で接着強度が劣化し、バックシート本来の機能が失われ、太陽電池セルの性能や寿命にまで影響を及ぼします。

そこでDICは、2009年にバックシート専用の接着剤を開発。これは”加水分解”を抑える樹脂設計をベースに添加剤の配合技術によってその機能を強化し、極めて高い耐候性を実現したものです。各種フィルムへの安定した接着力は、パッケージのラミネートを積層する技術が活かされ、耐熱・防湿性は建材分野で培った経験も活用されています。その性能は、温度85℃・湿度85%の環境負荷試験で3,000時間超の使用(20年の継続使用に相当)をクリアし、モジュールメーカーの認証基準を大きく上回りました。 さらに、2013年には、紫外線吸収性能によってフィルムの劣化を防ぐ耐候コーティング剤と、極めて高い耐湿熱性を備えたヒートシール剤も開発。これらを組み合わせることで、バックシートの耐久性は高まり、太陽電池モジュールの長寿命化に貢献します。

太陽電池モジュールの代表的構成

KEY PERSON of DIC

分散第一技術本部 分散技術2グループ グループマネージャー 穂積 正巳

耐久性を高めつつコスト低減を図ることが大きなテーマです

太陽光発電の普及を加速させるには、性能向上とコスト低減を同時に追求する必要があります。そこにはDICの樹脂設計や分散技術などを活かせるフィールドが広がっています。例えば、フィルム並みの耐候性を備えたコート剤やヒートシール剤を開発すればコスト低減とともに軽量化も図れます。容易な道のりではありませんが、インキから発展した多彩なコア技術を融合させることで道は開けると確信しています。

分散第一技術本部 分散技術2グループ グループマネージャー 穂積 正巳

分散第一技術本部 分散技術2グループ 主任研究員 神山 達哉

太陽電池モジュールはDICのテクノロジーを活かせる宝庫です

高評価をいただいているバックシート用接着剤には、パッケージで鍛えた塗工技術などが応用されていますが、太陽電池モジュールの構成部材には、DICの基盤技術を組み合わせて性能向上を図れる領域が数多く存在します。今後も耐候性や軽量化だけでなく電力の変換効率の向上にも寄与できる材料や部材を開発して、太陽光発電の進歩に貢献したいと考えています。

分散第一技術本部 分散技術2グループ 主任研究員 神山 達哉

アドバンストポリマ営業本部 高機能化学品開発営業部 担当部長 今井 勝

住宅用からメガソーラーまで世界への本格普及期はこれからです

ドイツ・スペイン・日本は、電力の固定価格買取制度をテコに太陽光発電が普及していますが、グローバル市場の普及期はこれからです。北米・中東・インド・中国・アフリカなどでは、長い送電線を敷設する必要がない分散型電源への期待が高まっています。こうしたニーズを追い風に、DIC独自の関連部材を多数開発して、CO2を排出しないクリーンエネルギー普及の一翼を担ってまいります。

アドバンストポリマ営業本部 高機能化学品開発営業部 担当部長 今井 勝

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