サステナブルエネルギー領域
EV(電気自動車)やスマートフォン、
ノートパソコン、コードレス掃除機、
ワイヤレスイヤホンなど、
日常生活に欠かせない存在となっている
リチウムイオン電池。
そんな電池がさらに軽く、大容量で長寿命になれば、
もっと便利で快適な生活と
未来の地球環境への貢献が期待されています。
あなたの願い
EV(電気自動車)やスマートフォンなどさまざまな用途に使われるリチウムイオン電池。バッテリー残量を気にせず毎日安心して生活するためにも、より充電時間が短く、軽くて長持ちする電池があったらいいですよね。そこでDICはリチウムイオン電池の内部抵抗を抑えることで寿命を大幅に伸ばすことができる画期的な樹脂の開発に成功しました。
DICはリチウムイオン電池を構成する材料へのさまざまなアプローチで、バッテリー全体の性能を高めるソリューションを提供しています。特に長年培ったポリマの高分子設計技術や分散技術を基軸として、バッテリーの軽量・大容量化と長寿命化を実現し、かつ短時間の急速充電にも対応する新たな材料の開発を進めています。
素材テクノロジーの進化により、リチウムイオン電池のさらなる高性能化や、全固体電池などの次世代バッテリーの実用化が期待されています。いつかEVの航続距離が1,000kmを超えたり、スマートフォンの電池が一週間以上持続したりすることで、いざというときもバッテリー切れの心配がなく、毎日がもっと楽しく快適なデジタルライフを過ごせるかも。
社会の願い
スマートフォンを直射日光の下で使用したり、カメラやゲームなどのアプリを使用し続けると本体が熱くなることがありますよね。そのような熱が蓄積されると、デバイスの寿命の低下や故障の原因となります。そこで電子機器の熱を効率的に逃すための新素材として、DICは世界初の14面体アルミナフィラーを開発。従来の材料と比べ、放熱性を最大1.3倍向上することができます。
DICが独自の合成方法で開発したユニークな無機材料「CeramNex ™」は、多面体の特殊な形状により材料同士が面で接触するため、点で接触する球状よりも熱が伝わりやすく、放熱性を高めることができます。スマートフォンやノートパソコンのバッテリーや発熱体の周辺の部材をはじめ、さまざまな電子機器の熱暴走を防ぎ、安定稼働を助ける素材として採用が進められています。
より高度な処理能力を求めるアプリや機能によって電子機器への負荷が増えても、素材技術の進化によって熱暴走を防ぎ安定稼働を助けることで、デバイスのさらなる高機能化や軽量・小型化、長寿命化に貢献することができます。今よりさらに軽量で高性能なスマートフォンやスマートウォッチはもちろん、もっとコンパクトで新しい形のウェアラブルデバイスの登場にも貢献するかも。
地球の願い
DICは「2050年度カーボンネットゼロ」の目標を掲げ、 CO₂排出量の削減に取り組んでいます。特にグローバルに展開する各拠点において、設備運用や生産方法の見直しによってエネルギー消費を抑えつつ、バイオマスボイラーや水力発電、風力発電、太陽光発電などの再生可能エネルギーへのシフトを進めることで、生産性を落とすことなく電力消費量やCO₂排出量を削減。地球環境への負荷を減らしながらも、人々の暮らしをこれまで通り支えています。
DICの国内事業所で最大のエネルギー消費量となっている鹿島工場では10年以上前からこの取り組みを開始し、工場で使用するエネルギー全体に占める再生可能エネルギーの割合はすでに45%に達し、およそ10万人の呼吸量に匹敵する年間CO₂排出量の削減(約3万5千t)を実現。そんな鹿島工場をはじめ、アジア、欧米に展開するすべてのグループ生産拠点において、取引先や物流会社などのパートナーとも連携し、サプライチェーン全体でクリーンエネルギーへの置換を積極的に進めています。
「2050年度カーボンネットゼロ」は世界各地に数十か所以上の生産拠点を有する化学メーカーとして極めて挑戦的な目標です。しかし、グローバル全体のグループ社員とパートナーが連携し、一つ一つの課題を解決しながら目標達成のために取り組んでいます。そんな一歩ずつの取り組みがいつしか業界の垣根を超えて世界中に広がり、やがて地球温暖化の心配のない明るい未来が待っているかも。
世界の60を超える国と地域でグローバルに事業を展開する化学メーカー、DIC。印刷インキや有機顔料、機能性樹脂のリーディングカンパニーとして、人々の生活の様々なシーンに「彩り」と「快適」を提供しています。私たちは化学の領域にとどまらない価値の創造に挑戦し、人と地球の未来をより良いものにしていくことを目指します。