スマートリビング領域
スマートフォンや自動車、ロボットなど、
あらゆる分野で活用が進むAI(人工知能)。
AIのテクノロジーがさらに進化すれば、
もっと便利でワクワクする未来も。
そんな未来へのカギを握るのは、
化学とエレクトロニクスの融合による
「ケミトロニクス材料」。
半導体の処理能力向上を支える
DICの革新的な材料の技術が、
さらなるAIの進化の一翼を担っています。
あなたの願い
高速通信規格「5G」は、4Gの最大100倍の通信速度となり高周波の電波を使うことから、電気信号の損失が増え関連機材が高温になるなど多大な負荷がかかります。そこでDICは、高速大容量通信に対応したインフラ環境整備のカギとなる半導体材料向けのエポキシ樹脂硬化剤を開発。通信信号ロスの原因となる伝送損失を大幅に低減することに成功しました。
DICの活性エステル型エポキシ樹脂硬化剤は、エポキシ樹脂の特長である優れた絶縁性を保持しながらも、電気がたまりやすい(誘電率が高い)という性質を解消し、伝送損失を大幅に低減することに成功。高速通信規格5Gの普及に貢献するとともに、さらには5Gの10倍以上となる毎秒1兆ビット級のデータ転送速度とされる6G規格への対応に向けた開発を進めています。
半導体材料の進化により6Gやさらなる高速大容量の通信技術が実用化されれば、いつでもどこでも膨大な情報量のコミュニケーションを遅滞なく行うことが可能となります。いつかVR(仮想現実)やAR(拡張現実)と超高速通信技術の組み合わせにより、離れた場所にいる相手とリアルな映像や音声とともに、味や匂い、肌触りなど五感で同じ体験を共有できる時代が訪れるかも。
社会の願い
昨今、スマートフォンや自動車、ロボットなど、あらゆる分野でAIの活用が進み、高性能な半導体チップが組み込まれています。処理能力の向上や小型化・省電力化のため、現在では髪の毛の太さの10万分の1よりも細かい回路パターンのチップの開発も進められています。そんな肉眼では見えないほど微細な半導体の回路パターンを実現するカギとなるのが、感光性材料のフォトレジストポリマーです。
カナダで高性能のフォトレジストポリマーを生産するInnovation DIC Chimitroniques Inc.社は、2023年6月にDICグループの一員となりました。微細化が進む半導体チップのフォトレジストポリマーに求められる低金属化・高純度化を実現する優れた製造技術や量産化技術を有する企業として注目されています。全世界的に半導体需要が高まる中、グローバルで素材を供給する体制の構築を進めています。
グローバルでの半導体需要の拡大に対応し、高品質のフォトレジストポリマーがAIデバイスの処理能力の向上や小型化・省電力化に貢献していくことで、ますます便利で快適な社会となることが期待されます。たとえばすべての乗り物にセンサーが組み込まれAIが運転をアシストすることで、いつか交通事故や渋滞のない未来が訪れるかも。
地球の願い
有機フッ素化合物「PFAS」は、その撥水性や焦げ付き防止などの優れた特性から幅広い分野で使われています。しかし自然界に放出されるとほとんど分解されないことから、リスクを心配する声が欧米を中心に高まっています。そんな中、DICは、ディスプレイや半導体といった最先端のエレクトロニクス分野においても「PFASフリー」を実現するカギとなる界面活性剤を開発しました。
DICは2023年、PFASを使用せずに従来と同等以上の性能を発揮する画期的な界面活性剤を開発。さまざまなアプローチから原料を厳選するとともに合成技術を駆使することで、これまで代替が困難とされてきたフッ素系製品と同等以上の性能を得ることに成功。ヨーロッパでの環境規制の動きにも対応し、高まるグローバルでのPFAS系界面活性剤の代替とエレクトロニクス分野での需要に応えています。
これまで様々な産業や生活のシーンにおいて使用されてきたPFAS製品。今回、最先端の分野でPFASを使用しない界面活性剤の登場は各方面から多くの反響が寄せられています。今後、AIでの需要が高まる半導体をはじめ、ディスプレイ、EVなどさまざまな分野にPFASフリー製品を展開していくことで、環境負荷の心配がなく、誰しもが安全・安心で快適に暮らせる未来に一歩近づくかも。
世界の60を超える国と地域でグローバルに事業を展開する化学メーカー、DIC(ディーアイシー)。印刷インキや有機顔料、機能性樹脂のリーディングカンパニーとして、人々の生活の様々なシーンに「彩り」と「快適」を提供しています。私たちは化学の領域にとどまらない価値の創造に挑戦し、人と地球の未来をより良いものにしていくことを目指します。