G58はいいぞ。

カラーフィルタ用顔料篇

テレビを観て「キレイ!」と思う時、そこには、きっとDICのカラーフィルタ用顔料があります。中でもキレイな緑色の定番が、この「G58」!

DIC岡研究室主任研究員 DIC岡 里帆 DIC株式会社 総合研究所 精密合成技術5グループ 山路 文香

今日は幸せだなあ。私が愛してやまない「カラーフィルタ用顔料」を研究開発している方とお話ができるなんて!

DIC岡さんは、私たちが研究開発している「G58」や「G59」のファンでいらっしゃると聞いています。私も今日は楽しみです。

「G58」や「G59」の話をするには、まず、テレビの話からですよね。
テレビというと、“電気”とか“機械”ってイメージですけど、その中身では、“化学”も活躍しているんですよね?

はい。液晶テレビの色は、どんどん明るく鮮やかになっています。そうした色をつくり出すために、化学のチカラが大活躍しているんです。液晶テレビの画面のガラスの下には、色を生み出す「カラーフィルタ」があります。そこには、R(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)の3原色を生み出す色材がギッシリ並んでいて、3つが発する色を掛け合わせて、さまざまな色を生み出します。その色材の主な材料が、「顔料」です。

<図版(テレビの液晶ディスプレイと、カラーフィルタ。その拡大図。>液晶テレビの画面の中にある「カラーフィルタ」には、R(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)の色材が並んでいます。3色セットで、1画素。フルハイビジョンのテレビは、約200万画素なので、このセットが約200万個も並んでいるんです!

化学のチカラでつくられた顔料が、テレビのあんなに明るく鮮やかな色のもとになっているんですね!
テレビの画面に下に、顔料が入っていて、じーっと出番を待っている。そして、私たちがテレビをつけた瞬間にパッと輝き、私たちが見ている間じゅう、キレイな色を見せ続けてくれる。あー、感動しちゃうなあ!

DICは、その「カラーフィルタ用顔料」の世界的なメーカーなんです。中でもDICが得意とするのは、グリーンの顔料。「G58」「G59」は、DICが世界で初めて開発したカラーフィルタ専用のグリーン顔料なんです。どちらも、これまでの常識を破った画期的な製品で、高い世界シェアを誇っています。

<写真キャプション(粉状の写真)>DICが開発した、世界初のカラーフィルタ専用グリーン顔料「G58」「G59」

「G58」や「G59」のGは、グリーンのGなのですね!これまでの常識を破ったって、どう破ったのですか?

ちょっと専門的な話になるのですが、それまで、グリーン顔料に使われるのは、銅の化合物が常識でした。つまり、化学式の中心に銅がありました。それを改良する研究を続けていたのですが、どうしても明るさや鮮やかさに限界が出てくるんです。そこで、DICでは、銅に変えて亜鉛を中心にすることで、イノベーションを起こしたんです。

<図版(「G36」の化学式)キャプション>「G58」登場以前のグリーン顔料「G36」の化学式。中心には銅(Cu)。 <図版(「G58」の化学式)キャプション>「G58」の化学式。中心には亜鉛(Zn)!

ちょっと山路さん、簡単に言っちゃってますけど、イノベーションを起こすなんて、たいへんだったのでは?

そうですね。“グリーン顔料の中心金属は銅”というのが、業界の常識でしたから。でも、DICでは、他の用途向けの顔料をつくっているチームが、他の中心金属の顔料をつくることにチャレンジして、ノウハウを持っていました。そのチームと協力することで、中心金属を新しくする試みをスムースに進めることができたのです。

DICが彩りのさまざまな研究に取り組んできた蓄積があったからこそ、ですね。

でも、だからといって簡単にできたわけではないんですよ。中心金属を何にするか。また、その中心金属を使ってどんな化合物をつくれば、より鮮やかな緑を発色させることができるか。まさに無数の組み合わせがあります。その中から、コンピュータでのシミュレーションと、人の手による実験を積み重ねながら、候補を絞り、現在の化合物に出会ったのです。

コンピュータと人間のチカラで、無数の候補からたった一つの運命の出会いを見つけ出す。まるで、化学界のシンデレラ物語!

その出会いの結果として、DICが生み出した新しいグリーン顔料「G58」は、これまでにない鮮やかさを実現できました。発色がすごく美しいと評価され、世界中の液晶テレビに採用されるようになりました。

今では世界中のあちこちのお家のテレビに、DICのグリーン顔料、「G58」か「G59」が入っていて、世界中に彩りを届けている! ああ、想像するだけで感動的!

さらに、DICでは、顔料の粒子を細かくすることで、コントラストの性能も大幅に高めました。よりクッキリと、メリハリのある表示ができるようになったんです。顔料の粒子は、50ナノメートル以内という小ささなんですよ。

山路さん仕事風景
山路さん仕事風景

そんなに小さいのね……って、すみません。50ナノメートルって、どれくらいか、よくわからないです。

50ナノメートルは、1ミリメートルの、2万分の1です。これほど小さい粒子を安定してつくれるのは、DICが長年培ってきた技術力があるからこそなんです。

1ミリの2万分の1! つまり、「G58」の顔料の粒を2万個も横に並べて、やっと1ミリになる! そんなに小さな粉が、たくさんでチカラを合わせて、あんなに美しい色を私たちに見せてくれるのですか。小さな粒の一つ一つが、愛おしいです!

私も顕微鏡を覗いて粒を見ながら、愛おしい気持ちでいっぱいです(笑)。でも、DIC岡さん。明るくて鮮明な発色をする顔料のメリットは、美しい発色だけには、とどまらないんですよ。液晶テレビの画面は、後ろからライトで照らすことで明るく光って見えるのですが、「G58」が明るくて発色がいいということは、ライトの光の量が少なくて済みます。つまり、弱めのライトでもきれいに見える。ということは、エネルギー効率が良くなるのです!

DICのカラーフィルタ顔料は、CO2削減にも効果があり、ひいては地球の環境問題にも良い影響を与えるというわけなのです。

美しいだけではなくて、CO2削減にも効果があるなんて!「G58」「G59」、きみたちはどれだけ偉いんだー!?

でも、「G58」「G59」の開発は、もう完了したわけではありません。テレビは、どんどん進化していこうとしています。みなさんご存じのように、8Kなど、精細なテレビ画面もどんどん出てきています。それに応えるためには「カラーフィルタ用顔料」もさらに進化していくことが必要なんです。

彼らは、まだまだ進化できるんですね。でも、ちょっと待ってください。確か、有機ELでしたっけ? これまでの液晶テレビとは違う、新しいタイプのテレビ画面も出てきていますよね。そうすると、「カラーフィルタ用顔料」は要らなくなるのでは? これからは「G58」「G59」の出番がなくなっちゃう?

いいえ。そうした次世代のテレビといわれるものにも、カラーフィルタが必要なことには変わりはありません。つまり、「カラーフィルタ用顔料」は、これからもテレビを明るく輝かせ続けるでしょう。だから、私たちも、「G58」「G59」をもっとよくするための研究を続けていますよ。

< DIC岡さん>そうなんですね。「G58」「G59」、これからもがんばってよー!ところで、山路さんは、「博士」なんですよね? どうしてこうした研究を? そして、どうしてDICに入社したのですか?

はい。もともとは、中学高校の化学の授業で、化学反応に興味を持ったのがキッカケです。「化学反応によって新しいものができて、それが世の中を変える材料になることがある」ことを知って「つくってみたい!」と思ったんです。大学では色素の研究を続け、学んだことを実際に社会に出て行くモノづくりに活かしたい、とDICに入ったんです。

まさに、“世界を彩りで変えていく”DICにピッタリの研究者さんですね! これからは、テレビの新製品をみたら、この中ではきっと山路さんたちがつくった「G58」や「G59」ががんばってるんだ!って思いながらみることにします。今日はありがとうございました!

DIC岡さん、こちらこそ、ありがとうございました。現在のテレビは、すでに、すばらしい明るさや鮮やかさを持っていますが、まだまだ進化したり、画期的なものが生まれたりする可能性があると考えています。私自身も、日々の研究の中で、次はこんな顔料をつくってみたらどうだろう、というアイデアが次々に湧いてきて、ワクワクしていますよ。これからのテレビの進化を楽しみにしてくださいね。

あなたにとって、カラーフィルタ用顔料とは?

直筆パネルを持つ山路さん「テレビを、そして世の中を明るくする!」

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