廃棄物管理

主な取り組みの目標と実績

外部埋立処分量の削減(ゼロエミッション)
工場排出量の削減

目標の範囲 日本
2022年度 目標
  • 外部埋立量 200トン( 直近の平均実績を維持)( 2000年度比5%レベルを維持)
  • 発生量 45,000トン( 直近の平均実績を維持)
2022年度 実績
  • 外部埋立量 173トン
  • 発生量 41,422トン
評価 ★★★
2023年度 目標
  • 外部埋立量 200トン( 2000年度比5%レベルを維持)
  • 発生量 45,000トン(直近の平均実績を維持)

再資源化等の推進

目標の範囲 日本
2022年度 目標 有効利用率:90%
2022年度 実績 有効利用率:91%
評価 ★★★
2023年度 目標 有効利用率:80%
  • 有効利用率=(リサイクル量+熱回収処理量)/発生量
  • 「評価」は、進捗度に関する自己評価によるものです。
    [ 評価マークについて ] ★★★…非常に良好 ★★…順調 ★…要努力

方針および推進体制

基本的な考え方

DICグループは、サーキュラーエコノミーを推進するために、資源の有効利用とともに、廃棄物処理における環境負荷の低減に努めます。

サーキュラーエコノミー推進のためには、以前にも増して生産工程における廃棄物の3Rが重要と考えます。具体的には、製造ロスの最小化により産業廃棄物の発生抑制に努めています。そして産業廃棄物の発生から、工場排出、中間処理、最終埋立に至るプロセスを把握し、埋立処分量の削減や、再資源化(マテリアルおよびケミカルリサイクル)と焼却時の熱回収処理を推進することで、有効利用率を向上しています。同時に、法令遵守を徹底するため、電子マニフェストの管理システムを導入、トレーサビリティを確保しています。また、廃棄物処理事業者の現地確認も実施しています。

  • 3R:Reuse, Reduce, Recycleのこと
DICグループのサーキュラーエコノミー考え方

2022年度の主な活動と実績

01国内DICグループの取り組み

国内DICグループでは、「産業廃棄物の外部最終埋立処分量を2000年度比で95%削減」の目標を設定し(DICゼロエミッション活動)、2010年度に達成しました。現在は、この2000年度比5%(95%削減)である200トンを維持していく目標としています。また、昨今のサーキュラーエコノミーへの要請が強まる中、外部埋立処分量に加え、発生量の維持抑制にも取り組んでおり、直近の実績値を基に発生量の目標を45,000トンと設定しています。
2022年度は、国内DICグループの発生量は41,422トン(前年度比97%)であり、目標を達成しました。これは各工場における廃棄物の発生抑制の取り組みの強化によるものです。また、埋立量は173トン(前年度比87%)であり、目標を達成しました。これは発生量の削減に伴い、埋立量も抑制できたと考えています。今後も引き続き、「DICゼロエミッション活動」の強化を継続していきます。
なお、PCB 機器や廃棄物については適切な処理を継続しており、2023年上期に、廃棄処理をほぼ完了しています。

産業廃棄物 外部埋立処分量の推移

産業廃棄物 外部埋立処分量の推移

国内廃棄物発生量の品目別内訳の表

国内廃棄物発生量の品目別内訳の表

02プラスチック廃棄物に関する取り組み

2022年4月より、国内においてプラスチック資源循環促進法が施行され、製品の設計から廃棄処理に至るまで、ライフサイクル全体でプラスチックの資源循環への取り組みが必要になっています。この中で、排出事業者は、法に該当するプラスチック廃棄物の発生抑制や再資源化に取り組むことになっています。国内DICグループでは、DICおよびDICグラフィックスがプラスチック廃棄物の発生量が年間250トン以上であることから多量排出事業者に該当すると推測しています。現在、2022年度のデータを集計中であり、2023年度からDICレポートにて開示予定です。DICグループは、今後もプラスチック廃棄物の発生抑制・再資源化に取り組んでいきます。

VOICE

GENESYS ECOにより業務の省力化と法令遵守を両立

堺工場 安全環境グループ マネジャー 石井 栄二

廃棄物の処理および清掃に関する法律の一部改正により、特別管理産業廃棄物を50t/年排出する事業所にあっては、2020年4月までに、電子マニフェストの導入が義務づけられました。DICはいち早く取り組んだことにより期限内に導入することで法令遵守できました。また、このシステムは2017年度より本格導入、昨年より関係会社への展開を実施し、マニフェスト(産業廃棄物管理票)交付管理のシステム化により法令違反リスクが低減できました。さらにマニフェスト発行の簡素化、行政への年次報告を自動化することにより、業務の省力化とコンプライアンスの確保も両立できました。一方、システム導入時期によって、事業所間の担当者レベルにバラツキがあります。今後は、さらなる業務平準化と事業所間の担当者レベル格差の解消に向けた取り組みを進めていく予定です。

堺工場 安全環境グループ マネジャー 石井 栄二

03総合産業廃棄物管理システムの展開

電子マニフェストは、産業廃棄物の排出・運搬・中間処理・最終処分の流れを記録したマニフェスト情報を、電子データによりネットワーク上でやり取りするシステムです。国内DICグループでは、電子マニフェストに対応するため、2016年度から総合産業廃棄物管理システム(Genesys Eco)を導入。2019年度に国内すべての製造拠点への導入が完了し、業務の省力化と法令遵守に寄与しています。

総合産業廃棄物管理システム

TOPICS

DICグラフィックスタイのアマタ工場が「2021年度アマタ廃棄物処理賞(ゴールドレベル)」を受賞

2022年1月31日、DICグラフィックスタイのアマタ工場は、タイ最大の工業団地開発・運営会社であるAMATA FACILITY SERVICES(以下アマタ)より、「2021年度アマタ廃棄物処理賞(コールドレベル)」を受賞しました。
この賞は、3R原則(リデュース・リユース・リサイクル)と埋立廃棄物の削減、その他廃棄物を効果的に管理している企業を表彰しており、アマタ工業団地として産業廃棄物への意識を高め、効果的な管理を奨励することを目的としています。
DICグラフィックスタイのCOO(チーフオペレーションオフィサー)Chaiyasitさんは、「アマタ工場は、2019年よりこのプログラムに参加し、ゴールドレベルを獲得しています。2020年はCOVID-19の対応で参加できませんでしたが、2022年度は、プラチナ賞の受賞を目指し、埋立廃棄物ゼロの管理を強化していきます」と話されました。
同賞は、シルバー、ゴールド、プラチナの3つのレベルで認定表彰が行われます。2021年度は、78の工場がこのプログラムに参加しました。

左からKanitta Mahasamutさん(ESH Supervisor)、Siwapol Yangthongさん(Factory Manager)

左からKanitta Mahasamutさん(ESH Supervisor)、Siwapol Yangthongさん(Factory Manager)


04海外DICグループの取り組み

海外DICグループの生産拠点では、各国・地域の法規制に則した産業廃棄物の適正な処理を行うことに加え、自主的な再資源化(再使用・再利用)による産業廃棄物の発生抑制にも取り組んでいます。欧米・中国・AP地区の各生産拠点では、新型処理設備の導入や国・地域を超えて工程改善などの好事例の水平展開を図っています。
2022年度からC&Eのデータを欧米地区として集計に加えたため、海外DICグループの発生量および埋立量は、前年比で大幅に増加しました。2022年度の発生量は76,851トン(前年度比120%)であり、埋立量も17,041トン(前年度比116%)となりました。今後も地域統括会社は各国の法令を遵守し、産業廃棄物の発生抑制および最終埋立処分量の削減に注力します。

05DICグループにおける廃棄物の発生・処理フロー

産業廃棄物の定義(有害・非有害、危険物・非危険物など)や処分方法は、国・地域によって異なります。DICグループでは、事業所が立地する国・地域の法律に基づき、危険性の度合いに応じて適切に管理・処理しています。さらにDICグループは、産業廃棄物の発生から、工場排出、中間処理、最終埋立に至るプロセスを把握・管理しています。
以下に示したフロー図は国内DICグループおよび海外DICグループにおける、2022年度の産業廃棄物の発生から処理の状況です。廃棄物の処理プロセスを細かく分類し把握しています。

グローバルDICグループにおける廃棄物の発生・処理フロー