バイオマスマークとは?認定要件やメリット、パッケージへの活用を解説
バイオマス 環境規制・評価
近年では、バイオマスマークが表示された商品を目にする機会が増えてきています。バイオマスマークとは、植物・動物由来の資源(バイオマス)を一定割合以上使用した商品に付与される環境認証で、一般社団法人日本有機資源協会(JORA)が管理する制度です。
この記事では、認定要件やISCC PLUSとの違い、導入のメリット、パッケージへの活用について解説します。
バイオマスマークとは、植物・動物由来の資源を一定割合以上使用した商品に付与される環境認証のこと
バイオマスマークとは、植物・動物由来の資源(バイオマス)を活用し、品質・安全性に関連する法規・基準・規格に適合していると認定された環境商品に表示されるマークです。一般社団法人日本有機資源協会(JORA)が管理している認証で、バイオマスの使用比率だけでなく、商品としての品質や安全性が既存の法規・基準・規格を満たしているかどうかも審査されます。
対象は、食品パッケージ・レジ袋・文具・衣料・日用品・建材など多岐にわたります。中でも物流・包装関連製品の認定件数が多く、次いで多いのは化学製品・化学薬品分野(シート・樹脂など)、インキ・塗料分野の認定です。
バイオマスマークは「環境ラベル」の一種として位置づけられており、消費者が環境などに配慮した消費行動であるエシカル消費を実践する際の目安となるとともに、企業にとっては自社の環境対応を示す根拠となっています。
バイオマスマークを表示するメリット
パッケージや製品にバイオマスマークを表示すると、自社の環境配慮の取り組みを具体的かつ客観的に伝えられるようになります。主なメリットは次の3点です。
環境への配慮をわかりやすく伝えられる
バイオマスマークは、製品に植物由来などのバイオマス原料が使われていることを一目で伝えるデザインになっています。専門知識がない一般の消費者に対しても、「環境に配慮された製品である」というメッセージをシンプルかつストレートに届けることができ、ブランドイメージの向上につながります。
消費者・取引先からの信頼性が向上する
自社独自の環境アピールとは異なり、第三者審査機関による認定マークを表示することで、主張に対する客観的な裏付けが得られます。大手小売やメーカーがサプライヤー評価に環境対応の進捗を組み込む動きが増える中、客観的な根拠を示せることで取引先からの信頼を確保し、取引条件の維持や新たな評価の獲得に役立つといえるでしょう。また、ESG報告書やサステナビリティレポート、IR資料などへの記載時にも説明責任を果たしやすくなることも大きなメリットです。
環境への取り組みを客観的に示せる
バイオマス原料を使用した製品の採用・表示は、化石資源由来原料の使用低減に向けた具体的なアプローチとなります。認定という裏付けをもって自社の持続可能な資源循環への姿勢を提示できるため、ESG報告書やサステナビリティレポート、IR資料などにおいても、客観的な実績として有効に活用できます。
カーボンニュートラルについて詳しくは、こちらのページをご覧ください。
カーボンニュートラルとは?意味やパッケージへの取り入れ方を解説
バイオマスマークの認定要件とバイオマス度の測定方法
バイオマスマーク取得の主要要件は「バイオマス度」です。ここでは、バイオマス度の定義と測定方法について解説します。
バイオマス度とはバイオマス成分の乾燥重量比率を示す指標のこと
バイオマス度とは、商品に含まれるバイオマス成分の乾燥重量比率を示す指標で、数字が大きいほど商品中に含まれるバイオマス原料の割合が高いことを示します。バイオマスマーク認定の最低条件はバイオマス度10%以上であり、10・15・20…と5%刻みで最大100まで設定されています。
バイオマス度の数字を確認するだけで、その商品がどの程度バイオマス原料に置き換わっているかを把握できるため、客観的に理解しやすい指標といえるでしょう。
バイオマス度の測定方法(C14測定)
バイオマス度は、製品中の炭素同位体(C14)の量を加速器質量分析装置(AMS)で測定する方法などにより確認されます。C14測定は、製品に含まれるバイオマス由来成分を客観的に評価する方法の一つとして活用されています。
この方法では、バイオマス由来成分と化石由来成分が混合されている製品でも、C14の量をもとにバイオマス由来成分の割合を客観的に確認できる点が特徴です。
バイオマスマークに向いている使用方法
バイオマスマークは「この製品に実際にバイオマスが何%入っている」という製品単体の含有率認証で、C14測定によって実際の含有率を分析したうえで認定されるため、国内消費者向けのパッケージ表示に向いています。
バイオマスマークと混同されやすい認証であるISCC PLUSは、サプライチェーン全体での持続可能な原料管理を証明するもので、持続可能な原料のトレーサビリティを示す国際認証として、グローバルサプライチェーンや国際取引でも広く活用されています。
ISCC PLUSのマスバランス方式との違い
ISCC PLUSは、バイオマス原料を「マスバランス方式」で管理する点がバイオマスマークとの大きな違いです。マスバランス方式とは、バイオマス原料と化石原料を同じ製造ラインで混合して製造しながら、投入したバイオマス原料の量に応じた環境価値を、会計上特定の製品に割り当てる管理手法です。
原料を工程内で物理的に分離する必要がないため、既存の製造設備を大きく変更せずに認証取得を進められる点がメリットといえます。
バイオマスマークがC14測定によって製品そのものに含まれるバイオマスを実測し、含有率を証明する仕組みであるのに対し、ISCC PLUSのマスバランス方式は、原料の投入量に基づいて環境価値を配分する仕組みです。「実際に何%入っているか」を測るバイオマスマークと、「どれだけの環境価値を割り当てられるか」を管理するISCC PLUSでは、証明のアプローチそのものが異なる点を理解しておくと、両者の使い分けがしやすくなるでしょう。
バイオマスマークとISCC PLUSは組み合わせて活用することも可能
バイオマスマークとISCC PLUSはどちらか一方しか活用できないものではなく、国内ではバイオマスマークを活用し、グローバルサプライチェーンではISCC PLUSを活用するなど、目的に応じて使い分けられるケースがあります。
バイオマスマークが「製品そのものの含有率」を証明するのに対し、ISCC PLUSは「原料調達から製造までのプロセス」を証明するものであり、証明する対象の違いを理解しておくと、自社に適した認証を選びやすくなります。両者の違いは、以下の表のとおりです。
| 項目 | バイオマスマーク | ISCC PLUS |
|---|---|---|
| 運営機関 | 一般社団法人日本有機資源協会(JORA) | ISCC(国際持続性カーボン認証) |
| 認定要件 | バイオマス度10%以上(乾燥重量比) | バイオマス・リサイクル原料のサプライチェーン追跡管理 |
| 方式 | 製品中の実際のバイオマス含有率を認定 | マスバランス方式(混合原料でも環境価値を割当) |
| 主な活用場面 | 日本国内の消費者向け環境訴求・パッケージ表示 | グローバルサプライチェーンにおける持続可能な原料管理・トレーサビリティ |
| 認定対象 | 完成品・半製品・原材料 | 原材料〜製品のサプライチェーン各段階 |
バイオマス認定インキ・接着剤の選定はDICにご相談ください
バイオマスマークを取得することで、根拠ある環境訴求ができ、ブランドイメージ向上や取引条件の維持につながるといったメリットがあります。国内向けにはバイオマスマーク、欧州向けにはISCC PLUSといった活用も可能です。
フィルム・インキ・接着剤をまとめてバイオマス対応にすることで、パッケージ全体の一貫した環境訴求が可能になります。バイオマス認定素材への切り替えや、バイオマスマーク取得に向けた素材選定を検討しているご担当者さまは、ぜひDICにご相談ください。
パッケージのバイオマス化を実現 バイオマスインキシリーズ・接着剤シリーズ
バイオマス対応は設備投資なしで実現できます オフセット印刷用バイオマスインキ
使いやすさと環境対応を両立した高意匠フィルム A7440Bio
よくある質問
バイオマスマークとは何ですか?
バイオマスマークとは、植物・動物由来の資源(バイオマス)を一定割合以上使用した商品に付与される環境認証です。一般社団法人日本有機資源協会(JORA)が審査・認定・管理を行っており、バイオマス度10%以上が認定要件となっています。
バイオマスマークとISCC PLUSはどちらを取得すればよいですか?
バイオマスマークは製品単体のバイオマス含有率を示す認証で、国内消費者向けのパッケージ表示に向いています。一方、ISCC PLUSは欧州規制対応や国際取引に向いており、両者はどちらか一方しか認証できないものではないため、用途に応じて組み合わせて取得することも可能です。
インキや接着剤にもバイオマスマーク認定品はありますか?
インキや接着剤にもバイオマスマーク認定品はあります。バイオマス原料を配合したインキや接着剤の中には、バイオマスマークやISCC PLUSなどの認証を取得している製品があります。フィルムだけでなく加工材料までそろえることで、パッケージ全体で一貫した環境訴求につながるでしょう。
