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冷凍食品のパッケージとは?求められる機能や素材、選び方を解説

食品包装 フィルム・軟包装
冷凍食品のパッケージに求められる機能や素材、選び方を解説するイメージ

冷凍食品のパッケージには、低温環境下での保存性はもちろん、流通や陳列時の衝撃、解凍後の使いやすさなど、常温食品にはない特有の機能が求められます。冷凍によって食品や包装にはさまざまな負荷がかかるため、冷凍食品のパッケージ選びは、商品の品質や売れ行きを左右する重要な要素といえるでしょう。

この記事では、冷凍食品のパッケージ選びが重要な理由や特有の課題、求められる機能、素材の種類、選ぶときのポイントについて解説します。

冷凍食品のパッケージとは低温環境や流通時の衝撃に耐えうる包装材のこと

冷凍食品のパッケージとは、マイナス18℃前後の冷凍環境での長期保存に耐えながら、製造から流通、店頭陳列、家庭での保管に至るまでの温度変化や物理的な衝撃から食品を守る包装材のことです。

冷凍食品のパッケージには、常温・冷蔵食品向けの包装材とは異なり、低温下での耐衝撃性や密閉性など、冷凍特有の機能が不可欠となっているのはいうまでもありません。

冷凍食品のパッケージ選びが重要な理由

冷凍食品市場は近年拡大を続けており、それに伴いパッケージに求められる役割も変化しています。ここでは、冷凍食品のパッケージ選びが重要とされる理由を紹介します。

冷凍食品市場の拡大

冷凍食品のパッケージ選びが重要な理由のひとつは、市場の拡大です。一般社団法人日本冷凍食品協会が公表している「統計資料データグラフ」によると、2025年の冷凍食品の国内消費量は前年比103.6%の302万9,325tとなり、調査開始以来の最高値を記録しました。

市場全体が拡大する中で、冷凍食品のパッケージに求められる品質保持機能や訴求力の重要性も高まっています。

市場参入者の増加による競争激化

冷凍食品市場の拡大に伴い、食品メーカーだけでなく飲食店や小売業など、さまざまな業態からの市場参入が進んでいることも、冷凍食品のパッケージ選びが重要な理由です。

競合商品が増える中で、冷凍食品のパッケージのデザイン性や機能性は、店頭で商品を選んでもらうための重要な差別化の要素といえるでしょう。

ニーズの変化

冷凍食品のパッケージ選びが重要な理由には、ニーズの変化も挙げられます。共働き世帯や単身世帯の増加のほか、人手不足を背景に、家庭用だけでなく業務用でも冷凍食品への需要が広がっているからです。

電子レンジでそのまま調理できる商品や、個包装で使う分だけ取り出せる商品など、利便性を重視した商品ニーズの高まりに応じたパッケージ設計が求められています。

冷凍食品のパッケージで考慮すべき特有の課題

冷凍食品は、マイナス18℃前後という低温環境での長期保存に加え、輸送や陳列時の衝撃のほか、解凍・加熱時の急激な温度変化など、常温食品にはない負荷にさらされるという特徴があります。

そのため、低温下でのプラスチックの硬化・破損や乾燥や冷凍焼けによる品質劣化のほか、結露による印字の滲みなど、冷凍特有のトラブルが起こりやすい点に注意が必要です。冷凍食品のパッケージには、こうした課題に対応できる専用の機能が求められます。詳しくは後述します。

冷凍食品のパッケージに求められる6つの機能

冷凍食品のパッケージには、低温での保存に加え、流通や消費の過程で発生するさまざまな負荷に対応する機能が必要です。ここでは、冷凍食品のパッケージに求められる6つの機能を紹介します。

冷凍食品で起こり得る課題と必要な包装機能

1. 低温柔軟性・耐衝撃性・耐突き刺し性

冷凍食品はマイナス18℃前後の冷凍庫内で長期間保存されるため、パッケージには低温下でも硬化・破損しない柔軟性が求められます。プラスチックは低温になると柔軟性や耐衝撃性が低下し、脆くなる場合があることから、保存温度に適した耐寒性を持つ素材選びが重要といえます。

工場から店舗への輸送や店頭での陳列、消費者が持ち帰るまでのあいだには、落下や積み重ね、骨付き肉など鋭利な部分がある食品による突き刺しなど、さまざまな衝撃を受けがちです。そのため、低温下でも破れたり割れたりしにくい耐衝撃性・耐突き刺し性を備えたパッケージが求められます。

2. 密封性・シール強度

冷凍食品のパッケージにおいて密封性は、外部からの異物や水分の混入を防ぎ、食品を衛生的な状態に保つために欠かせない機能です。密封性を高めれば、食品の酸化や乾燥のほか、冷凍焼けを防ぎ、品質や保存性を維持することができます。

また、冷凍保管中は温度変化によってシール部に負荷がかかりがちなので、低温下でも剥離しにくいシール強度もパッケージに重要な要素といえるでしょう。

3. バリア性(防湿性・酸素バリア性・遮光性)

冷凍食品のパッケージには、高いバリア性も求められます。冷凍保存中も、パッケージ内外の水分や酸素、蛍光灯等の光の影響で、乾燥・冷凍焼けや酸化、退色といった品質変化が徐々に進行するからです。

防湿性(水蒸気バリア性)・酸素バリア性・遮光性を備えたパッケージであれば、こういった品質変化を抑え、風味や見た目を長期間保つことができます。

4. 耐熱性・調理適性

冷凍食品の中でも電子レンジでそのまま調理・加熱できる商品については、加熱時にパッケージが溶けたり変形したりしない耐熱性が必要といえるでしょう。

このような商品はパッケージに冷凍から加熱までの大きな温度変化に耐えられる素材を選ぶ必要があるだけでなく、湯煎対応など商品の調理方法に応じた調理適性も求められます。

5. 表示・印刷品質の維持

冷凍食品のパッケージには商品名や特徴、調理方法などの情報を正確に印刷する必要があります。そのため、印刷適性も重要な機能のひとつです。

冷凍食品のパッケージには、低温環境や解凍時の水滴にさらされてもインキが剥がれたり滲んだりしない素材が求められるのはいうまでもありません。

6. 利便性・使いやすさ(易開封性・再封性・小分け・個包装など)

冷凍食品のパッケージには、共働き世帯や単身世帯の増加を背景に、開封性の高さや使う分だけ取り出せる小分け・個包装など、利便性を重視した設計へのニーズが高まっています。

再封性のある包装であれば、使いかけの食品を再度低温環境下で衛生的に保存することも可能になるため、冷凍食品のパッケージ選定時には使いやすさへの配慮が必要です。

冷凍食品のパッケージに使われる主な素材・材料

冷凍食品のパッケージには、求められる機能に応じてさまざまなプラスチック素材や紙素材が組み合わせて使用されています。ここでは、代表的な素材・材料を下記の3つに分類してご紹介します。

冷凍食品パッケージに使われる主な素材・材料の比較
素材 材料 主な特徴 主な用途・役割
基材・シーラントに使われる素材 PET(ポリエチレンテレフタレート) 耐熱性・耐寒性・耐薬品性、透明性、保香性に優れる ラミネートフィルムの基材層
PE(ポリエチレン) 柔軟性、ヒートシール性、耐衝撃性に優れる シーラント層(内側の密閉層)
PP(ポリプロピレン) 耐熱性、防湿性、透明性、印刷適性に優れる 電子レンジ対応容器、外層フィルム
NY(ナイロン) 耐突き刺し性、耐衝撃性、耐寒性に優れる 鋭利な食品向けの保護層
バリア性を付与するフィルム EVOH(エチレン-ビニルアルコール共重合体)フィルム 酸素バリア性に優れる 酸化防止用の共押出・ラミネート層
アルミ蒸着フィルム 高いガスバリア性・遮光性、安価・軽量(不透明) 中身の光・酸素からの保護
透明蒸着フィルム 高いバリア性と透明性を両立 中身が見える防湿・防酸化包装
紙 紙(トレー・カートン) 環境配慮、プラスチック使用量の削減 外装トレー・カートン(フィルムと併用)

基材・シーラントに使われる素材

冷凍食品のパッケージでは、基材やシーラントとしてPET、PE、PP、NYなどのプラスチックが使用されています。求められる機能に応じて、それぞれの特性を生かして使い分けたり、複数の素材を組み合わせたりします。例えば、PETは保香性にも優れているため、他の素材とラミネートし、香りを保ちたい冷凍食品の包装などに使用されます。PEは柔軟性やヒートシール性を生かし、ラミネートフィルムのシーラント層(内側の密封層)として使用されることがあります。また、PPは電子レンジ対応の容器やフィルムなどに使用され、NYは耐突き刺し性が求められる骨付き肉などの包装に用いられます。

バリア性を付与するフィルム

バリア性を付与する主なフィルムには、EVOHフィルムやアルミ蒸着フィルムのほか、透明蒸着フィルムがあります。酸素バリア性に優れた樹脂フィルムがEVOHフィルムで、他のフィルムと共押出・ラミネートして使用されることが多く、酸化による品質劣化を防ぎたい冷凍食品の包装に適しています。

一方でアルミ蒸着フィルムは、真空状態でアルミニウムを加熱・気化させ、フィルム表面に薄い金属膜を形成したものです。安価かつ軽量でありながら比較的高いガスバリア性、遮光性を持っています。

酸化ケイ素や酸化アルミニウムなどをフィルム表面に蒸着した透明蒸着フィルムは、透明性を保ちながら高いバリア性を実現可能です。中身が見えることや、電子レンジに対応できるといった利点があります。

紙

環境配慮の観点からは、紙を活用したパッケージも注目されています。紙製のトレーやカートンに、必要な部分だけ薄いフィルムを組み合わせることで、プラスチック使用量を抑えながら、電子レンジ対応や密閉性などの機能を両立させる工夫が進んでいるのです。

冷凍食品のパッケージを選ぶときのポイント

冷凍食品のパッケージを選ぶ際は、必要な機能を満たすことに加えて、いくつかの観点で総合的に検討することが重要です。ここでは、冷凍食品のパッケージを選ぶときのポイントについて解説します。

内容物の特性で選ぶ

冷凍食品のパッケージを選ぶときのポイントとして、内容物の特性で選ぶことが挙げられます。食品の種類や形状のほか、油分・水分の含有量、酸化しやすさなど、内容物の特性によって適したパッケージは異なるからです。

例えば、骨付き肉など鋭利な部分がある食品には耐突き刺し性、香りを保ちたい食品には保香性など、内容物に応じた機能を見極めることが重要といえるでしょう。

保存・流通条件で選ぶ

冷凍食品のパッケージを選ぶときのポイントとして、保存・流通条件もあります。選定においては、保存期間や保存温度のほか、輸送時の落下・積み重ねによる衝撃、冷凍・解凍による温度変化など、流通過程で想定される負荷に対応できることが重要です。

例えば、長期保存や長距離輸送が想定される場合は、より高い耐衝撃性・バリア性が必要になります。

調理方法・使用方法で選ぶ

調理方法・使用方法も、冷凍食品のパッケージを選ぶときのポイントです。自然解凍、電子レンジ、湯煎など、想定される調理方法によって必要な耐熱性や調理適性は異なるのがその理由です。

包装のまま加熱するかどうかや、ジッパー・個包装・再封性といった使用時の利便性も選定のポイントといえるでしょう。

生産性・コスト・環境対応・法規制で選ぶ

生産性・コスト・環境対応・法規制で冷凍食品パッケージを選ぶのも、1つの方法です。既存の包装設備への適性やシール条件だけでなく、コストなど、生産面での実現可能性を確認する必要があります。これは、リサイクル適性やモノマテリアル化、再生材対応など、環境負荷を抑えた設計へのニーズも高まっているためです。

また、食品に接触する包材については、食品衛生法をはじめとする関連法規制への適合も確認が必要となります。

冷凍食品のパッケージでお困りならDICへご相談ください

冷凍食品のパッケージには、低温環境下での耐衝撃性や密封性、バリア性、調理適性など、さまざまな機能が求められます。また、内容物の特性や保存・流通条件、調理方法、生産性・コスト、環境対応などを踏まえて、適切な包装設計を検討することが重要です。

DICでは、冷凍食品のパッケージ向けに、グラビアインキ「フィナートBM」や、耐寒性や開封性など用途に応じた機能を備えた「DIFAREN®」フィルム、包装用ラミネート接着剤「ディックドライ®」など、パッケージを構成するさまざまな製品を展開しています。冷凍食品の内容物や用途、求める機能に応じたパッケージをご検討の際は、ぜひDICにご相談ください。

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よくある質問

冷凍食品のパッケージに求められる機能は?

冷凍食品のパッケージには、主に6つの機能が求められます。具体的には、低温柔軟性・耐衝撃性・耐突き刺し性、密封性・シール強度、バリア性(防湿性・酸素バリア性・遮光性)、耐熱性・調理適性、表示・印刷品質の維持、利便性・使いやすさなどが挙げられます。

冷凍食品のパッケージに使われる素材は?

冷凍食品のパッケージには、求められる機能に応じて複数の素材を組み合わせた複合フィルムが使用されます。例えば、基材やシーラントとしてのPET・PE・PP・NYをはじめ、高バリア性を付与するEVOHフィルムやアルミ蒸着フィルムなどで構成されています。

冷凍食品のパッケージを選ぶ際のポイントは?

冷凍食品のパッケージを選ぶ際は、内容物の特性、保存・流通条件、調理方法・使用方法、生産性・コスト・環境対応・法規制の4つの観点から総合的に検討することが重要です。

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