埼玉工場における火災事故について

2019年8月に発生した埼玉工場における危険物立体倉庫火災事故について、現在までの状況を本ページを通じてお知らせいたします。
この度は、弊社埼玉工場における倉庫火災により、近隣にお住まいの皆様をはじめ関係者の皆様には大変ご迷惑、ご心配をお掛けし、深くお詫び申し上げます。

跡地の状況とコンクリート基礎撤去工事について

  • 2021年4月16日更新

当初は、2020年3月に火災跡地のコンクリート基礎撤去工事等を計画していましたが、工事面積が法令で定められた大きさを超えたことから、法令に定められた土壌汚染に関する調査を実施致しました。その結果、弊社内の火災跡地の土壌において、微量ではありますが基準値を超過する「ふっ素及びその化合物」、「鉛及びその化合物」が検出されました。
 この度、埼玉県による審査ならびに手続きを終了し、許可を頂きましたので、土壌処理工事に着手し早期に清浄化を図りたいと考えております。
 なお、工事は、法令及び埼玉県中央環境管理事務所の指導に基づき、適切に進めてまいりますのでご安心ください。

【土壌調査結果の概要】

1)法令の定めに従い、過去に使用実績のある特定の物質について土壌を調査した結果、64地点中3地点で、土壌溶出量基準値を超過する「ふっ素及びその化合物」(2地点、基準値:0.8mg/L、検出濃度:1.1mg/L)及び「鉛及びその化合物」(1地点、基準値:0.01mg/L、検出濃度:0.034mg/L)が検出されました。

※土壌溶出量基準値とは「対象の物質が地下水に溶出したとして、その地下水を一生涯(70年間)1日2L飲用し続けても健康に有害な影響が現れないと判断される基準数量」を言う

2)地下水を調査した結果、基準値を超えるふっ素及び鉛は検出されませんでした。

【工事の概要】

1)工事場所 :弊敷地内 倉庫火災跡地及び周辺 (別紙配置図参照) 
2)工事内容 :コンクリート基礎撤去、汚染土壌撤去及び客土搬入、
3)期 間 :2021年5月11日(火)~7月23日(金)
8時30分~17時00分

(参照:工事配置図 [156KB]工程表 [84KB])

  • 2020年10月27日更新
跡地写真

焼失した倉庫跡地については、2019年11月までに瓦礫や鉄骨を取り除く工事を終了し、コンクリート基礎部分を残した状態で保持しております。現在、監督官庁との調整を進めており、2020年7月末に埼玉県環境部へ土壌調査結果を報告いたしました。
コンクリート基礎部分の撤去工事については、埼玉県からの指導を受けて計画を再開する予定です。

遊水池の再構築について

  • 2020年10月27日更新

コンクリート基礎撤去工事に合わせて、遊水池の再構築も進めてまいります。具体的には、調整池としての機能だけでなく、野生動植物が生息できるようなビオトープとして環境整備を進めてまいります。

環境測定について

  • 2021年4月16日更新

倉庫跡地のコンクリート基礎部分の撤去工事ならびに汚染土壌撤去等に合わせ、一旦中断しておりました⼯場東側周辺の⼤気測定を再開し、モニタリングを行ってまいります。

  • 2020年10月27日更新

測定の中断に関して

工場東側周辺の大気測定に関しましては、VOC(揮発性有機化合物)を含む臭気発生源となる瓦礫を撤去したことにより測定結果も安定し、周辺住民の皆様からの臭気に関するご指摘も落ち着いたことから、2019年12月中旬にて一旦中断いたしました。
当初の計画では、2020年3月のコンクリート基礎撤去工事に合わせて、大気測定を再開する予定でした。しかしながら、倉庫跡地を含む周辺の再構築面積が土壌汚染対策法に規定される大きさを超えたことから土壌調査が必要となり、工事に着手できておりませんので、大気測定も再開しておりません。ご理解のほどお願いいたします。
なお、工事再開後は、掘削や破砕等による臭気の発生が懸念されるため、大気測定を実施したいと考えております。

  • 2020年10月27日更新

環境測定中断後のモニタリングについて

埼玉工場では、2005年から工場周辺にお住いの6世帯にご協力いただき、工場からの臭気等に関する気づきの報告をいただき、改善につなげられるよう環境モニター制度を導入しております。上述の工場東側周辺の大気測定に関わる測定ではありませんが、定期的な臭いに関するモニタリングは継続しており、火災前と同程度であることを確認しております。
一方、悪臭防止法に基づく敷地境界における臭気測定は、過去10年以上外部機関に委託し、現在も継続しております。こちらにつきましても火災前と同程度に落ち着いていることを確認しております。

周辺住民の皆様へのご説明について

例年志久区自治会様向けに実施している環境説明会を通じて、遊水池周辺の再構築等を含む近況をご報告させていただく予定としておりましたが、本年は新型コロナウイルス感染拡大予防対策のため、2020年7月に資料の配布のみとさせていただきました。(DIC埼玉工場の概要と環境対応 [1,039KB]DIC埼玉工場サイトレポート [842KB]

火災原因について

  • 2020年10月27日更新

伊奈町消防本部の見解について

「今回の火災原因については、疑わしい原因を『放火による火災の疑い』と、『電気による火災の疑い』、および『危険物による火災の疑い』の3つの原因に絞り、長期にわたり調査を進めてまいりましたが、目撃証言が無いこと、事情聴取による状況証拠や、発掘調査で収去し鑑識した物品からの物的証拠やデーターに乏しく、結果的には出火原因の特定に至らなかった」とのご見解をいただいております。

  • 2020年10月27日更新

内部調査について

弊社内において、独自に危険物解析チームを編成し、貯蔵していた化学品の安全性に関し、密封示差走査熱量測定試験や、暴走反応測定試験、蓄熱貯蔵試験等、各種実験を進めてまいりました。また、外部機関との情報交換を進めてまいりましたが、火災の原因につながるような異常な挙動を示す結果は得られず、火災原因の特定には至りませんでした。

  • 2020年10月27日更新

自動火災報知機について

自動火災報知機メーカーと調査関係機関による複数回の調査・実験において、いくつかの可能性は示唆されたものの、鳴動しなかった原因の特定には至りませんでした。

再発防止に向けた取り組み

  • 2020年10月27日更新

火災原因の特定には至っていないことから、再発防止に向け次の点の強化を進めております。
 

  • 夜間・休日における危険物倉庫消火設備の強化:ハロン消火設備の自動運転の運用見直し

  • 小規模危険物倉庫における設備強化:法適用外施設への自動火災報知機の設置

  • 監視設備の増強:危険物倉庫の監視カメラ設置、サーモカメラ導入

  • 化学物質管理の仕組み強化:化学物質管理の運用見直しによる厳格化

  • 危険物施設に関する保安管理の強化:巡視ルートおよび巡視時間の見直し

  • 巡視、パトロール体制の強化:巡視ルートおよび巡視時間の見直し

  • 伊奈町等関係機関との連携強化:通報体制の見直しと明確化

  • 危険物倉庫の入出庫運用強化:入出庫管理システムの見直しと見える化

  • 電気設備点検の強化:サーモカメラによる自主点検項目の追加

 
DIC株式会社埼玉工場は、2019年の火災を教訓に、今後も防災に対する対応や対策に力をいれ、地域住民の皆様が安心して暮らせるよう努力してまいります。

お問い合わせについて

被害等のご連絡につきましては、以下の「ご連絡窓口」にて承りますので、よろしくお願い致します。

DIC株式会社 埼玉工場火災 ご連絡窓口

フリーダイヤル:0120-163-050
担当:埼玉工場総務グループ
受付時間:平日10:00~17:00

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関連リンク

埼玉県伊奈町公式ホームページ