社員インタビュー
入社理由は?

大学院では電気を使った有機合成や乳化の研究をしていました。就職にあたっては、食品メーカーや化粧品メーカーなどにも関心がありましたが、大学院時代の研究とつながりが深い化学メーカーに一番興味を持ちました。その中でDICに惹かれたのは、無機質なイメージが多い化学メーカーの中で、「色」や「彩り」という領域に関わっていることでした。社会に対して他の化学メーカーにはない価値を提供できるのではないかと思いました。選考過程の中で、女性が長く働き続ける環境が整備されていることや、社員の方の話しやすい雰囲気にも惹かれ、入社を決めました。

現在の仕事は?

ガラス繊維集束剤用PUD(ポリウレタンディスパージョン )の開発を担当しています。ガラス繊維集束剤は、ガラス繊維の糸を束ねるもので、自動車や電機部品などに使われるエンジニアリングプラスチックやさまざまな建築資材の強化材として使われています。近年、EU市場を中心に化学物質の規制が強化されており、当社のさらなるグローバル展開を図るためには、規制に対応したPUDの開発が求められています。私のミッションは、使用可能原料や製法に制約がある中で、既存製品の強みを活かしつつ、新たな機能を付与した製品を開発すると同時に、環境負荷に配慮した製法を確立することです。

社員インタビュー

APRIL4

入社・研修スタート
新入社員研修・配属・OJT研修

  • ・オンラインでの入社式/新入社員研修後、大阪・堺工場にある機能性材料技術3グループに配属される。
  • ・OJT研修がスタート。PUDに関する基本知識から、実験の一連の流れ、安全に作業するための注意事項などのレクチャーを受ける。
  • ・5月に入り、開発テーマを与えられ、先輩の指導の下、実験を開始する。
  • ・自分が担当する製品群以外の製品や保有技術について、各担当者からの説明を受け、部署全体の知見や技術を学ぶ。

入社式はオンラインだったため同期とは対面で会えず残念でしたが、同じ堺工場に配属された同期とは毎日交流があり、心強かったです。先輩の方しかいない環境に最初は緊張しましたが、皆さん気をかけてくださり、すぐに慣れることができました。新しい知識に触れるワクワク感と知らないことばかりの不安の気持ちとの半々でした。先輩指導員に「何故、そうなるのか」という点まで詳しく説明してもらい、その時つけたノートやメモは今でも見返しています。
5月に入ると、担当する製品の研究開発テーマ「環境に優しい製法の確立」を与えられ、いよいよ業務がスタート。大学時代の研究環境とは異なり、装置や器具の大きさ、重さに戸惑いました。最初は一つ一つの作業に時間がかかってしまい、手際よく作業を進めていく先輩たちを見ながら、早く先輩たちのようになろうと身を引き締めました。同じ頃、部署内の方に飲み会を開いていただき、一気に親交が深まりました。

JUNE6

初めてPUD合成に成功
研究開発業務

  • ・既存製品の製造と同じ装置を使って、より難しい条件でのPUD合成に挑む。材料や条件を変えながらの実験が続く。
  • ・先輩たちに助けられながら、初めてPUDの合成に成功する。
  • ・7月に入ると、検討の幅を広げるために、新しい装置を使ったPUD合成に挑戦する。最初は装置の使い方に慣れず、苦労を重ねながらの実験が続く。
  • ・反応の仕込みから物性評価まで、一連の実験操作を一人で任されるようになる。
  • ・部署全体で行う報告会に参加し、進捗状況を発表。さまざまな角度から研究開発するための多くのアドバイスをもらう。

先輩たちに助けられながらでしたが、初めてPUD合成に成功した時は嬉しかったですね。一方で、「望む結果を得るためには次に何をすべきか」を考えるには、もっと背景知識を勉強し、経験を積まなければならないと痛感しました。新しい装置のことや技術を覚えることは大変でしたが、少しずつ知識が増えていくことの楽しさもありました。一連の実験を一人で任されることで、自分の成長を実感。モチベーションのアップにつながりました。
報告会での初めての進捗発表は、緊張の連続でした。先輩たちの知識の深さに改めて感銘を受けると共に、多くのアドバイスをもらうことで報告会の意義を実感しました。もちろんまずは自分で考えることが大切ですが、困った時や行き詰まった時は、先輩方に積極的に相談しようと思うようになりました。

AUGUST8

最大規模のPUD合成に挑戦
研究テーマ

  • ・部署内の他チームの装置を使い、これまでで最大規模のPUD合成に挑戦する。多くの人の協力もあり、良好な実験結果を得る。一連の操作を実際に経験することで、当該装置を対象とした研究テーマへの理解を深める。
  • ・合成したPUDの応用評価を検討。ガラス繊維集束剤は、お客様と同様の性能評価を部署内で行うことが難しいため、有効な評価手法の確立に向けての検討に取り組む。

より大規模な実験を行うことで、自分に与えられた研究開発テーマへの理解が深まっていきました。と同時に、ガラス繊維集束剤の難しさと奥深さを痛感。とりわけ性能評価が難しく、過去の検討結果を念頭に置きながら、自分なりの意見も交えながら、評価手法の確立に向けて取り組みました。早く一人前の技術者になるためには、直接見たり、触ったりできる機会があれば率先して参加していこうと思いました。

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SEPTEMBER9

営業グループとの会議に参加
技術・営業の合同会議

  • ・技術/営業グループの合同会議に参加する。PUDがさまざまな用途に使われていることを再確認するとともに、営業担当者の立場から、グローバルな市場では、今、 何が求められているのか、何がトレンドなのかなどを知る。DICにおける技術と営業の連携の重要性を再確認する。

大学と企業の研究目的の違いを改めて認識しました。良いものができたから終わりではなく、それをお客様に選んでいただく必要があり、そのためには各部門の社員が協力し合わなければならないと強く感じました。営業グループの話を聞くことで、自分の研究開発テーマの目的がより明確になりました。

OCTOBER10

同期との再会
新入社員振り返り研修

  • ・新入社員全員が本社に集合し、4名ずつの班に分かれ研修を受ける。
    各同期がどんな部署で、どんな仕事をしているのか、確認し合う。
  • ・この時期、2回目の報告会で進捗状況を発表する。資料の作り方や発表時の言葉の選び方など、プレゼンテーションに改善すべき点が多いことを確認。

同期と対面で会うことができ、配属先や業務などについて語り合い、話が尽きませんでした。1日の短い時間でしたが、多くの同期と直接話せたことが嬉しかったです。改めて同期の存在を心強く思い、このつながりを大切にしていきたいと思いました。
2回目の進捗状況の発表では、まだまだ改善すべき点はありましたが、少なくとも1回目よりは自信を持って受け答えができ、自分なりの成長を感じました。先輩たちから受けるアドバイスも、1回目よりその意図を理解できたと思います。

社員インタビュー

NOVEMBER11

研究成果を挙げる
新入社員研究成果発表会へ

  • ・報告会での先輩たちのアドバイスを踏まえ、さらなる実験と分析を行う。
  • ・PUDの物性を左右する因子の一つを特定し、初めて自分なりの研究成果を挙げる。因子の一つを特定することで、新たな機能や規制に対応したPUDの開発につながる可能性を確認する。
  • ・1年間の研究成果を報告する新入社員発表会のための準備を行う。

ガラス繊維集束剤用PUDは、ガラス繊維の糸を束ねるためのもので、高い集束性を求められます。また他の材料と混ぜるために、高い安定性が必要になります。一方で使用する化学物質の規制への対応や環境負荷に配慮した製法も求められています。私に与えられた研究開発テーマは、「環境に優しい作り方はできないか」というものでしたが、PUDの物性を左右する因子の一つを特定することで、その目的に一歩近づくことができたと思います。

2年目に向けて

DICのガラス繊維集束剤用PUDは、世界シェアの約3割を占めています。今後、さらなる海外展開が期待されている主力製品の一つです。そんな重要な製品の研究開発を若いうちから任されていることに、とても大きなやりがいと責任を感じています。とりわけ私の研究開発テーマは、環境に対する規制が高まる中で、世界市場にも大きな影響を与える領域です。まだまだ先輩たちのような貢献をすることはできませんが、一日でも早く一人前の技術者になり、会社にもさらには社会に対しても大きな貢献につながる仕事ができたらと思っています。

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