BUSINESS 色とりどりの事業
印刷インキから新時代の先端素材まで。
経験と強みを活かしながら、
サステナブルな社会と快適な暮らしを実現する。
印刷インキの製造と販売で創業したDICは、海外からインキの原料を取り寄せ、練ってインキにして販売するところから事業をスタートしています。その基礎素材である有機顔料と合成樹脂をベースとして事業範囲を拡大し、素材から加工品、ソリューションに至る広範な事業・製品を展開。現在、パッケージング&グラフィック、カラー&ディスプレイ、ファンクショナルプロダクツの3つの事業部門を通じて、社会とお客様のニーズに対応した製品とサービスを提供しています。また、社会課題と社会変革を起点とした新たな事業の創出にも取り組んでいます。
パッケージング&グラフィック
事業売上
5,235億円
50.4%
全体売上のうち
印刷インキだけでなく、接着剤や包装材料など、
アジアなどの成長地域で
市場を拡大するパッケージ
パッケージング&グラフィックは、印刷用のインキや塗料といった『プリンティングマテリアル』、包材用接着剤や多層フィルムなど『パッケージングマテリアル』を扱う部門です。プリンティングマテリアルはDICの原点であり、売上の多くを占めるコア事業です。新聞や雑誌をはじめとする紙媒体から食品パッケージ、壁紙など住宅資材、家電に至るまで、あらゆる商品を彩っています。
そして現在、それぞれの製品・技術がグローバル市場での確固たる地位を築き、DICグループは印刷インキで世界トップシェア。パッケージングマテリアルは食品やトイレタリー商品のパッケージに使用される素材。たとえば「アルミ箔に近いバリア性能を持つ製品を開発し、商品の賞味期限を伸ばすことで食品の廃棄ロス削減に貢献する」など、機能性の向上により社会問題の解決、及びビジネスの拡大を目指しています。
また食品容器などに使用されるポリスチレンは、コロナ禍やライフスタイルの変化による中食市場の拡大により売上が伸びています。
プリンティングマテリアル
パッケージマテリアル
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カラー&ディスプレイ
事業売上
2,192億円
21.1%
全体売上のうち
カラーフィルタ用顔料などの
ディスプレイ関連素材、化粧品用顔料や
天然系着色料など、安全で人にやさしい素材
有機顔料や無機顔料、光輝材、ヘルスケア食品、天然系色素といった『カラーマテリアル』を扱う部門です。
ディスプレイのカラーフィルタ用有機顔料では、グリーン顔料、ブルー顔料が業界標準として定着し、市場を牽引しています。2021年にはBASF社顔料部門を買収し、製品の多角化を推進。これにより、自動車塗料用顔料、プラスチック着色用顔料でも世界をリードする他、印刷インキ用、デジタル印刷用、化粧品用、文具用など多種多様な用途・業界に彩りを提供しています。また、彩りに加えて環境に配慮したサステナブル顔料や波長制御技術を用いた機能性を備えた顔料の開発にも注力しています。
ヘルスケア食品・天然系色素では、鮮やかな天然の青色色素を開発、アイスキャンデーやガム、チョコレート等の菓子の着色に利用されています。色素以外の機能も充実し、肌の潤いを維持する機能性表示食品として販売、その用途は多岐に亘ります。原料となる藻類スピルリナはスーパーフードとして知られており、DICは世界に先駆け50年前から開発、事業化に成功しており国内外のサプリメント原料や製品に利用され、人々の健康に貢献しています。
「色」は、美しさであり、機能であり、そして社会への約束です。
私たちは、色彩科学の最前線で、社会課題に直接応える技術(Direct to Society)を生み出し続けています。
カラーマテリアル
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ファンクショナルプロダクツ
事業売上
2,960億円
28.5%
全体売上のうち
社会的課題となっている環境問題の解決や、
最先端のエレクトロニクス製品などを
支えるさまざまな機能材料
各種樹脂素材などを始めとする『パフォーマンスマテリアル』と、コンパウンドや工業用粘着テープ、成形加工品といった『コンポジットマテリアル』を扱う部門です。 パフォーマンスマテリアルは自動車部品やプラスチック製品、建築資材や家電のボディなどさまざまなシーンで使われ、今ではDICを支える第2の基幹事業となっています。コンポジットマテリアルには多彩な製品があり、たとえば自動車用のエンジン周辺部品や電子部品の材料として多用されるDICのPPSコンパウンドは、耐熱性・耐薬品性に優れ、世界で幅広く使われています。またインクジェット用脱気モジュールも世界中で使用されており、今後は水処理分野における大型脱気モジュールの製造に本格参入を目指します。
またDICでは、エレクトロニクス仕様の化学・素材を軸にした事業を「ケミトロニクス」と定義し、半導体実装分野や先端電子部品分野といった次世代・成長事業への取り組みを行っています。その一例であるPFASフリー製品は持続可能な産業活動の推進と環境へのリスク低減に貢献しています。
住設分野では太陽熱を活用し室温の維持に貢献する蓄熱シートを開発。蓄冷材料としても応用できるため、今後さまざまなマーケットで拡販を進めていきます。
パフォーマンスマテリアル
コンポジットマテリアル
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新事業・開発製品
4つの重点領域において、
新たな事業の創出に取り組んでいます。
DICでは社会課題と社会変革を起点とした新たな事業の創出に取り組んでいます。新事業統括本部を新設し、「エレクトロニクス」「オートモーティブ」「次世代パッケージング」「ヘルスケア」の4つの重点領域を特定し、DICの独創性で社会に役立つ製品による次世代事業の柱を築いていきます。
4つの重点領域には、各々の技術や業界に精通した精鋭を集結しました。専門性とコミュニケーションを高度化するとともに、産学連携や有力ベンチャーなどとのオープンイノベーションを積極的に活用し、新事業の早期樹立を推進していきます。具体的には、分散型エネルギーシステム、パッケージ循環システムなどの社会システムの力学に基づく事業創出。
そして、新たな基盤技術 「無機材料設計」と「バイオ材料設計」 を活用した複数分野での戦略的な事業創出を掲げています。