TECHNOLOGY DICならではの技術
東京の片隅で産声をあげたインキメーカーが、世界的な大企業になるまで。
そこには、先人たちのさまざまな挑戦がありました。その背景にはDICを形作る技術力が不可欠でした。
私たちは“DICならでは(DIC独自)”で解決し、社会に役立つ材料を提案していきます。ここでは、そのDIC独自の技術を紹介します。
東京大学との共同プロジェクト
新素材開発のための
量子化学計算利用に向けた
アルゴリズム開発
量子コンピュータの実機を保有しない企業でも、Amazon・IBMをはじめとするIT企業による商用サービスの提供により、計算技術開発がおこなえるようになった。各社が量子コンピュータを効果的に制御する技術を開拓するなか、当社は新素材開発のための量子化学計算利用に向けたアルゴリズム開発を、東京大学とのプロジェクトで進めている。その結果、新川崎に設置されたIBMの量子コンピュータを使用して、直鎖状ポリエン分子のπ電子軌道計算アルゴリズム、およびノイズ抑制手法を開発・実装し、炭素鎖が2から10程度のポリエン分子について、理論解に近い軌道エネルギーを得ることに成功した。この結果は、さらに大きな分子に対する量子アルゴリズム開発の設計指針となり、光学材料開発などへの応用が期待される。