ウルトラマリンブルーの世界
ウルトラマリンブルーへの挑戦
時代を超えて、
人々を魅了し続ける、
ひとつの青。
「特別」とまで言われた青、
天然鉱石ラピスラズリから生まれるウルトラマリンブルー。
古代から芸術家や人々を魅了してきたこの青は、
なぜこれほどまでに特別な存在だったのでしょうか。
その背景には、美しい色だけでは語れない歴史や文化、
そして顔料づくりに込められた技術があります。
顔料メーカーの視点から、ウルトラマリンブルーの魅力をたどります。

「特別」とまで言われた青
ウルトラマリンブルーは天然に産出(存在)する群青という顔料です。天然群青は、古くから「特別な青」として大切にされてきました。その理由は、鮮やかな美しさだけではありません。
原料となるラピスラズリは産地が限られ、そこから天然群青として取り出せる青色成分はごくわずかでした。さらに、当時は青色成分だけを取り出すために多くの時間と手間が必要でした。
こうして生まれた天然群青は、中世ヨーロッパでは宗教画や祭壇画など、特別な作品のために用いられる顔料となります。
その希少性から、「金より高価だった」と語り継がれるほど、高い価値を持つ青として人々に受け継がれてきたのです。

ラピスラズリという天然鉱石
ウルトラマリンブルーの原料となるラピスラズリは、深く鮮やかな青色で知られる天然鉱石です。
一つの石の中には、青だけでなく白や灰色など、さまざまな鉱物が共存しています。
天然群青は、その中から青色成分だけを丁寧に取り出すことで生まれます。
顔料メーカーの視点で見ると、一つの鉱石にも多くの発見と技術が詰まっています。

時代を超えて受け継がれた青
ラピスラズリは古代から珍重され、中世ヨーロッパでは天然群青として宗教画や祭壇画に使われました。
ルネサンス期にはフェルメールをはじめとする画家たちが作品に取り入れ、その鮮やかな青は多くの名画を彩ります。
19世紀に人工群青の工業化に成功すると、ウルトラマリンブルーはより身近な存在となりました。
現在では、美術だけでなく化粧品や工業製品など、さまざまな分野で活用されています。
さらに、ウルトラマリンブルーから受け継がれた技術や知見は、その後のさまざまな青色顔料の発展へとつながっています。
私たちは、その歩みを知ることが、現在のものづくりにもつながると考えています。

顔料メーカーの視点から
長年、色材に携わってきた大平さんに、ウルトラマリンブルーの魅力や、色材がもたらす価値についてお話を伺いました。
大平学
DIC株式会社
カラーマテリアル事業本部
カラーマテリアル営業部
顔料グローバルセグメントグループ
マネジャー
多様な用途・市場に向けて、最適な色材の提案と価値創造を推進し、ウルトラマリンブルーをはじめとする青色顔料の魅力を、次の世代へ伝えていきたいと考えています。

ラピスラズリから
生まれる青
ラピスラズリは、そのままでは天然群青にはなりません。
原石を選び、砕き、青色成分だけを丁寧に取り出す。その一つひとつの工程を経て、天然群青が生まれます。
次のページでは、顔料メーカーとして実際に取り組んだ工程を通して、ウルトラマリンブルーが生まれるまでをご紹介します。
ウルトラマリンブルーや顔料に関する
ご質問・ご相談がございましたら、
お気軽にお問い合わせください。

長い間顔料に携わる仕事をしてきましたが、色材が何に使われ、どのように意味を与えられ、そして如何に人々に感動を呼び起こすかをこのフェルメールの代表作を通じて知る機会になりました。
ウルトラマリンブルーだけでなく、我々の扱ういろんな色の顔料が、いたるところで使われ、そして様々なストーリーを未来に渡って紡いでいく姿を想像すると、とても愛おしさを感じます。