品質 ~品質の向上と顧客満足の追求

主な取り組みの目標と実績

品質の確保

2022年度 目標 不適切および不適合案件の真因を究明し、類似事例の再発防止を徹底
2022年度 実績
  • 法規制リストを作成し、運用を開始した
  • 苦情・クレームをいち早く収集するためのシステムを国内会社に展開を完了した
評価 ★★
2023年度 目標 顧客および社会から信頼される製品を提供するために、品質保証部門の役割を踏まえ、品質と顧客に対する理解を深耕する
2022年度 目標 顧客および社会の視点を持ち、品質の要件を確実に達成
2022年度 実績 「品質なんでも講座」の定期配信により、顧客重視について動機づけを継続実施中。DR監査は遅延。方法含め、今後の課題とした
評価 ★★
2023年度 目標 当事者意識の醸成を企図し、マネジメントによる担当業務の落とし込みを実践する
  • 「評価」は、進捗度に関する自己評価によるものです。
    [ 評価マークについて ] ★★★…非常に良好 ★★…順調 ★…要努力

基本的な考え方

DICグループは「The DIC Way」および「サステナビリティ基本方針」に基づき、「安全・環境・健康に関する方針」と「品質に関する方針」を事業活動の両輪と位置づけ、顧客および社会の要求に合った製品・サービスを提供することを追求しています。

品質に関する方針

常に信頼される製品を提供して顧客と社会品質に関する方針の繁栄に貢献する。(2015年5月改定)

推進体制

国内DICグループは、高い機動力と総合力を発揮するため、事業を推進する製品本部を縦軸に、技術統括本部や生産統括本部を横軸に置いた「マトリックス型組織」としています。品質組織は生産統括本部に組み込まれ、2021年に組織体制を改編して再始動しました。
品質組織のトップとして、副統括本部長(品質統括)を配置し、事業所の品質保証グループを統括する一本化組織となりました。これらは、①独立した組織としてお客様の品質要求を担保すること、②品質保証と品質管理の役割を明確にすること、③品質保証部と品質管理部は、事業所および製品本部が抱える課題を吸い上げ、最善策を講ずることを目的としています。
また、社長は品質委員会を主催し、DICグループ全体を視野に入れ、国内DICグループの品質マネジメントに直接関与しています。品質委員会は原則として四半期に一度開催され、品質にかかる方針や重点施策を策定し、製品本部長および各部門長はこれら実施状況を報告します。

品質保証と品質向上に向けた活動

品質委員会で決定された方針や重要施策を品質保証部と品質管理部が推進し、品質マネジメント水準の向上に取り組みます。品質の不適合に対しては是正処置と再発防止を徹底し、お客様の満足度向上に取り組んでいきます。

01お客様を重視した品質保証活動

品質保証部は主に次の役割を担います。

  • 主として、国内DICグループの品質にかかる方針および重要施策の立案と展開
  • QMS(品質マネジメントシステム)の適正な運用管理と監査
  • 苦情・クレーム、不適切案件に係る重大性の判定と社外対応
  • 顧客を重視し、コンプライアンスを遵守するマインドの醸成

国内DICグループはプロダクト・スチュワードシップに配慮しつつ、お客様に安心してお使いいただける高品質な製品を提供し続けるために、製品企画から設計開発、原材料調達、製造、製品保管、販売に至るすべてのプロセスにおいて、お客様から要求された品質の実現および維持改善に取り組んでいます。
また、定期的に品質監査を実施し、事業所と連携して改善に取り組んでいます。事業所の内部監査と併せ、QMSが適切に運用されるよう監視と点検を繰り返し、お客様からさらなる信頼を得るための仕組みや手順を定着させる活動を継続しています。
2022年度は、品質に関する事業所の方針展開、品質検査に関する教育訓練等を主な監査テーマとし、事業所との密な対話をしました。2023年度は、設計品質の具現化、製造時のトラブル対応、工程管理手法等に着目し、さらに安定したモノづくりができるよう進化します。

02品質を維持向上するための活動

品質管理部は主に次の役割を担います。

  • 品質にかかる教育の立案と実施および評価
  • 製品本部、統括本部、並びに国内グループ会社含む各事業所の品質関連業務の適正な運用の管理・監督
  • 品質管理業務プロセスと品質検査業務プロセスのDX企画推進

生産拡大に伴う設備増設や老朽化設備の更新、コスト競争力を高める製品移管や合理化等の様々な場面で、要求事項に対する適合性を維持するための変更管理と、それに伴い懸念される不適合製品の流出を未然に防止し、苦情・クレーム削減活動をさらに強化していきます。
また、各事業所のベストプラクティスを共有に加え、DX化により、業務の効率化、ヒューマンエラー防止等を通じて、主に品質管理および検査業務プロセスの進化を推進します。
品質保証部/品質管理部/事業所品質保証グループでは、我々こそが、お客様に、安全と安心を安定的に提供する「品質の番人」であるという自負とプライドを持って、日々仕事に取り組んでいます。

03コンプライアンスを重視した活動

コンプライアンスは何にも勝る国内DICグループの優先的価値という認識のもと、DICは、「お客様にご満足いただける製品」を提供し、「社会に貢献」するために、社員一人ひとりが品質を守る当事者として業務に取り組む企業風土が欠かせないと考えています。
2020年度以降、「ISO 9001トップマネジメント研修」を工場長を皮切りに、お客様と直接対話する機会の多い技術および営業部門のリーダーに対して実施しております。概念的な研修ではなく、具体的な事例を教材として用い、生産活動には直接関与しなくとも、品質を守る当事者として考え、行動することの重要性を繰り返し共有しております。
さらに、2020年度以降、品質不適切事案の再発防止の取り組みとして、国内DICグループを対象に自社不適切事例を教材とした「品質コンプライアンス」e-ラーニング(受講率100%)を実施しております。品質意識向上に向けた新たな取り組みとして、2022年から品質に関するトピックスや社外事例を紹介する「品質なんでも講座」を国内全社員に発信しております。今後も、全社員が品質に関する役割を再認識し、当事者意識を確実に高めることのできる取り組みを充実させていきます。

04課題に対して適切に対処する仕組み

社長が主催する「品質委員会」に対し、副統括本部長(品質統括)が主催する全社品質会議は、国内DICの方針および重要施策をより具体的な方策に転換して伝達し、その実施状況を監督するとともに、事業所および製品本部が抱える課題に対して、最善策を講じます。
製品本部長が主催する製品本部品質会議は、お客様の満足度を追求します。お客様に対して新たな価値を提案するとともに、お客様の要望されるBCMや変更管理にも対応しています。
一方、事業所長が主催する事業所品質会議は、QMSを適切に運用し、品質の改善を推進します。不適合品に対して原因を追究し、是正および再発防止、さらには未然防止等のための取り組みについて計画を策定し、その実行管理をします。
これらの会議体に品質保証部と品質管理部は積極的に参画し、課題に対しては適切かつ迅速に対処します。

05グローバルDICグループの連携

現状は、取得済のISO9001等に基づいて、各現地法人が品質に関するオペレーションを実施しています。
2023年は、「アジア」・「中国」との連携強化を企図した仕組みの検討並びに、Sun Chemicalとの将来の連携を見据えた情報収集を進めます。

VOICE

ものづくりに携わる関係者全員参加による品質保証活動の推進

本社 コンポジットマテリアル製品本部 コンポジットマテリアル品質保証1グループ GM 市原 伸一

コンポジットマテリアル製品本部では、エレクトロニクス、家電、自動車、建築・住設など幅広い業界のニッチな市場向けに、工業用テープ、中空糸膜モジュール、化粧板・内装建材、化粧紙・加飾フィルム、SMC、プラスチック成形品等、DICグループの要素技術を複合化し高い機能性を持った加工製品を提供しています。これらの製品には、お客様からの固有で高度なニーズに応える品質の実現と安定品質の確保が求められ、ものづくりに携わる関係者全員が各々の立場で品質への高い意識と責任を持ち、製品の企画・開発・原料の調達~生産・販売~廃棄・再資源化に至るライフサイクル やサプライチェーン全体を考慮し品質マネジメントすることが重要です。
私たちは、ルールや手順、お客様との約束である製品納入仕様書の取り決めを守り、お客様に当社製品を安心・信頼して継続的にお使いいただけるよう、品質保証活動を推進していきます。

本社 コンポジットマテリアル製品本部 コンポジットマテリアル品質保証1グループ GM 市原 伸一

品質は嘘をつかない。ものづくりは全員が品質責任者

本社 パフォーマンスマテリアル製品本部 パフォーマンスマテリアル品質保証グループ GM 川崎 美幸

パフォーマンスマテリアル製品本部は、塗料分野をはじめ電子材料・航空複合材・自動車産業・光学分野・建築・土木構造物など幅広い業界に機能性を持った合成樹脂製品を提供しています。これらの多岐にわたる製品群のビジネス基盤を支えているのが品質であり、ものづくりプロセスに関わる部署全員が品質に責任を持つことが大切です。私たち品質保証グループは、製品納入仕様書で交わしたお客様との約束を守り、かつ安心して継続的にお使いいただける製品を提供することに責任を持ちます。
品質は嘘をつきません。私たちは品質を通じてお客様からの信頼を維持・向上するよう、国内外の生産拠点で地道な品質保証活動を継続していきます。

本社 パフォーマンスマテリアル製品本部 パフォーマンスマテリアル品質保証グループ GM 川崎 美幸