青や水色の食品に! 
~体にやさしい、スピルリナとリナブルー®
DICが藻を生産⁉ いま話題の「スピルリナ」って何?

青や水色の食品に! ~体にやさしい、スピルリナとリナブルー
青や水色の食品に! ~体にやさしい、スピルリナとリナブルー®

食べ物の色にもDIC! なんと自然由来の青色色素

アイスやゼリー、ミント系などのガム、カラフルにコーティングされたチョコレートなど、普段口にする食品の鮮やかな水色。DICは食品メーカー向けに藻類由来の青色色素を提供しています。

食品に使われる青色色素にはいくつかの種類がありますが、天然原料由来でしかも鮮やかな青といえばDICの青色色素。合成色素のように食べると舌が染まったりすることのない、ナチュラルな青なのです。実は人気のアイスキャンディー ソーダ味の氷菓のほとんどにDICの青色色素が使用されています。

いま世界では、食品の着色料を合成着色料から天然原料由来の色素へと切換える動きが急速に広がっています。このような背景から、DICは食品向け青色色素で、圧倒的なシェアを獲得しています。

実は「藻」からできている青色色素

DICがつくっているこの青色色素、製品名は「リナブルー®」といいます。「ブルー」は「青」ですが、「リナ」ってなんでしょう? 実は、「スピルリナ」という緑色の藻の名前から来ています。緑の藻スピルリナから水を用いて青色の色素タンパク質フィコシアニンのみを抽出して作られた食品用青色素、それが「リナブルー®」なのです。

そもそもスピルリナってどんな生物?

リナブルー®の原料であるスピルリナ、一体どんな生物なのでしょう? スピルリナの大きさは0.5mmほど。顕微鏡で見ると、ねじれた螺旋(らせん)構造をしています。この「らせん=スパイラル」からスピルリナという名前がつけられたと言われています。

スピルリナは消化吸収率が高く、またビタミン、ミネラル、たんぱく質、食物繊維など50種以上もの健康・栄養成分をバランスよく含んだ栄養価の高い食材ともいわれています。

スピルリナは、太古の昔、約30億年前から地球上に生息していると言われています。その高い栄養価が広く認識されるようになるずっと前から、スピルリナの自生する湖近くに住んでいた人々は、スピルリナを食べていたと言われています。

海外では一般的な食品として人気、DICでは1970年代にいち早く注目

海外でスピルリナは、スムージーやジュースに混ぜたり、アイスクリームなどのトッピングにするなど、食品としてごく一般的な存在です。米国では、「緑色の健康食品といえばスピルリナ」というくらい認知度が高く、スーパーマーケットの店頭に並ぶほど広く普及しています。

DICグループでは、1970年代からいち早くスピルリナの可能性に注目し、研究・培養に取り組んできました。以来、スピルリナの優れた栄養成分を生かした健康補助食品を数多くつくってきました。

世界最大級のスピルリナ生産者

DICグループのスピルリナ生産量は、現在では年間約1000トン。世界最大級のスピルリナ生産者が、DICグループなのです。
スピルリナは、水質や水温、日照時間など生育環境を選びます。現在は、その条件を満たした2カ所(中国・海南島と米国・カリフォルニア州)で大規模な生産設備を稼働させています。スピルリナにとって理想的な環境の下、サッカー場なら何十面にも相当する面積をもつ培養池でスピルリナを育てています。

高度な培養ノウハウで高品質を安定的に

DICの生産能力は、一つの生産拠点で1日になんと数トンにも達します。スピルリナの生命力は旺盛で、培養池の半分に相当する量を取り出しても数日後には元に戻っているほどですが、これだけの生産能力を安定的に維持できるのは、DICグループの培養技術の賜物なのです。池の状態や天候に応じた給水、養分の補給、水温の管理など、これまで培ってきたきめ細かなノウハウを駆使して、高い栄養価のスピルリナを大量に育てているのです。

スピルリナにはたくさんの品種がありますが、「DICスピルリナ」は、安全性や有用性が確認されている優れた品種を選んでいます。その品種を高品質に維持するため、衛生的な自社工場で一貫した品質管理を実施しています。

これらの積み重ねの結果、DICグループならではの安心・安全で高品質なスピルリナの生産が可能になりました。品質管理の行き届いた管理培養による新しいタイプの「農産物」、それがDICスピルリナなのです。これからも、皆様の健康を支える存在として、また、鮮やかな青を安心して食べていただくために、DICグループはスピルリナ事業に取り組んで行きます。

スピルリナが地球を救う⁉

太古の地球にまだ酸素がなかったころ、光合成をして最初に酸素をつくり出したのがスピルリナとその仲間たち、藻類だったと言われています。
私たちの食料をつくり出すためには、大きなエネルギーを使い、二酸化炭素も排出しています。スピルリナは、高温・強アルカリという他の動植物が繁殖しにくい特殊な条件と強い太陽光線と水があればどんどん育ってくれるので、小さなエネルギーでつくり出すことができます。また光合成でCO2を吸収して酸素を出すので、地球温暖化の原因と言われるCO2を減らすことにも貢献します。

栄養と酸素を生み出すということは、スピルリナは将来的に、宇宙空間での食料としても有望なのではないか。そんな研究も行われています。

栄養たっぷりで色鮮やかな青色色素も作り出す、DICのスピルリナ。スピルリナが人々の健康だけに限らず、環境問題や食糧問題を解決する未来もすぐそこに来ているかもしれません。

フラミンゴの「赤」も実は…

スピルリナの用途は、リナブルー®の原料や、人のための健康補助食品だけではありません。自然界に存在する栄養豊富なスピルリナは、エビや魚の養殖、家畜などのエサとして成長促進や体調維持のために広く使われています。
そして、その生き物の「色」にもスピルリナが関わっているのをご存知でしたか? 例えば、錦鯉の鮮やかな「赤」。スピルリナには、青い色素だけではなく緑、黄といったカラフルなファイトケミカル(またはフィトケミカル)とよばれる色素が含まれています。その色素成分が錦鯉の色を良くするのに役立っています。錦鯉品評会では、「DICスピルリナ」を食べて育った鯉が、何年も連続して上位に入賞しています。また、アフリカの野生のフラミンゴが赤いのも、自然繁殖しているスピルリナを食べているからだ、と言われています。

スピルリナを飢餓地域への援助に

DICグループでは、スピルリナ発見の地であるアフリカを対象とした飢餓・栄養不良改善活動「スピルリナプロジェクト」の支援を行っています。また、過去には、1991年にチョルノービリ原発事故で被災した子供たちに、1993年にボスニア難民への支援としてクロアチアの病院に、また東日本大震災の際には宮城県および福島県薬剤師会を通じて東北地方の方々に、いずれもスピルリナを無償で提供しています。今後もDICは、社会貢献の一つの形としてスピルリナの提供を継続していきます。

こんなところに!DIC

関連リンク