食品のパッケージに! 
~共押出多層フィルム
いつものパッケージにもDICの技術が隠れているかも!?

食品のパッケージに! ~共押出多層フィルム
食品のパッケージに! ~共押出多層フィルム

しっかりくっつくけど簡単にはがせる!

ピクニックのおやつ休憩にお菓子の袋を開けようとしたけどなかなか開かない!
力いっぱいひっぱったら、中身が飛び出しちゃった…。こんな経験はありませんか?
DICの優しい気配りが込められた多層フィルムを使っている商品なら、パンの袋だってカップゼリーのフタだって、力を入れなくてもスルーっと簡単に開けられます。
これは、“しっかりくっつく”という機能を持つ層と、“気持ちよくはがせる”という機能を持つ層を、多層にしているフィルムだから、できるんです!

1枚のフィルムが複数の素材の層でできている!

DICの簡単に(イージー)開けられる(ピール)フィルムは、異なる機能を持つ素材を3つ以上組み合わせた多層フィルムです。開けるときに、くっついている層(シール層)だけが簡単にはがれるようになっています。
他にも、多層にすることで、1枚のフィルムにさまざまな機能を持たせることができます。耐熱性、耐寒性、耐油性、耐衝撃性、透明性、防曇性、低吸着性などの機能を複合的に持たせることができます。

もしもフィルムが単一の層だとしたらどうなるでしょう?
例えば、丈夫なフィルムでしっかり密封した豆腐や漬け物は、持ち帰る間に中身が漏れない代わりに、とても開けにくいパッケージになってしまいます。簡単に開くけれど強度が弱いフィルムだったとしたら、持ち帰る間に勝手に開いて中身が漏れてしまいます。

1981年イージーピールの共押出多層フィルムを販売

DICの多層フィルムは、材料となる複数の樹脂を同時に押し出し、ロールに巻き付けながら冷やす “共押出”という方法(Tダイ法)で製造しています。1981年からイージーピールの共押出多層フィルムを開発販売し、継続して性能を高める研究を続けてきました。多層フィルムの薄さは30㎛(1ミリの約30分の1)程度。その中にいくつもの機能が2層、3層と積み重なっているのです。

信頼されているからこそ9割が食品用

多層フィルムの用途は、食品の包装以外に、日用品や化粧品のパッケージなどもありますが、DICでは食品向けが9割を占めます。品質を最も重視する食品メーカーに包装適性に優れたフィルムを提供しつつ、おいしいものを手軽に食べたいと考える消費者のニーズにも応えるよう研究に取り組んでいます。

また、最近では高級感を求める商品に、曇りガラスのようなマット調の包装が好まれるようになりました。2020年に開発した「梨地フィルム(バイオマスタイプ)」は、和紙のような風合いと独特の手触りが特徴です。薄いフィルム自体に意匠性をもたせることで、フィルムと紙を貼り合わせる必要が無くなります。更にこのフィルムは、バイオマス由来の原料を配合しています。フィルムの機能追求と合わせて、サステナブルなパッケージの実現にも貢献しています。

多層フィルムはフードロス削減にも貢献!

たとえば、お惣菜やサラダなら、固いプラスチックをはめるフタの商品では、完全には密封できないので、出来立ての新鮮さを維持することができません。でも、イージーピールフィルムなら密封できるので、鮮度を保つために中の空気を取り除いて窒素などのガスを充てんし、食品の劣化を防いで消費期限を延ばすことができるのです。
なんと多層フィルムは、フードロスの削減にも貢献しています。

ゼリーのふたの開けやすさの秘密の裏には、なんとフードロス削減や、プラスチックゴミを軽減することにもつながるヒントが隠されていました。

こんなところに!DIC

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