WORK02

海外サプライチェーンを整備・開拓し粘着テープの発注を勝ち取れ。

競争の舞台は、国内から海外へ。

コピー機やプリンター、複合機といったOA機器は、分解すると自動車1台分に匹敵する部品数があると言われ、”日本のお家芸”と呼ばれるほど、精密な工業製品だ。DICは、その部品の接着に使われる部品固定用粘着テープ (以下粘着テープ)を手掛けている。家電リサイクル法が制定された1998年に「剥がし易い粘着テープ」を他社に先駆けて開発して以降、同業界向けの売上が、DICの粘着テープビジネスの基盤となってきた。しかしリーマンショック以降、日系メーカーは急速に生産拠点を中国・ASEAN地区など海外にシフトした。サプライチェーンが多様化し、『日本国内ではDIC品を採用しているが、海外工場では、”現地で使い易い(流通性・加工性)”競合品を採用している』というメーカーが出てきた。この状況に立ち向かったのが、工業テープ営業3グループに所属するR・Tである。

サプライチェーンの普及が成功への第一歩。

海外工場で、DICの粘着テープが採用されない原因はどこにあったのか。「当時は日系メーカーと言えどもルールが確立されておらず、どういう方法で製品を納入するのか、製造から在庫管理、販路までの『サプライチェーン』の全てをフォローする必要がありました」とR・Tは語る。サプライチェーンとは、原料の段階から製品が消費者の手に渡るまでのプロセスのこと。部品数の多いOA機器は、数多くの部品メーカーが製造に関わっている。「まずは1社ずつお客様を訪問して、どこのメーカー品が使われているのか、私たちが弱い点は何なのか、課題をヒアリングして1つひとつ解決するという地道な作業を続けました」。

言葉の壁を乗り越える“見える化”という工夫。

サプライチェーン把握から始まったR・Tの挑戦。しかし、たった1人で海外セールスを成功に導くことはできない。現地スタッフの協力は不可欠だ。R・Tは、自ら動いて得た知見をどのように共有していったのか。「この頃、私は現地スタッフを動かす難しさを実感していました。特に言葉の壁は大きく、提案したい内容が伝わらないことも。そこで製品の特徴や販売形態をホワイトボードや紙に描き、お客様の前でも強調したいところに赤丸を付けるなどして、何を提案したいのかを“見える化”していきました」。取り組みを続けるうちに、現地スタッフの反応も変わっていったという。「提案を継続していくうちに『ああ、こうすればいいんだ』と視覚的に理解してもらえるようになりました。うれしかったのは上司の反応です。中国・ASEAN全土を網羅するサプライチェーンマップを作成し、見せたところ、部長会などで 『ウチのメンバーがこんなものを作りました』とプレゼンするほど自慢に思っていただけたようです。それは励みになりましたね」。

「攻めの営業」で、毎年二桁成長へ。

サプライチェーンマップという新たなツールが、粘着テープの海外セールスを加速させた。さらにR・Tは、積極的に現地のコネクションづくりにも取り組み、成果へとつなげていく。「好奇心から担当外のお客様にも積極的に訪問を重ねたことが、結果的に情報収集につながり、1件1件のビジネスを生み出しました。コツコツ積み上げたサプライチェーンの成果で、お客様の変化にもいち早く気付けるようになり、誰よりも早くトレンドを把握できるようになりました」。”待ちの営業”ではなく、自ら動く“攻めの営業”を推進する。その結果、粘着テープの海外売上は毎年二桁成長が見込めるまでに拡大した。

海外での刺激が大きな成長の糧に。

経験ゼロから手探りで始まった海外セールス。その大きな挑戦は、R・T個人にどのような成長をもたらしたのか。「走り抜けた10年、それは人脈がいかに大切かを学んだ期間でした。サプライチェーン内でいかに仲良くなれるか。品質クレームがあった時にフォローし合えるか。営業活動の全ては、『人脈あってこそ』です」。現在、R・TはOA機器担当チームの営業リーダーとして活躍している。「海外では今まで会ったことがないタイプの人、行ったことのない場所、思いもしない考え方をする人との出会いがあります。刺激的で楽しい日々が、私をさらに成長させているのだと感じています。そういえば最近、初めて会うお客様から『あなたがあのDICのR・Tさんね』と言っていただけることも増えてきたんですよ」。R・Tは、そう言って笑った。

R・T

2008年入社

工業テープ営業3グループ所属

仕事について

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