CAREER INTERVIEW
化学の力で社会を変える
新たな材料の開発に挑む。
R・O

MY WORK
自動車向け接着剤用の材料開発を行っています。
現在、自動車市場では燃費向上や次世代の空飛ぶ車の実現などに向けた開発が進められています。
そのために従来の延長線上ではない革新的な軽量化が求められており、非鉄金属や樹脂材料などを取り入れたマルチマテリアル化の技術が不可欠になります。
私が開発を担当している接着剤は、異種材料を接合・接着するもので、マルチマテリアル化に必要な材料です。
私の役割はお客様が求めるより良い材料を開発することですが、より低コストで効率的に、サステナブルに、
安全に製造するための方法を設計することも大切なミッションになります。

- 会社選びのポイントはどんな点でしたか?
-
学生時代は有機科学系の研究室で反応開発の研究をやっていました。就職にあたっては当初から、化学の力で新しいモノを作る仕事がしたいと研究職を志望。特にこれまでになかったモノを生み出して社会を変えていける面白さから、化学メーカーを中心に就職活動をしました。会社選びでは、三つのポイントを軸に就活に臨みました。①多分野にさまざまな製品を展開しているため売上げが安定していること②新規開発に積極的で若手の提案でも受け入れてくれる風土があること③海外展開が進んでおり日本の経済に依存していないこと。三つのポイントに一番合っていたのがDICで、迷わずに入社を決めました。
- 現在の仕事のやりがいや面白さは?
-
過去にない新しい機能を持った材料を作ったり、これまで報告されたことのない現象を発見したりすることに大きなやりがいを感じています。どんな小さなことでも、自分の手で業界や社会を変えることに少しでも貢献できたと思えた時に、この仕事をやっていて良かったなと嬉しくなります。

- DICの研究開発の特徴は?
-
当社の開発部門は「新しいことに挑戦していこう」という姿勢で一貫していることです。例えば、学会や外部セミナーへの積極的な参加を奨励したり、特許の申請・取得にも積極的に取り組んでいます。若手でも入社1年目から担当製品や研究開発テーマを任せられ、自分発信で新しいことに挑戦できる環境が用意されています。新しいモノを生み出すことの難しさを痛感する日々ですが、いかに他社や自社内の研究者も含めた人たちが考えていないことに目を向けるかを意識して業務に取り組んでいます。
- DICだからこそ成長できたと思う点は?
-
一番成長を感じているのは、自分で考え、調べ、開発に取り組むという主体性だと思います。他社特許や他社製品を積極的に調べ、研究されている範囲や方向性を考えたり、他の研究者が考えていることや論文・講演などを確認したり、樹脂構成要素の何が重点的に研究されているのか、何が見過ごされているのか、学生時代に比べ本当によく調べ、考えるようになったと思います。また当社は幅広い事業を行なっているので、さまざまな樹脂系の知識を得られました。他にも、当社の持つ海外の研究所に研究委託を依頼する機会もあり、それらをうまく活用し、開発を早く効率よく進めるためのマネジメント力もついたと思います。

- 今後の目標ややりたいことを教えてください。
-
自分が一から開発を手がけた材料が製品化されることが一番の目標です。さらに新規テーマの立ち上げと事業化に挑戦したいですね。担当製品テーマの枠組みに収まらず、自分で社会課題を見つけて、それを解決するような樹脂材料を開発することで、世界を大きく変えることに貢献することが大きな夢です。今注目しているのはサステナビリティです。これまでの化学の発展は社会に豊かさをもたらした反面、環境汚染などの問題も引き起こしました。だからこそ、化学に携わる者として我慢して環境を維持するのではなく、豊かさと環境保護を両立する技術による真の持続可能性を実現させたいと考えています。今の担当テーマも燃費向上でサステナビリティに貢献するものですが、バイオマス由来材料や生分解性材料の開発などより広い影響を与えられる開発にも挑戦したいと考えています。

休みの日は友人とよくPCゲームをやっています。なかでも、操作するキャラクターの視点で銃撃戦を行うFPSゲームを楽しんでいます。友人とどのように相手の戦略を覆すか話し合いながら協力して戦うのがとても面白いです。自己研鑽も兼ねてビジネスモデルの本もよく読んでいます。経済がどのように動くのか、企業がどのような戦略で他社と差別化し、利益を上げていくのか、そんな視点から開発を考えるとまた違った面白さがあります。
