DIC 機械特性を大幅に向上させ、作業性に優れたセルロースナノファイバー複合エポキシ樹脂「EPICLON® NCM」を開発

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2016年10月7日

DIC株式会社(本社:東京都中央区、社長執行役員:中西義之)は、次世代のバイオ素材として期待されるセルロースナノファイバー(CNF)を複合したエポキシ樹脂EPICLON® NCMを開発し、マスターバッチ樹脂としてサンプルワークを進めています。このたびの開発品は、エポキシ樹脂の弱点である脆性や靭性を向上させた画期的な新素材です。

CNFは、植物の基本骨格であるセルロース繊維を機械的にほぐし抽出したもので、直径は数ナノメートル、長さ5μm以上の極細繊維です。鋼鉄に比べて比重が5分の1、重量比強度は5倍、石英ガラス相当の低熱膨張性、ガラス繊維比2倍の弾性率という優れた特性を生かし、繊維複合材料として様々な材料への応用研究が進められています。しかしながら、CNFは親水性で水分を多く含んだ状態にあるため、水分を除去し、疎水性である樹脂に均一に分散させることが非常に難しい材料でもあるため、製品化に向けた応用開発が進みにくい状況にあります。

このたび当社では、この問題を解決するため、独自の方法でCNFを作成し、それを樹脂中に凝集させること無く、均一に分散させる技術を確立しました。開発した新製品は、同技術を活用しCNFをエポキシ樹脂に高濃度で分散させたマスターバッチ樹脂です。
エポキシ樹脂は、接着性や電気特性、耐熱性、耐薬品性などに優れることから、エレクトロニクス材料やインフラ関連材料として幅広く使用されています。しかしながら、脆性や靭性が劣ることから、その成形体にクラックが生じた場合に、容易にクラックが広がるといった課題も有しています。
この課題を解決するため、CNFをエポキシ樹脂に添加することで、脆性、靭性といった機械物性が大幅に向上し、クラックの伝播が阻害されるという効果が得られます。

【CNFがクラック伝播を防ぐイメージ図】

この特性を生かし、現在、航空機・自動車業界などから注目を浴びている、軽量・高強度を特徴とするエポキシ樹脂をマトリクスとする炭素繊維強化プラスチック(CFRP)への展開に向けた検討も進めています。当社の検討では、開発品をCFRPに添加することで層間の靭性に向上が見られるなどの効果が確認されています。

当社では、10wt% のCNF複合エポキシ樹脂をマスターバッチ樹脂としてユーザーに提供し、CNF未添加樹脂で希釈して使用して頂くことを想定しています。水分を除去するための特別な装置なども必要なく、一般的な攪拌機での希釈・分散が可能になるため、ユーザーにおける用途開発などのスピードアップが期待できます。ユーザーとの協業なども含めた製品開発を進め、2020年の事業化を目指します。

CNFを強化繊維として樹脂と複合化する検討は、今後ますます活発になってくることが想定されます。当社は、グループ会社と共に2007年からNEDOプロジェクトに参画するなど、CNFの先駆者として長年にわたり培ってきた技術やノウハウを生かし、ユーザーニーズへの対応や社会課題の解決に向け、他社に先駆けた研究開発に鋭意取り組んでゆく所存です。

以上

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