DICオンライン展示会 The Power of Packaging
- Reduce
- Recycle
- Redesign
- reduce_co2
- Reuse
『5R』を軸とした、50年後の製品アイデアを紹介します。
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悪臭を防ぐパッケージ 使用済みパッケージ自体が、悪臭の原因となる菌の繁殖を防ぐ機能を持っており、ゴミ箱内の悪臭を防ぐ。
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非常食になるパッケージ コンパクトに折りたためる非常食になる可食パッケージ。輸送時の商品保護の役目を終えた後に非常食としてコンパクトに蓄えることが可能。
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肥料になるパッケージ 使用済みパッケージが食材生産の肥料や原料として利用。使用済みパッケージを野菜や果実の肥料として利用。また畜産や漁業の餌として活用。
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半永久的に!?鮮度が保てるパッケージ いつまでも鮮度を維持できるパッケージ。パッケージと冷蔵庫が連携し冷蔵庫がパッケージから情報を読み取り適した保存条件にしてくれる。
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直接コーティングするパッケージ 食材への直接コーティングによるパッケージ機能の付与。プラスチック、紙、鉄・アルミ、瓶が不要のパッケージ。同コーティングには従来のパッケージ機能に加えて未病機能も付与。
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ずっと守るパッケージ 野菜の栽培から消費者へ届くまで全てを守るパッケージ。畑での発芽時点からフィルムでパッキングされ気温や害虫から野菜を守り、パッケージのまま収穫される。そして流通、販売を経て消費者が最終利用するまで一つのパッケージが野菜を守り続ける。
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家庭で手軽にプラリサイクル 家庭でプラスチックごみをマテリアルリサイクル。一家に1台、3Dプリンターが常備されている未来で家庭で出たプラスチックごみを原料として家庭内で手軽に3Dプリンターを利用したオリジナル設計プラスチック製品の加工ができる。
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ドローンになるパッケージ プラスチックごみ由来の接客ロボットや自動配送ドローン。ドローン配送が当たり前になる未来でリサイクルプラスチックをロボット・ドローンの筐体や部品に使用して破損後は再度、同じ用途でリサイクルすることが可能。
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街のあちこちに!?リサイクルコンビニ 設備のコンパクト化が進み小規模のリサイクル処理施設が至るところに存在する。
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トイレに流せるパッケージ トイレに流せて水質を改善する生分解パッケージ素材。トイレのパイプ内で分解性が加速し分解した後は水中の不純物と反応し水質を改善。
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食品残渣から生まれるパッケージ 企業で発生した食材残渣からパッケージを生成。食品メーカーの製造現場で発生する食品残渣や家庭での食品残渣を原料としてパッケージを提供する。
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葉をそのまま使ったパッケージ プラスチックの代替が可能な植物の葉をそのままパッケージにする。現在のプラスチックの機能性を完全に代替する植物の葉を遺伝子操作で開発。
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燃料になるパッケージ プラスチックパッケージを家庭のエネルギーとして再利用。未来では、家庭内にプラスチックを燃料とする熱利用(家庭内サーマルリカバリー)が完備されている。使用済みプラスチックを水素に変換して家庭用電力&自動車用燃料として再利用。
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配送用の風船型パッケージ 風船が商品を包んで、自宅まで届けてくれる。自宅の緯度経度高差から固有地場をアンテナとしてEC購入したものを風船が届けてくれる。2階以上のベランダや窓に届くので置き配も心配無し。届けるプロセスで電力を使用しない。
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CO2を吸って酸素を排出する着るパッケージ 温室効果ガスを吸収して窒素と酸素を排出する着用型パッケージ。人類の活動によって温室効果ガスは発生するが活動時に着用している衣服が温室効果ガスを吸収してくれるとオゾン層の保護につながる。
- ポリスチレンの完全循環型リサイクル
- プラスチックのマテリアルリサイクル
- インドネシアKarawangの工場でヤシ殻でCO2削減
- 未来を拓く感性事業プロジェクト
ポリスチレンの完全循環型リサイクル
PSは制御された加熱条件下で容易にモノマー還元(ポリスチレンの原料であるスチレンモノマーにもどる)される性質があるため、今回検討しているケミカルリサイクルに適しています。ケミカルリサイクルで得られたスチレンを⽤いて⽣産されたPSは、従来から⽣産されている⽯油原料から⽣産されたPSと同等の性能、並びに、安全性を有しているため、使⽤⽤途が限定されずに幅広い⽤途で利⽤可能です。
DICとエフピコは、ケミカルリサイクルに関する合弁会社を含めた共同事業体設⽴などの協業を視野に、モノマー還元技術を外部から導⼊することで、従来⾷品包装容器として再⽣利⽤していなかった⾊柄付きの発泡PS容器の再⽣を実現し、PS製品の完全循環型リサイクルを⽬指します。なお、DIC四⽇市⼯場での実証実験プラントの建設も検討しています。
ケミカルリサイクルによるPS製品の完全循環型リサイクルでは、エフピコが既に運⽤している「エフピコ⽅式のリサイクル」に加え、更にそれを活⽤し、使⽤済み⾷品容器を市場から回収(回収拠点9,600 ヶ所)して、⾊柄付きの発泡PS容器を両社の共同事業体などでリサイクルスチレンモノマーに再⽣したものからDICでポリスチレンを⽣産し、エフピコでエコトレーなどへの製品利⽤を⽬指します。
DICとエフピコは、様々なリサイクル技術を活⽤することで完全循環型リサイクルを実現し、使⽤済みプラスチックの有効活⽤および⾷品包装容器のライフサイクルにおける⼆酸化炭素(C02)排出量の削減に貢献する所存です。
関連ページ:ニュースリリース
プラスチックのマテリアルリサイクル
DIC株式会社は、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)が公募した2020年度「革新的プラスチック資源循環プロセス技術開発」事業(以下、「本研究プロジェクト」)における“材料再生プロセス開発”に採択され、2020年8月より研究開発を開始いたしました。
本研究プロジェクトで担当する役割は、福岡大学工学部化学システム工学科 八尾 滋教授をテーマリーダーに、6つの研究機関と、当社を含む12社が共同で廃プラスチックを新品プラスチックと同等の物性に再生し、再利用するマテリアルリサイクルの技術開発を行うものです。実施期間は、5年間(令和2年度~6年度)を予定しています。
本研究プロジェクトにおいて、当社は“材料再生プロセス開発”へ参加し、インキや接着剤などのパッケージング素材がプラスチックのマテリアルリサイクル特性に及ぼす影響について基礎的な研究を行い、さらにこの研究で得た知見をもとに、環境負荷の少ないインキや接着剤などの製品開発を目指した研究を行います。
DICグループは、世界的な社会課題である廃プラスチックや海洋プラスチック問題に対し、サステナビリティ戦略として当社が対応すべき領域を定め、取り組みを強化しています。本研究プロジェクトに参画することで、プラスチックごみ問題の解決にあたると同時に、プラスチックの高度資源循環の社会実装に貢献します。
関連ページ:ニュースリリース
インドネシアKarawangの工場でヤシ殻でCO2削減
PT. DICGraphicsカラワン工場は、食品パッケージ用インキや塗料・プラスチック等に多用される顔料の主力工場で、多くの熱エネルギー(ボイラー)と洗浄水を使用しています。主な燃料は石炭で、これは経済性(重油価格の1/5、天然ガスの1/3)と入手しやすさによるものです。しかし、カラワン工場だけでDICグループ全体のCO2排出量の1割を占め、生産数量も上昇し続けているため省エネ・低炭素化が重要課題でした。
そこでDIC本社とカラワン工場はCO2排出量削減プロジェクトを発足し、石炭に代わる燃料として「ヤシ殻」に着目しました。インドネシアは世界第二のパームオイル生産国で、オイル抽出後のヤシ殻が豊富にあり、日本にも輸入されて石炭火力発電所やバイオマス発電の燃料として活用されています。プロジェクトチームがヤシ殻を調べてみると、1kgあたりの熱量は約5,000kcalと、カラワン工場で使う石炭のカロリーと同等なことが分かりました。そこで2016年12月、ヤシ殻を粉砕した石炭に混ぜて燃焼テストをしてみると、2割程度の混合であればボイラの運転や燃焼灰の品質(燃焼灰はセメント骨材に再利用)に影響がないことを確認できました。
2017年1月から使用する石炭の1割をヤシガラに置換して本格燃焼を継続しました。その結果カラワン工場の生産数量が前年比1.3%増加した中で、CO2排出量は8.5%減少したことが確認されました。その後もCO2排出量の削減に向け、継続的に燃焼調整などに取り組んでいます。
未来を拓く感性事業プロジェクト
具体的な取り組みの一つとして「一般社団法人応用脳科学コンソーシアム(CAN : Consortium for Applied Neuroscience)」による脳科学とAI融合研究のテーマ「脳モデル開発ユニット」への参画があります。「脳モデル開発ユニット」は、DIC株式会社、アサヒクオリティーアンドイノベーション株式会社、旭化成株式会社、株式会社NTTデータ、株式会社NTTデータ経営研究所の5つの企業及び国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)、脳情報通信融合研究センター(CiNet)などの研究機関や大学による産学連携を主体とした研究開発活動です。
このほか、「感性マテリアルプロジェクト」も進んでいます。このプロジェクトは、プロダクトメーカーやプロダクトコンバーターが求める感性価値の高い素材を、各社との共同開発によって実現し、ものづくりに関わる感性価値情報・ノウハウを共有する仕組みづくりです。
こうした活動や研究を通して、「DIC感性変換システム」の構築を計画しています。