R&D 統括本部長メッセージ

執行役員 R&D 統括本部長 有賀 利郎

技術プラットフォームの拡充について
そのねらいと目指すもの

執行役員
R&D 統括本部長
有賀 利郎

現在の技術プラットフォーム

DICグループの技術プラットフォームは、当社の創業以来、事業の拡充とともにその基盤技術も同時に拡充を続け、有機分子設計技術、高分子設計技術、分散技術、色彩・光学技術、応用加工技術の5つを当社の基盤技術と定義づけています。

技術プラットフォーム拡充の必要性

これまでDICグループでは5つの基盤技術を核に、それぞれの技術の深耕とそれらの組み合わせによる製品開発を行うことで、様々な価値提供を行ってきました。しかし、ここ10年前後で社会課題の多様化や、化学産業として取り組むべき課題のハードルの高度化が進み、当社が培ってきた5つの基盤技術領域だけではこれからの社会課題解決に臨むことが困難になり始めています。そのような背景変化を踏まえ、数年前から新しい基盤技術の導入を前提とした様々な技術テーマに取り組んでおり、バイオ技術や無機材料技術、さらにAI/MIなど計算科学技術を新たなる基盤技術として導入すべく検討を進めておりました。

技術プラットフォーム拡充で目指すもの

カーボンニュートラルのような地球規模の社会課題や循環型社会・デジタル化社会の形成に対応する新たな価値提供を行うためには、上述のバイオ技術、無機材料技術、計算科学技術の深耕とその基盤技術化が必須であり、これまでの技術プラットフォームの拡張を行ってまいります。この技術プラットフォームの拡充は、石化原料に依存しない新しいバイオ材料や、これまでの有機・高分子材料ではなしえなかった高機能性材料などの提供を実現し、計算科学技術ではAI/MIとシミュレーション技術による高度な材料設計と高速な開発が可能となります。この多彩な基盤技術の組み合わせが当社の強みとなると期待しています。

従来の基盤技術