地域統括会社紹介 DICアジアパシフィック社の活動紹介
ソリューションベースのマーケティング推進やマザープラントによる生産効率向上などを通じて、顧客への付加価値を一層高めます
ソリューションプロバイダーへの転換に向けた取り組み・事業展開
アジアパシフィック地域では、より体系化されたプロセス指向の組織モデルの確立に積極的に取り組んでおり、その移行の途上にあります。同組織モデルへの移行においては、既存プロセス内の非効率性を改善することを目的とした、cost-to-serve※モデルの展開が重要となります。これに合わせる形で、当地域では、従来の販売・マーケティングからソリューションベースのマーケティング手法に基づく「ソリューションプロバイダーへの転換」を進めています。
- cost-to-serveとは、調達まで含めたサプライチェーン全体のコストを、ビジネスや製品、顧客に区切って把握し、顧客別、製品別のコストを正確に把握することで、コスト上昇要因の特定、改善につなげる考え方。
生産性のさらなる向上に向けた取り組み
当地域では、戦略的にコスト効率を高める一環として、マザープラント化への移行を進めています。これによって大量生産や品目ごとの集中購買が可能になることで、cost-to-serveモデルの発展につながります。マザープラントを通じた「ハブ戦略」を進める上では、地域の目的に合った標準製品を製造するために、インド、インドネシア、タイなどにマザープラントを戦略的に配置することが前提となります。同戦略の推進によって、生産性と効率性が向上し、地域全体で相乗効果を生み出すことができます。
一方、バックオフィス業務では、財務・会計管理の分野において「シェアドサービス」の機能を実装し、開始しました。この取り組みによって、バックオフィスにおいても関連プロセスが合理化されることで、一層の効率化に寄与していきます。
域内における樹脂製品の拡販に向けた戦略的取り組み
インドを中心とした南アジアのコーティング用樹脂の市場は、大手樹脂メーカーの寡占状態にはなく、多数の中小規模の地場企業で構成されています。このような市場環境下、インドグループ会社のIdeal Chemi Plast社(インド、以下「Ideal社」)は2024年2月にインド中西部のマハラシュトラ州に新たな樹脂生産工場を開設しました。これは生産能力の増強を活用して、アジアにおいてDIC樹脂製品のプレゼンスを高めることを目指す「インダストリアルアジアドミナント戦略」に沿ったものであり、当地域ではIdeal社がその中心的な役割を担います。
Ideal社のインドにおける主な注力市場は自動車関連および一般工業分野ですが、生産能力が3倍に増強されたことにより、インドでは通常輸入品に依存している中級から高級市場セグメントのシェア獲得を目指します。このたび稼働を開始した新工場では、タイのポリマ技術センターで開発された技術をベースに、環境調和型でありながら地域ニーズに沿った製品の生産が可能になります。