CHAPTER 01

DICの成り立ち

印刷インキ、有機顔料、PPSコンパウンドで
世界トップシェアの
グローバルな化学メーカーです。

1908

DICの前身「川村インキ製造所」の創業
印刷インキの製造と販売を開始

東京市本所(現墨田区)の工場には、ガスエンジンで動く小型ロール3台を設置。当時の従業員は3人で、需要の多かった木版、石版、活版用の白、藍、黄、赤といったインキから製造を開始。原料である顔料、ワニスを購入し、練肉して製品にしました。売れ行きは好調で、当社は先ずは順調な滑り出しを見せました。

ところが、第一次世界大戦時に起こった色素の枯渇と価格暴騰により、安定的に印刷インキを供給できなくなりました。その頃の人々にとって、情報を得る唯一の手段だった新聞や書籍などの活字メディアの存続を揺るがす事態に。当時、印刷インキの原料となる顔料はそのほとんどが輸入に頼っていた中で、文化や教育を守るため、当時誰も考えもしなかった有機顔料の国産化に乗り出しました。

品質保証

使いやすい印刷インキを安定的に生産するためには、
高品質の国産有機顔料が不可欠だ。

創業者・川村喜十郎

そこで、川村喜十郎は有機顔料の自給に乗り出しました。
1925年、ついに有機顔料の本格生産を開始したのです。
この有機顔料の自給開始により、当社は単なる加工業から
真の意味の印刷インキメーカーへ脱皮すると同時に、
化学会社としての第一歩を大きく踏み出しました。

事業拡大の歴史

昭和15年

1940
(昭和15年)

水性グラビアインキ

戦渦の中にあった当時の日本では揮発油の統制が厳しく、代用品としての水性インキの開発が急務となりました。独自の水性グラビアインキを開発。

昭和27年

1952
(昭和27年)

合成技術の発展へ

合成樹脂の用途は接着剤、建材、強化プラスチックなど多岐にわたっており、合成技術のさらなる発展を目指し、米国のReichhold Chemicals Incorporated社と合弁。「日本ライヒホールド化学工業株式会社」を設立。当時は外資系企業との合弁は非常に珍しく先進的な動きとして注目された。

昭和33年

1958
(昭和33年)

戦後初の海外拠点として香港出張所を開設。
ここからDICの海外進出は加速していく。

昭和43年

1968
(昭和43年)

印刷の指標となる、DICカラーガイドの販売を開始。今では、代表的な色見本帳として、印刷・デジタルともに広く利用されています。

昭和61年

1986
(昭和61年)

国際競争力の強化を目指して、米国Sun chemical社グラフィックアーツ材料部門を買収。このことは、DICが日本とアジアだけでなく、アメリカやヨーロッパにも進出し、グローバル企業として歩み出す大きな一歩となった。

平成20年

2008
(平成20年)

創業100周年を機に、DIC株式会社に社名変更
「グループ化」「グローバル化」を強力に推し進め、事業構造、企業体質の変革の実現をめざす。

令和3年

2021
(令和3年)

独BASFのグローバル顔料事業(BASF Colors and Effects)を買収。
高級顔料、エフェクト顔料(化粧品向け)及び特殊無機顔料において世界有数の会社であり、両社が保有するポートフォリオが相互に補完されることにより、製品群を更に拡充し、世界有数の顔料メーカーとしての地位を強化。

CHAPTER 02

DICの未来

彩りと快適を提供し、人と地球の未来をより良いものに
COLOR & COMFORT

社会から必要とされ続け、
持続的な成長を実現するために

グローバル市場の
メガトレンドへ適合する

  • DICならではの技術
    テクノロジーの
    進歩
  • 気候変更問題
    気候変動問題
  • 少子高齢化 健康志向の高まり
    少子高齢化
    健康志向の高まり

経営ビジョン

彩りと快適を提供し、
人と地球の未来をより良いものに
COLOR & COMFORT

DIC Vision 2030基本方針

進化した“COLOR & COMFORT”の価値提供を通じて、
株主利益を包摂する社会的利益を追求し、長期的な企業価値の向上を目指す。
〜インキ製品に依存しない事業ポートフォリオの確立と
カーボンニュートラル社会の実現に向けて〜

世界的なカーボンニュートラルへの取り組み、新型コロナウィルスの出現等により、
ニューノーマル、デジタル社会への移行は大きく加速していく。

こうしたパラダイムシフトに対して、企業として持つべき視点は、
財務的利益の極大化だけにとらわれない社会的意義の極大化と捉え、
2030年の明確なビジョンに向けて走り出した。

2030年に目指す姿
  • カーボンニュートラル社会の実現
    カーボンニュートラル社会の実現
  • インキ製品に依存しない事業ポートフォリオを確立
    インキ製品に依存しない事業ポートフォリオを確立

60

サステナブル製品比率

2020年 40%

50%削減

CO2排出量

2030年までに

戦略投資に

2,300億円

事業領域の拡大

2025年までに

13,000億円

グループ売上高

2030年までに

1,200億円

営業利益

2030年までに

具体的に何に力を入れるか?

社会に適合した
事業ポートフォリオの確立

1世紀以上DICが続けてきた印刷インキは食品や日用品など多くの身の回りのものに使われており、
世界の人口と人々の豊かさに比例して需要の伸びが期待される
安定性の高い事業として位置づけられています。
しかし、先進国においては、急成長するヘルスケアや電子材料のような市場拡大は期待できません。
今後DICのさらなる事業の拡大、成長のため、印刷インキ事業だけでなく、新たな事業の創出が必須。

そこで

これまでのDICの強みを活かして
貢献できる5つの重点事業領域を設定し、経営資源を集中。

重点事業領域

重点事業領域
世界の社会課題と
我々が快適にしていくもの

NEXT VALUEDICの強みを活かし、
サステナブルな社会を実現するための
事業変革を進めていく。

そして

DICが実現に貢献する社会

グリーン社会
グリーン社会

・カーボンニュートラルの実現
・サーキュラーエコノミーの実現

デジタル社会
デジタル社会

・情報通信の進化
・CASE・MaaSの発展
・AI技術・IoT技術の発達

QOL社会
QOL社会

・安全・安心・便利な生活の実現
・食料問題の解決
・多様な価値観の実現

CHAPTER 03

DICの人的資本経営

人的資本価値を最大化し、
これまでのDICを
アップデートできる集団へ。

目まぐるしく社会が変化していく中で、
イノベーションを起こし、変革をもたらすため、
最も大切なのは、「人の力」。
働く社員が個性を活かし、
成長できる環境を整えています。

主な取り組み

人材育成
人材育成

ビジネス環境の急激な変化に柔軟に対応しながら持続的に新たな価値を生み出していくためには、社員一人ひとりが高い能力を持ち続け、それを発揮できる環境が必要です。
このようなプラットフォームを整備すべく、2020年、新たに人材育成に関する4つの基本方針を策定し、それらに紐づく育成体系を設定しました。

イノベーションを起こし、変革をもたらす人材の育成
イノベーションを起こす人材の
挑戦を促す環境づくり

性別、年齢、国籍などの属性にとらわれることなく、一人ひとりがそれぞれの持ち場で個性を活かし、イノベーションを起こし、DICと世界に変革をもたらすことのできる人材へ。さまざまな研修と共に、チャレンジに対しての加点評価項目を設置するなど、より前のめりに「イノベーション」に取り組める環境を整えています。

働き甲斐向上・生産性向上
働き甲斐向上・生産性向上

「働き甲斐の向上」と「生産性の向上」を目指し、全役員がリードし全社員参加型のWSR2020委員会では、働き甲斐を感じられるDICの職場像を「The DIC Wayを体現すべく、意欲的に様々なことに挑戦し、それが公正に評価され、互いの存在価値が認められる職場」と定義しました。そして、その実現に向け、同委員会の働き甲斐向上改革ワーキンググループが中心となり、「ダイバーシティ」、「インナーブランディング」、「コミュニケーション」、「キャリア支援」、「帰属意識」の5つの視点から様々な施策を展開しています。

エンゲージメントサーベイ
エンゲージメントサーベイ

国内グループ会社を対象にエンゲージメントサーベイを実施しています。2021年度はサーベイの結果に基づき、エンゲージメント向上施策として1on1ミーティングの制度化や業務におけるチャレンジの促進などを検討、実施しています。コミュニケーションの促進のみならず、職場での共感と信頼による一体感醸成に役立てています。

WHAT WILL YOU COLOR NEXT?次は、何を彩るか?

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